「墓じまい」の方法は?改葬手続きをスムーズに進めるコツをご紹介!

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終活の一環として、墓じまいやお墓の引っ越し(改葬)を考える方が増えています。
墓じまいとは先祖代々のお墓を自身の代で取りやめにすることです。お墓の管理が難しいときには、墓じまいの手続きを進めるのもいいかもしれません。
また、遠方にお墓があり不便を感じているのなら、お参りしやすい場所への改葬を検討しましょう。
この記事では、墓じまいや改葬を考えるときのポイントや、実際の手続きの流れについて紹介していきます。

墓じまいを考える方は年々増加している!

近年では少子高齢化や核家族化の影響で、お墓を子孫代々継承していくことが難しくなっています。戦前まではメジャーな考え方であった家督相続や家制度の意識が近年になって薄れつつあることも、お墓の継承が難しくなっている理由です。
お墓の継承が難しい場合には、墓じまいという形でお墓を取りやめるのもいいかもしれません。

お墓の引っ越しを検討するのもおすすめ

お墓を一度購入したらその場所から動かせないと思っている方もいるかもしれません。しかし、現在納骨されているお墓から別の納骨先にご遺骨を移すことは可能なのです。
近隣の寺院のお墓、管理が手軽な納骨堂や樹木葬などにご遺骨を移せば、お墓の管理やお参りに関する負担を和らげることができます。

墓じまいのためには「改葬許可証」が必要!

墓じまいやお墓の引っ越しをするときには必ず規定の許可を取るようにしましょう。改葬許可を取るための手順は少し複雑なので、注意しながら手続きを進めていくことが重要です。
墓じまいやお墓の引っ越しには、改葬許可証の発行をはじめとした一定の手続きが必要です。これは、「墓地、埋葬等に関する法律」という決まりによって定められています。
所定の手続きをせず勝手に墓じまいやお墓の引っ越しをすると、罰金刑または拘留の刑に処されることがあります。また、墓じまいやお墓の引っ越しの際に遺骨の遺棄や損壊に至った場合には、墳墓発掘に問われ3ヶ月以上5年以下の懲役刑となる可能性もあります。
知らないうちに法に反してしまうことがないよう、十分に気をつけておきましょう。

改葬許可証を得るために必要な3つの書類

墓じまいやお墓の引っ越しに必要となる改葬許可証は、手続きをすれば即時発行されるというものではありません。
改葬許可証を交付してもらうためには、以下の3種類の書類の用意が必要です。

1. 受入証明書(改葬受入証明書)

受入証明書は、お墓の引っ越しで新たにご遺骨を受け入れてもらう墓地の管理者に発行してもらう書類です。
墓じまいやお墓の引っ越しをするときには、ご遺骨を今後どうするかを決め、引っ越し先に申請しておく必要があります。お墓や納骨堂がご遺骨を受け入れてくれることを証明するためにも、受入証明書は欠かせません。

2. 改葬許可申請書

改葬許可申請書は、自治体に対して改葬の許可を得るための書類です。
書類にはお墓に入っている故人、つまり死亡者の住所や氏名、本籍などを記載します。さらに、現在の埋葬場所や改葬の理由などの記載も必要となります。申請した方の住所氏名や続柄も間違いなく記載しておきましょう。
お墓を代々継承している場合には、複数のご遺骨が眠っていることが多いと思います。改葬許可申請書は、ご遺骨1体に1枚必要となるので、人数分の書類を用意しておきましょう。

3. 埋葬許可証

埋葬許可証は、現在お使いの墓地の管理者に署名捺印してもらうための書類です。
現在、ご遺骨が間違いなく墓地に納骨されていることを証明できなければ、墓じまいやお墓の引っ越しの許可を得ることもできないのです。

改葬許可証を取得するまでの手続きの流れ

お墓が故郷など遠方にある場合、改葬許可証を用意しないままお墓を訪れても無駄足になってしまうおそれがあります。まずは必要となる以下の書類を発行してから、お墓に足を運ぶようにしましょう。

1. 受入証明書を発行してもらう

まずは、今後ご遺骨を預かってもらう新しい納骨先の管理者に、受入証明書を記載してもらいましょう。
受入証明書の発行費用はお寺や業者によって異なります。無料で発行できるところもありますが、1,000円から1,500円程度の手数料がかかることもあります。

2. 改葬許可申請書を発行してもらう

受入証明書を入手したら、現在のお墓がある市区町村役場へ行って、改葬許可申請書を発行してもらいます。
改葬許可申請書は自治体のホームページからダウンロードできることが多いので、まずはサイトをチェックしてみましょう。不明な点がある場合には、自治体に問い合わせれば応じてもらえるはずです。

3. 埋葬許可証を発行してもらう

続いて、現在のお墓の管理者から埋葬許可証を発行してもらいます。
お墓の管理者と改葬申請者が異なる場合には、このタイミングで改葬承諾書も発行してもらいましょう。

4. 改葬許可証の申請をし、入手する

受入証明書と改葬許可申請書、そして埋葬許可証といった書類を自治体に提出すれば、改葬許可証を入手できます。
ただし、改葬許可証は申請後即時に発行されるわけではありません。自治体によって異なりますが、改葬許可証の発行までには3日から1週間程度の時間がかかります。土日祝日を挟んだ場合、発行までに10日程度の時間がかかる可能性も考えられます。

改葬許可証の発行にかかる費用

改葬許可証の発行が無料でできる自治体もありますが、多くの場合には書類発行に300円程度の手数料がかかります。複数のご遺骨を引っ越しさせる場合には、申請1件ごとに手数料が必要となります。
改葬許可証の発行は窓口だけでなく郵送でも手続き可能です。ただし、郵送の手続きをする場合には往復の切手を封入し、改葬許可証の発行手数料を定額小為替で用意するなどの手間がかかります。

改葬許可証を手に入れたあとの手続き

以上の手続きをして改葬許可証を手に入れれば、晴れて墓じまいが可能となります。ここからは、改葬許可証を提示しての手続きについて解説していきます。

1. 現在のお墓の墓じまいをする

改葬許可証が交付されたら、現在遺骨をお預けしているお寺の管理者に改葬許可証を提示しましょう。書類の提示によってはじめて改葬が認められ、墓じまいを進めることができます。
墓じまいにあたっては、お墓の解体だけでなく閉眼供養という儀式を執り行うことがあります。閉眼供養は「魂抜き」ともいわれる儀式で、お墓に込められている仏様やご先祖様の霊を抜くという意味合いがあります。
閉眼供養は事前の申し込みが必要となることもあります。現在のお墓に墓じまいの連絡をするときに、閉眼供養についても尋ねておくとよいでしょう。

2. 新しいお墓への引っ越しをする

墓じまいを済ませたあとには、新しく使用するお墓や納骨堂、樹木葬、永代供養墓などにご遺骨を運びましょう。こちらのお寺の管理者にも、改葬許可証を示す必要があります。
新しいお寺では、納骨式や開眼供養(魂入れ)の儀式をすることがあります。こちらの儀式についても、事前に申し込みや相談をしておくのがスムーズです。

墓じまいをスムーズに進めるためのポイント

墓じまいにはいくつものプロセスがあるため、大まかな流れを把握しスケジュールを立てておくのがおすすめです。特に、書類発行には時間がかかることがあるので、余裕をもたせた日程で動くようにしましょう。
また、墓じまいをしたあとに親族から異議を申し立てられ、トラブルになるケースも発生しています。墓じまいをするときには事後報告ではなく、親戚に現在の事情を伝えた上で事前に意思を確認しておくことが大切です。

墓じまいや改葬を専門業者に任せれば安心!

ご紹介したように、墓じまいやお墓の引っ越しというのはただ遺骨を取り出して終了というわけにはいきません。さまざまな手続きを正しい手順で行わなければ、罪に問われたりトラブルに発展したりすることがあります。
お墓の撤去やご遺骨の移動といった墓じまいの手続きを自分で進めるのが難しいと感じる場合には、墓じまいの手続きを代行してくれる業者を頼ってみてはいかがでしょうか。
墓じまい代行業者は、墓じまいに関する手続きを総合的にサポートしてくれます。ここからは、代行業者に依頼できる内容をチェックしてみましょう。

1. お墓やお寺の管理者との相談や交渉

墓じまいやお墓の引っ越しをするときには、これまでご遺骨を預けていたお寺に墓じまいの申請をする必要があります。また、これから遺骨を預けていくお墓や納骨堂に対しても、連絡しておかなければなりません。
お寺に対してどのように墓じまいの相談を切り出すべきかと悩む方は少なくないと思います。また、遠方のお寺に行って手続きをする時間がない方もいることでしょう。お寺との相談に関するお悩みがあるときには、業者に代行依頼をするのがおすすめです。

2. 自治体での手続きや書類発行の代行

墓じまいにあたっては、改葬許可証と呼ばれる書類を交付してもらうことになります。
改葬許可証は申請すればすぐに発行される書類ではありません。改葬許可申請書や受入証明書、そして埋葬許可証といった書類を揃えてもとのお墓と新しいお墓に改葬のお願いをすることで、はじめて改葬許可証を交付してもらうことができるのです。
書類を揃える過程では、もとのお墓のあるお寺に出向いて署名をもらう必要も出てきます。これらの手続きはかなり煩雑ですし時間もかかってしまうため、代行業者に依頼する方が多いのです。

3. 墓石の撤去や解体に関する業務

墓じまいの代行業者には、墓石の撤去や解体を依頼できることがあります。
ほとんどのお寺では、お墓を変換するときには墓石を撤去して更地の状態にしなければなりません。墓石の撤去は石材店に依頼できますが、なじみの石材店がなく誰に頼めばいいか分からないということもあると思います。
墓じまい代行業者は、石材店への依頼から墓石の撤去までを一手に引き受けてくれます。

4. ご遺骨の取り出し、移動、管理

墓じまいで墓石を撤去したあとには、お墓のご遺骨を取り出して保管したり、新しく購入するお墓や納骨堂にご遺骨を移動させたりする必要があります。
墓じまい代行業者は、ご遺骨を一時的に預かり、納骨ができるようになったタイミングで新しい納骨先に運んでくれます。

墓じまい代行業者に依頼できない内容もある

墓じまいや代行業者は、ご依頼に応じてさまざまな手続きや申請を代行してくれます。ただし、何もかもを墓じまいや代行業者に任せられるというわけではありません。
特に気をつけたいのは、墓じまいに関する親族との話し合いは墓じまい代行業者には依頼できないという点です。
親族に知らせないまま墓じまいをした結果、トラブルに発展するケースというのもあるものです。墓じまいをする前には、家族や親族で話し合いの場を設けておくことがおすすめです。
現在のお墓から別のお墓や納骨堂にご遺骨を移す理由や事情について親族間で話をし、了解を得ておけば、あとあと問題が起きる心配もありません。墓じまいに関することを親族に理解してもらったのちに、墓じまい代行業者を探すとよいでしょう。

墓じまい代行を業者依頼するメリットとは?

墓じまいの代行依頼にはたくさんのメリットがあります。
中でも、煩雑な手続きをすべて専門の業者に任せられるというのは大きなメリットといえます。墓じまい代行業者は墓じまいに関する知識を持ち合わせているので、スムーズに手続きを進めてくれます。もしイレギュラーな事態が発生した場合でも、豊富な経験をもとに適切な対処をしてもらえるはずです。
遠方にお墓がある場合、墓じまいのために何度も足を運ぶのは大変です。代行業者に依頼すれば、忙しく時間がない方や高齢で遠方に足を運ぶのがつらいという方でも、墓じまいの手続きをスムーズに済ませることができます。

まとめ:専門業者とともに二人三脚で墓じまいや改葬をすれば安心!

墓じまいやお墓の引っ越しにはかなりの手間がかかるため、忙しい方はなかなか手続きを進められないこともあると思います。また、遠方に行ったり書類の手配をしたりするのがわずらわしいと感じる方もいるかもしれません。
墓じまいを自分で行うのが難しいと考えられる場合には、墓じまい代行を業者依頼するという方法もあります。墓じまいや改葬を多く手掛けている業者に代行依頼すれば、手間をかけずにお墓の悩みを解消することができますよ。

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