自費診療の難しさ。

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保険診療の場合、医療機関の規模におおよそ同じ金額なのだが、自費診療の場合、医療機関が独自に金額を設定される事がある。
高齢者の相談の場合、自費診療で高額請求されて困っているという話を聞くことがある。
同じ医療機関で保険診療と自費診療の双方を行っている場合なおさらである。
この場合、真面目に保険制度を話しても理解してもらえることは少ない。
私は回転寿司と高級寿司屋で話をする。
回転寿司店は店ごとに金額設定は違うが、メニューに書かれた金額以外は請求されない。保険診療は保険点数が決められており、それに沿って請求されるので大きな金額差はない。
ところが高級寿司店になると「お品書き」はあるが金額が提示されていないところも多々ある。中には「時価」と書かれているケースもある。
それはその店がその日の仕入れ値などを加味して、独自に金額を設定しているのであり、それを理解納得した上で注文するということとなる。
医療も同じで自費診療の場合、同じような自費診療を行なっている医療機関でもA医療機関とB医療機関で0の数が違っていることも多々あることを説明する。
かなり乱暴な説明の仕方であるが、要はそれぞれの商品(医療を商品というのは少し抵抗もあるのだが)を手に入れるための「契約」によって成り立っているということである。
保険請求に関しては国が保険料率を決めているので、普段は「契約」という感覚を持つことはないのだが、自費診療の場合、この「契約」をどの程度理解して、きちんとした契約をするかが後のトラブルから身を守れるかになってくる。
例えば100万円の自費診療を行うとする。100万円である。これだけの契約を口頭契約だけで通常は行わないと思うのです。
車の購入に関しても保証などの細かい内容を確認して、それを書面で残すのは当たり前なのである。
ところが、その契約書の作成を行わずに自費診療を行なっている医療機関もたくさんあり、そもそも医療機関との「契約」ということを全く考えていない患者さんも多くいらっしゃるのが現実である。
私が相談に乗った方で、最高金額は東京都心の一等地に新築の高級マンションが購入出来るくらいの金額を支払った方がいらした。そこには簡単な契約書はあったが、料金明細、保証などの項目はなく、後に弁護士への相談を提案して、約半額程度は取り戻したというケースがあったが、患者さんからは「診察室」という独特の空間の中で医師から提案があり、それが一番良い方法であると感じ取ってしまうと、ついつい頷いてしまったということだ。
この手の問題は結構な数になる。
日本は今でも「口約束」みたいな契約があちこちにある。しかしこれだけ煩雑で多岐に亘る情報やサービスの提供が行われるようになるときちんとした「契約」というものの必要性が高くなる。
診察室で「即答」するのではなく、家族や相談窓口に相談をして、納得してから契約、治療をすることをお勧めしている。
また高齢者を持つ家族の方は、出来れば自費診療を行うような場合、契約の説明に同席をされた上で、即答ではなく色々と相談窓口を活用されることをお勧めします。
今後、さまざまな場面で新しい治療、自費対応の治療が出てくると予想されています。くれぐれも即答は避けて熟考の上、判断されることをお勧めします。

医療も契約です。本当に難しいことが多く出てきます。くれぐれも契約には慎重を期してください。
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