キャンパスライフ充実編⑦:サークルは成長の場。

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学び
All work and no play makes Jack a dull boy.(よく遊び、よく学べ。)
「団結によりて小国は栄え、不和によりて大国は破滅する。」(サルティウス)
「平和につけ戦争につけ、一致が勝利を維持する。」(ロレンハーゲン『蛙鼠合戦』)
「人間は1人1人を見ると、皆利口で分別ありげだが、集団をなせば、たちまち馬鹿が出て来る。」(シラー)

 大学に入ればサークルは貴重な「自分の居場所」となります。しかし、サークルによって自分が成長することもできれば、逆に自分をダメにすることもあるのです。こうした活動は体育会系と文化サークル系の2つに大きく分けて考えることができますが、いずれにしても単に楽しいとか、彼氏・彼女探しの場という基準で選ぶと、なかなか長続きしません。「なぜ、このサークルに入るのか」という目的意識が明確で、成長動機がはっきりしていれば、多くのものを吸収でき、なおかつそこでできる人間関係は大学を超えて、おそらく一生の付き合いとなっていくので、お金では買えないような友情や人脈を築いていくことができるのです。こうしたスタンスであれば、複数のサークル活動を展開することも意味がありますが、そうでなければいくつ掛け持ちしても一緒です。ただの「たまり場」が確保されたに過ぎません。
 また、人によっては既存のサークルに飽き足らず、自分でひとつサークルを立ち上げてみようと意気込む場合も多々あります。しかし、これも先述の内容を踏まえないと自然消滅していくことは目に見えています。サークルの設立目的・存在意義が高レベルであればあるほど、存続期間が長くなるのです。もう1つ失敗しやすいケースは男女の問題がからむ場合で、リーダーシップを取る人はたいていこの問題に振り回されます。ただの仲良しクラブならともかく、半ば公共的な性格を持つサークル作りは安易には考えない方がいいでしょう。
 さらに大学内は広いようで意外に狭いものです。大体似たようなレベル・意識の人達が集まっているのですから無理もありません。できればインターカレッジのサークルに参加しておきたいものです。大学を超えた交流が始まり、各界各層とまではいかなくても、多種多様な人物群との交流が可能になります(バイトもまたそうした場の1つです)。大学も国公立と私立では全然雰囲気が違い、女子大やミッションスクールはさらに違います。友達の幅の広さはそのまま人間の幅の広さにつながるものなのです。
 ちなみに日本の大学内のサークルでは、それほど大したことは期待できないかもしれませんが、例えばドイツには学生連盟(ステュデンテン・フェアビンドング)があり、カトリック系・プロテスタント系合わせて100以上、しかもそれぞれが定宿(シュタム・ロカール)を持って、学期中には週1回集まり、大学を転校(ドイツでは1学期ごとに転校できる)してもついて廻る存在となっているため、社会に「連盟閥」とでもいうべきものを形成(ドイツにいわゆる「学閥」は存在しない)しているとされます。さらに欧米社会には「クラブ」の伝統(さらにさかのぼれば「外交ギルド」に代表される「ギルド」の存在があります)があり、恐るべき人脈と影響力を誇るトップエリート達の集まりがあります(最近、注目されているダボス会議なども実はそうした集まりの1つです)。こうした伝統の存在やそのメリットを知っておくと、サークルの活かし方も変わってくることでしょう。

【ポイント】
①合コン系、遊び系は長続きがしないものです。
 大学に入れば新歓期にあらゆるサークル勧誘の洗礼を受けますが、華々しい実績を誇る体育会もある一方で、「何だこりゃ」というサークルもあれば、こんなマイナーなことに取り組んでいるサークルもあるのかと驚かされるでしょう。中には春には新歓ハイキングにカラオケ大会、夏には海に山にサマーキャンプ、秋にはドライブ、冬にスキー・スノボー三昧で、合コンはしょっちゅうなんていうサークルもあり、こういう企画なら最初はおもしろそうですが、そのうち人はぐっと減ってきます。人の出入りの回転は早くなり、よほど企画力とマネジメント能力がある人が仕切らない限り、一定水準の活動を維持するのは難しくなります。見た目ほど現実は甘くないのです。

②自分が成長できるサークルを選びましょう。
 社会全体は、公私混同→公私分別→公私充実という流れの中にあると言われます。どこに所属していようとも、必ずそこには帰属集団の目的があり、それに合わせなければなりませんが、自分そっちのけで全体に合わせてばかりいると全体主義の弊害が出ます。個性は伸びず、やりがいはいつの間にか擦り切れていって、惰性的になってしまうのです。逆に自己主張ばかりしていると、今度は個人主義の弊害が出ます。この両者は相反対立すべきものではなくて、調和させるべきものであり、そういうスタンスがどこでも取れる人が「達人」と呼ばれるわけです。サークル活動でもそこに埋没して自分を見失ってもダメですし、ただ自分の目的のために利用するだけでもダメです。サークルの存在目的に沿って、その活動を発展させつつ、自分の成長もそれと重ね合って進んでいくというのが理想的なあり方でしょう。
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