「小説の技法」Lesson37 おいおい、「プロット」入るよ!

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 描写の量は、プロットに沿って自分で割り付けたページ数に制限されます、という些か身も蓋もないことを前回は書かせてもらいました。私もカクヨムさんのサイトの作品をちらちら読ませて頂くようになりましたが、皆様、一様に構成が弱いです。

 坂を上り始め頂上から、一転、急降下して、ぐるんぐるん回り、そして、すっと止まる。ジェットコースター式の小説の構成を備えているものがありません。起が弱い。いたずらに承が長い。そして、また、一様に、結も長い。平板な転。極端に言えば、そういう形になっています。起承転結と言う形式は弁えられています。でも、各部分の割合が本当におかしいです。意識的に盛り上げようという意志も気迫も感じられません。抑制すべきどころで、筆が走ります。一般的にきつい言葉で申し上げればそうなります。限りなく、惜しいです。

 発想点、着眼点、非常に面白いのですが、構成が作られていません。私は、とにかく、この方たちは、起承転結の言葉は知っていても、意味が分からないのだろう、と結論付けるしかありませんでした。第一課題「怪談」で取り上げた問題ですね。

 教えていた経験では、第一課題の時に、プロのライター相手でも、大喧嘩になるほど、直しづらく揉める難しい問題でした。怪談くらい客観的に出来不出来が説明してわかりやすいものでなければ、書き手が受容できない問題です。誰が恋心の転が弱いでわかりますか? 女に何がわかるだの、俺はこうだ、私はこうです、書きたくない、と反駁されて終わりです。

 なぜ、また、第一課題に戻っているか、と言えば、私のところに来た質問が、描写に関するものと、プロット、構成に関するものに偏ったからです。ここがクリアされていない以上、前に進めません。プロットがしっかりできていれば、描写量の問題も出て来ません。そもそも、プロットが苦手と言うズバリの質問も来ないでしょう。

 プロットを立ててはいるんでしょうか? プロット通りにいかないという言葉も耳にするので立ててはいるのでしょうね。立てていなかった方、ここ、必修です!立てること!

 立て方を教えて下さいと言われても、これは、自分の癖が限りなく出るものです。シナリオスクールや創作塾などに入れば、否応なく、そこのシステムに従った雛形を教えられるはずです。私も、ここ、解説しようと思い、一般的にどのように教えているのか調べました。 

 これじゃ、小説書けないだろう……。が、調べた元作家の感想でした。理解不能でした。プロットが何かと言えば、小説の設計図です。ストーリーとどう違うだの、こう違うだの論議されていましたが、どーでもいーです。小説の全体構造を示した自分なりの図が書ければ、それでいいです。ノートに、絵を描いたり、思い付いた言葉を書いたり、思い浮かんだ場面をどんどん書いたり、ブレインストーミングのような作業から、私は始まります。

 結構、話が降ってくる方いるでしょう? 私もそっち系です。降りてきたら、止まらずに、ランダムに絵やら図やら自由に描きます。降りるタイプじゃない方は、世界観や登場人物、時代、出来事、何がどうしてどうなる話か理路整然と書き留めて行って下さい。
 どんな話か、出来事は何か、どうなるか、書き尽くしたと思ったら、整理して行きます。

 ここからが、プロットを立てるという話に入ります。次回です。   
                              以上

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