「小説の技法」Lesson38 「プロット」について悩んでいます。

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 思い付いたストーリーの断片を走り書きしたもの、メモしたもの、曲でも写真でも、イラストでも、それがプロットの主軸になるものです。ここの段階で、全登場人物ができていない、全出来事が出ていない、ラストが決まっていない、始まりが決まっていない、よくあることです。気にせずにどんどん作業を続けて下さい。

 何をするかと言えば、起承転結でできる筋の起伏に、イベントを配置して行く作業です。
 ばらばらに浮かんだ出来事を、小説の構成に合わせて、順序良く並べ替えできればそれでいいです。小説の構成は、起承転結、あるいは、序破急です。この起承転結の割合については先に飽きるほどお書きしました。皆様、覚えていらっしゃると思います。

 琴音武道派流では、クライマックスの始まりが中盤より前に来ます。全体のページ数が仮に400であれば、既に、200より前から山場に入っていなければならない計算です。
 最初の山になる所にこの出来事、二番目の山になるここにメインの出来事という感じで、イベントを配置します。非常に、知的で頭の疲れる作業です。この出来事には、登場人物の誰と誰が必要で、何が起こるか、書きます。欲しい起伏に反して、出来事が足りない場合は空白にしておきます。もう一つ、盛り上げたいけれど、思い付かない。後で考える空白です。

 そして、各エピソードにページ数の割り付けをします。恋愛小説なら、この初デートのシーンに何ページ。出来事の大きさ、その場で必要とされる読者の感情の高まりを考えて、ページ数は配分します。山場作りです。ここ、プロット段階では面白くても、実際に書いてみると思ったほど効果が出ないという話を聞きます。プロットの問題か、表現の問題か、は非常にわかりづらいです。 

 でも、私は、その多くがプロットミスだと思います。 
 まず、プロットと実際の作品の文章、第一に何が違うかと言えば、時間です。小説では、他人が割り付けられているページ量を読むということを忘れてはいけません。時が必要です。目の前を箸が転がれば面白いです。でも、箸が転がるだけの映画は面白くもなんともないでしょう。ページ数とイベントのサイズが合っていないことが第一に考えられます。

 第二には、文章化した場合のインパクトの差。人というのは、見たい生物です。第一課題で嫌というほどやったと思いますが、何かが見えるのと、何かが聞こえるのと、何かに触られるのとどれが一番怖いんですか? 私、もう、直感で見たくないです。忘れられません。
 共感を取りづらそうなので、愛している恋人の姿を見たいですか、声を聴きたいですか、闇の中で、ただ、触りたいですか? 私は何より、会いたいというか。この目で一目でも見たいです。皆さんは? 小説の中でも同じだと思います。ここで、無理に優先感覚を変えると、主人公の心理、感情描写が歪みます。という問題で、私は今日、物凄く悩んでいます。

 プロットの仕掛けがうまく活きないという質問を頂き、全く違う方の課題で、この問題を直したからです。私は、その方の作品をプロットにしてみました。ミスがないんです。でも、文章にしたものは活きていませんでした。プロットミスと指摘しました。イベントの数と順番が違うと思います。明日まで、私は廊下で反省して考えます。     
                         以上

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