教養としての青年期論➀:人間観

記事
学び
ホモ・ファーベル(工作人):道具を使って自然に働きかけ、ものを作り出す存在。フランスの思想家ベルクソンが名付けた人間観。人間は他の動物と違い、道具を用いて環境に働きかけることができます。

ホモ・ルーデンス(遊戯人):日常から離れて自由に遊び、そこから文化を作り出す存在。オランダの歴史家ホイジンガが名付けた人間観。

ホモ・サピエンス(英知人):知恵を持ち、理性的な思考能力を備えた存在。スウェーデンの植物学者リンネが名付けた人間観。ラテン語のスキエンティア(英語science)が「(部分的な)知」であるのに対し、サピエンティアは全体的な「英知(聡明)」の意。

ホモ・レリギオースス(宗教人):自らを超えるものに目を向け、宗教という文化を持つ存在。ルーマニアの宗教学者エリアーデが名付けた人間観。

アニマル・シンボリクム(象徴的動物):言語などの意味を持つシンボル(象徴)によって世界をとらえる存在。ドイツの哲学者カッシーラーが名付けた人間観。

ゾーン・ポリティコン(ポリス的動物・社会的動物):共同社会に住み、言語や理性を用いて他者と話し合い、善と悪や正義と不正義などについて共に考える時、その本質を十分に発揮する存在。ギリシアの哲学者アリストテレスが名付けた人間観。

フロム:ドイツの社会心理学者、『自由からの逃走』。自由がもたらす孤独や不安に耐え切れず、権威への服従を自ら求めることを分析し、「父なき社会がヒトラーを産んだ」としています。

ベネディクト:アメリカの文化人類学者、『菊と刀』。第二次世界大戦下、アメリカの戦時研究の一環で日本を研究し、内面に善悪の基準を持つ西洋の「罪の文化」に対し、日本は他者からの評価を重視する「恥の文化」であると分析しました。

リースマン:アメリカの社会学者、『孤独な群集』。現代人に支配的な性格類型、現代の大衆社会に見られる社会的性格を、他人に同調して生きる「他人指向型」と名付けました。

他人指向型:周囲の意向や社会の評価を感じ取って、それに同調しようとする傾向。他人の行動に照準を合わせて自己の行動を決定する性格。

フランクル:オーストリアの精神医学者、『夜と霧』、ロゴセラピー(実存分析、意味中心療法)創始者。ユダヤ人であったため、第二次世界大戦中にアウシュヴィッツ収容所に送られましたが、死への恐怖や飢えにより精神的自由すら奪われてしまう極限状況での体験から、人間らしい生き方とは何かを探究し、生きる意味を見出すことの重要性を説きました。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す