え?違法!? 3Dプリンターで調理器具はNG!?

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こんにちわ♪3Dクリエイターの由椰です🐶
実は以前、クッキーの型を3Dプリンターで作りたいというご依頼がありました。
私は3Dプリンターで食品の加工に使う調理器具を作成したことがなかったので、3Dプリンターで作った物を調理に使って大丈夫なのか疑問だったので調べてみたんです。
そうしたらなんと!!最悪の場合法律違反になってしまう可能性があることが判明したのです!!!
※そのため調理器具に関する3Dプリントのご依頼はお断りさせて頂いております。

今回は調理器具の3Dプリンターでの作成から販売についてまで、私が調べたことをまとめてお伝えしていきますね!!
3Dプリンターで調理器具の作成を依頼したいと思っている方の参考になれば嬉しいです♪

3Dプリンターでクッキー型は作れるの!?

そもそも3Dプリンターでクッキーの型のような調理器具の作成はできるのでしょうか?
結論!!可能です!!!!

もちろん調理器具の種類によっては作成できないものもありますが、クッキーの型であれば簡単に作れますし、ネットで検索すれば沢山のクッキー型を3Dプリンターで作成する方法というのが出てきます。
しかも洗剤で繰り返し洗って使えるようですし、どこにも売っていない自分だけのクッキー型を作れるというのはとても大きな魅力ですよね♪
もし興味のある方は、一度ネットで検索してみてください。
本当に沢山のクッキー型の作り方が出てくるので、見ているだけでも楽しいですよ😊

ただし物理的に制作することが可能というだけで、実は安全性が確保されているかというのは別の問題。
次は3Dプリンターで作った調理器具の安全性についてみていきましょう。

3Dプリンターで作った調理器具は安全??

3Dプリンターでクッキーの型のような調理器具の作成ができることはご理解いただけたと思います。
それでは3Dプリンターで作った調理器具の安全性はどうなのでしょう?

①ノズルやプラットホームの汚染問題

3Dプリンターで印刷をおこなう際、FDM方式ではプラットホームという板に熱で溶かしたフィラメントをくっつけてカタチを作っていきます。光造形方式の場合は、レジンを入れた器の中にプラットホームを入れて紫外線照射で固めてカタチを作っていきます。

このどちらの場合でも、それぞれに使う3Dプリンターのパーツを消毒して使用する必要があります。
そこをキチンとやっている人がどれだけいるでしょうか?
また消毒をおこなっていたとしても、過去に使用したフィラメントやレジンが僅かに残ってしまって、それがクッキー型等の調理器具に混ざってしまう可能性もあります。特にFDM方式ではフィラメントを出力するノズルと言われる部分にフィラメントが溜まりやすく、ここを完全に綺麗にするのは非常に困難です。またこのノズルや光造形のプラットホーム等が欠けてその破片(塗装の皮のようなもの)が混入する可能性もあります。

それ以外にもFDM方式の場合、プラットホームに造形物がキッチリくっつくようにノリやヘアスプレー等を添付して使用する場合も多くあります。私の場合もノリを使用したり養生テープを使用して吸着率を上げてプリントしています。
これは3Dプリントしない人からすると驚くことかもしれませんが、3Dプリントの世界ではごくごく普通におこなわれています。
もちろんクッキーの型のような調理器具専用として3Dプリンターを使用し、他の目的に使用していない人もいるかもしれません。しかし多くの場合には3Dプリンターを使用する場合の衛生面が問題になってくる場合の方が多いのではないでしょうか?

②フィラメントやレジンの安全性問題

先ほどは3Dプリンター本体の問題について説明しました。
次はプリントされる素材の方はどうなのか確認していきます。

調理器具は、その器具で作った食品が安全に食べられるように、食品衛生法で定められた基準を満たした素材を使う必要があります。この基準を満たした素材というのが、3Dプリンターではあまり数がなく、一般的ではない素材なのです。
一般的に3Dプリンターで使われている素材はPLAやABSと言われるフィラメントやレジンになります。
フィラメントもレジンもどちらも食品衛生法の基準を満たしてはいません。
それでも仮にその素材で調理器具を作ったとして、レジンもフィラメントも熱に弱い性質があります。
レジンは50℃くらいで変形していきますし、フィラメントも100℃前後では変形してしまいます。
つまり煮沸消毒のような処理ができないのです。
この点も衛生的に良いとは言えない点になります。

食品衛生法に則り安全性を証明する必要性

調理器具にはその器具の構造や材料に関して食品衛生法に定められた基準を満たしている必要があります。
また基準を満たした上で、それを証明するための試験をクリアして証明を受けなければいけません。
これに違反すると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる可能性があるようです💦

あのメルカリが注意喚起!?

最近は調べてみれば、3Dプリンターで作ったクッキー型やケーキの型などを沢山見つけることができます。
大手販売サイトのメルカリでも沢山の型を見つけることができるのですが、なんとそのメルカリが2023年に3Dプリンターで自作した商品の危険性についての注意喚起が促されました。
ココナラでは外部リンクを貼ることができないので、メルカリ公式から出た注意喚起について引用させて頂きます。

3Dプリンターで製造したハンドメイド商品を出品・販売いただく際にご注意いただきたい点についてご案内です。
3Dプリンターで自作した商品の危険性
3Dプリンターは製造時にできる積層痕で細菌が繁殖する、金属摩耗でノズル片が混入する等のリスクがあります。また、耐熱性が低く、煮沸消毒ができないため、衛生面に問題があります。例えば3Dプリンターで自作したクッキー型やケーキ型のような食品器具に該当する商品を購入し、実際に購入品を使用して調理した場合、細菌や金属片が食べ物に混入し、経口摂取することで健康被害が発生するおそれがあります。食品器具以外にも、自作したランプシェードやライトホルダー等の商品の場合、3Dプリンターの材質はPLA樹脂という植物由来のプラスチック素材で熱に弱いため、使用方法によっては溶けたり発火する可能性があり、事故に繋がるおそれがあります。
3Dプリンターで自作した商品を販売する場合には
メルカリおよびメルカリShopsでは上記のような危険性がない場合は、3Dプリンターで自作した商品を出品・販売いただくことは可能です。実際に出品・販売する際は「3Dプリンターで自作したハンドメイドの商品であること」を商品説明に明記し、メルカリを利用する他のお客さまがあらかじめリスクを踏まえて購入の判断ができるように適切な情報提供をしてください。また、3Dプリンターで自作したものを営利目的で反復継続して出品・販売し取引を行う場合は、許認可や届出が必要となります。自作したものを出品・販売しても問題がないか、どのような許認可や届出が必要か等については、法律事務所や各種省庁等、専門機関にお尋ねください。意図せず法律に違反してしまうことがないように、危険性を理解し、ルールを守って商品を出品・販売しましょう。
お客さまにメルカリおよびメルカリShopsを安心・安全にご利用いただくため、ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。

まとめ

ここまで3Dプリンターで作成する調理器具に関して説明させて頂きました。
ここまで説明した内容を理解した上で、個人で使用するためにクッキー型等を制作することは問題にはなりません。ただし基準を満たさない調理器具を制作して、それを販売した場合には法律違反となってしまう可能性があるのです。
これらを踏まえて、私のサービスでは調理器具の3Dプリントはお断りさせて頂いております。

今後3Dプリンターで調理器具の作成を依頼したいと思っている方はよくこれらを理解したうえでご決断頂くようにお願いします🙇‍♂️
なおクッキー型等のモデリングに関しては違法とはならないため、私のサービスでも制作させて頂くことは可能です(その場合の3Dプリント無料サービスはございません)。
ご興味あればそちらの方でお問い合わせ頂ければと思います♪

ということで今回はここまで!!
これからも楽しんで3Dつくっちゃおう!!✨✨
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