『小説の技法』Lesson4 能動的読書の勧め

記事
コラム
 今日のメソッドは、小説を書こうとしている皆さんなら、習慣として身についていることかもしれません。でも、習慣として漫然と行うのと、明確な目的意識を持ち結果が伴うものだとわかった上で行うのでは、その大切な結果に明らかな差が出ます。
 そう、小説の上達には、まず、読書が必要です。
 すごいでしょう? 誰でもご存じのことでしょう? 実践してらっしゃるでしょう?

 でも、小説の上達のための読書には、①何を読むか、②どう読むか、という二つの上達ルールがあります。
 まず、問題なのは、何を読むか? 
 なんでも、と答える方もいれば、売れている作品、文豪の小説、さまざま、答えはあるでしょう。

 でも、答え:下手な小説です。
 最初は、あまりピンと来ないかもしれません。下手な小説を読んでうまくなるわけがないでしょう? 言い返されたら、私は、はい、そうです、当たり前です。と答えます。
 ページも短いことですので、すっきり書きます。超一流の方の小説と、下手な小説、どちらも嫌がらずに読んで下さい。え? 例えば、誰の何ですか?と思われた方、あなたは、まだ、作家になるための読書ができていません。

 小説の上手い、下手、がわからないということです。反省して下さい。
 そして、とにかく、文豪でもいいです、一流の方でいいです、読んで貶すのではなく、ただ、謙虚に読み、その後、素人の小説を読んで下さい。最初は、たいして、変わらないと思うでしょう。私も、あんまり、ピンと来ませんでした。子供の頃。

 でも、繰り返していくうちに、歴然と実力の差も、才能というものの差も見えるようになります。そして、自分の書いた作品、世界で、このくらいの位置にいるなぁと評価シートをもらわなくても、わかるようになります。

 そして、②一流の方の小説と、下手な小説、どう読むか?
 ここ、小説だけに限ったことではありません。映画でも、ドラマでも、そうですが、常に、「自分ならどう書くか?」考えながら読んで下さい。
 小説が「うまい」のなら、自分には、「ここ止まりだった」と謙虚に学び、「下手だ」と思うのなら、「どうすればうまくなるか」「面白くなるか」「自分ならどう書くか」考えながら読んで下さい。粗探しではありません。下手な点ばっかり、あげつらっても、自分のためにはなりません。それを、「どう書き換えるか考えること」、それが小説の勉強です。自分も同じミスをするなぁ、そう気づくのも勉強です。

 読んだ本の数を自慢するのではなく、何をどう読んでいるのかが重大問題です。

 こんなこと吹聴しても、大抵の人は、信じません。実行する人も稀です。でも、実行し続けた人、恐ろしい速さで実力を付けます。見てきました。
 だから、やってみるべきだし、私も、日々の鍛錬として続けると思います。




サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す