コロナのおかげで毎日オンライン研修やった結果、想定の3倍上手くいった話

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こんにちわ。
研修、セミナーコンサルティングを生業としている石井と申します。

現在坊研修会社に所属しているのですが、
2020年4月~5月にかけて、ほとんと毎日オンラインセミナー、研修を実施してきました。

今回はその中で、上手くいったことをシェアさせていただきます。

■20卒新入社員研修のオンライン化事情と実施状況
コロナウィルスは、想定よりもずっと早く、広範囲に研修業界を一変させました。
世間がコロナについてなんとなく騒ぎだしたのは今年1月。研修業界の一中小企業に身を置く私でしたが、日曜日の夕方のニュースをぼんやり眺めつつ、「そんなに影響は来ないだろう」と考えていました。
しかし、2月に入ると徐々に国内の感染者が増え始め、「人が集合すること」全般を自粛する動きに。そこでようやく「あれ、研修なんて3密ど真ん中では」ということに気づいた弊社メンバーとクライアント間で、不穏な空気が流れ始めました。
まもなくして自粛要請、ロックダウン議論、さらに五輪延期決定といったニュースが立て続けに報道され、クライアント様からは「人を集めて研修させるのは止めたい…」という相談電話が鳴り響く毎日に突入していました。
そんな、企業史上類を見ないほど緊張感が跳ね上がった3月。最も私たちの頭を悩ませたのは、4月からの「新入社員研修をどうするか」です。予定通り実施か延期、中止といった様々な選択肢について、クライアント様と話し合いました。
結果として、弊社のクライアント様は、
実施:60%
延期:30%
中止:10%
といった割合になりました。60%が実施に至った理由はシンプルで、「とにもかくにも4月には新卒が入ってきてしまう」からです。
とはいえ3密を避ける必要がありますので、このほとんどをオンライン研修へ切り替えて実施することになりました。
目次
■オンライン研修を毎日実施してきて見えたこと
■オンライン研修は環境で決まる
■質の高いオンライン研修を実施する上で必須となる3つのポイント
■毎日オンライン研修していて感じた「デジタルネイティブ世代」の強さ
■オンライン研修を毎日実施してきて見えたこと
そんなわけで、4月からは毎日オンラインで研修を実施してきました。
リアルで予定していた研修をオンラインに切り替えるとなると、オペレーションやファシリテートもオールチェンジする必要があります。しかも、毎日どこかで研修があるという状況ですから、たった1日で準備を整えなくてはならないこともしばしば。
講師や研修企画経験がある方なら共感していただけるでしょうか……これが!!本当に!!大変!!!!!(笑)
とはいえ、長年実現してこなかった自社商品をオンライン仕様に切り替えるチャンスでもあると思い、自身を奮い立たせて納品に励みました。
余談ですが奮い立ちすぎて「このノウハウを全国の人事、研修企画者に共有しよっと」となり、このnoteをしたためています。
というわけでここからは、毎日オンライン研修を実施した結果見えてきたポイントをまとめていきます。
■オンライン研修は環境で決まる
まずお伝えしたいのは、オンライン研修は機材で決まるという事です。
具体的には、、、
・主催者側はパソコン×ウェブカメラ×ヘッドセット×固定Wi-Fi
・受講生側はカメラ付きパソコンorタブレット×通信に問題がないWi-Fi
・利用アプリはZOOM
これらを揃える必要があります。
逆に言うとこれが無いと質の高い研修は実施出来ないという覚悟を持った方が良いです。研修中に顔が見えない、発言が途中で途切れてしまうといったことが発生すると、研修が一気に崩壊します。
なお、数あるオンラインMTGアプリが世にある中でZOOMを選んでいる理由は2つで、
・画面が見やすく、操作しやすい
・グループワーク(ブレイクアウトセッション)ができる
からです。
なお、とても良いアプリではありますが、ここ最近、ZOOMによる情報流出が世間を騒がしていたりもしますので、導入については各社での判断が必要です。
弊社では日々情報をキャッチアップしつつ、ルールの整備やアップデートに即時対応しながら利用しています。
■質の高いオンライン研修を実施する上で必須となる3つのポイント
それではいよいよ主催者側が研修を運営する際に必要なポイントについて解説します。
ポイント①受講生の手元に紙の資料を用意する
まず、受講生の手元に「研修で使う紙の資料」を用意する必要があります。当たり前すぎて見落とされがちですが、実はこれが結構ネックです。リモートの場合、研修当日までに個人宅に郵送or個人で印刷してもらうことになります。
画面を見つつ適当な紙に書き込めば…と思われるかもしれませんが、それで事足りるものばかりではありません。ワークシートありきのコンテンツはたくさんありますし、情報量が多いと文字が小さくて読めなかったりメモに取りきれなかったりなどがあるかと思います。
普段リアルで実施する場合は主催者側が持っていきますが、オンライン研修ではそうはいきません。手元に届くまでを逆算して動く必要があります。
ポイント② 必ずアシスタントを用意する
4月ほぼ毎日講師として登壇した私が断言しますが、オンライン研修は1人では出来ません。ZOOMの操作(グループ分けをする、タイマーを出す、機材トラブルに対応する等)を講師として話しながらやるのは、到底できることではありませんでした……。
突然1人の受講生のネット環境が落ちてしまった、なんてことが起こった暁には、もう大パニックです。研修どころではありません。必ずアシスタントを最低1名、講師とは別に用意しておきましょう。
とはいえ、講師が慣れている×受講生が少ないという状況であれば、講師一人でも可能なこともあると思います。また、講師が超優秀な場合も例外です(笑)
ポイント③インタラクティブの演出
研修企画側の最大の腕の見せどころは、インタラクティブの演出です。要するに「相互コミュニケーション」を如何に演出できるかということです。画面越しだと、受講生側はどうしてもテレビの前の傍観者になってしまいがちですので、「参加させる」工夫をいかにできるかが質の高い研修の肝です。
以下に実際に弊社で行った例を挙げておきます。
・ことあるごとに強制的に当てて、発言させる。(「今の部分わかりましたか?○○さん」「さてここに関して○○さん質問ありますか?」というイメージ)
・グループワークでは必ず1人1回発言する事をルールとする。
・チャット機能を使い、「社外の人(講師に)に聞きたい素朴な疑問」を募り、ラジオ感覚で答えていく。(「ぶっちゃけ貯金できますか?」や「1年目では怒られることが多いと聞いたのですが、本当ですか?」等がばしばしチャットで飛んでくるので、回答してあげる)
特にチャット機能を使った質問コーナーは、小一時間は話せるくらい、遠慮なく質問が飛んで来ました。毎日オンライン研修を実施している自分は、受講生のことをリスナーと呼んでいるくらいです(笑)
こんな形で、とにかく「参加させる」という工夫に時間を使うことが研修成功の鍵です。
■毎日オンライン研修していて感じた「デジタルネイティブ世代」の強さ
このようなことに気を付けながら毎日オンラインで研修をしているわけですが、最も印象的なのは「想定の3倍、積極的に研修に参加してくれる」という事。
最近の新卒世代は普段からSNS、youtube、オンラインゲーム等々を利用するため、オンライン上でコミュニケーションを取る事が当たり前になっています。そのため私たち主催側が驚く、いえ、もはや「ビビる」ほどに、リアルよりもワークが盛り上がったという場面を何度も目にしました。本当に。
しかし、ビビらずに最大限の準備をすれば、受講生は勝手に期待通りについてきてくれますので安心してください。
コロナのおかげで北は北海道、南は沖縄まで、同時に研修が出来るようになったという事実をポジティブに受け入れ、一緒に前に進んでいきましょう。

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