白内障と運転免許更新について①(患者様向け)

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コラム
眼科で勤務していると、毎日のようにお会いするのが「運転免許の更新に行ったら視力検査が通らなかった」と仰って来院される患者様です。
特に60~70歳以上の方が多い傾向にあります。

運転免許更新が可能な視力は、厳密には、さらに細かく免許の種類によって変わりますが、基本的には以下のようになります。

【普通免許(一般的な自動車はこちらが該当)】
・左右それぞれの視力が0.3以上で、両眼の視力が0.7以上あること。
・片方の視力が0.3に達しない場合は、よく見える方の視力が0.7以上かつ視野が150度以上あること。
(いずれの場合でも眼鏡等による矯正視力でも可)

【大型や第二種(バスやタクシーなど)】
・左右それぞれの視力が0.5以上で、両眼の視力が0.8以上あること。
(眼鏡等による矯正でも可)
※こちらは視力検査に加えて、深視力という奥行きの感覚を調べる検査も受ける必要があります。

さて、免許更新ができない原因を調べるために、まずは視力、眼圧、眼底検査など一通りの検査をさせて頂くことになります。必要であれば、さらに検査が追加されていくこともあります。

60~70歳以上の患者様の場合、白内障による影響が強くなってくる年代にあたるため、白内障による視力低下が起きていると推測できます。ですが、白内障だけでなく、検査中に緑内障や網膜の病気など別の病気が見つかることも少なくありません。

「なぜこんなにいくつも検査を受けないといけないのか?」と眼科の初診では疑問に思われる方がよくいらっしゃいますが、複数の検査を受けて頂くことが、病気の早期発見や治療に繋がり、後々になって「あの時に病気を見つけてもらったから失明せずに済んだ」という事例が、患者様の皆様が想像されている以上に、非常に多くあります。眼科側はそれを理解しているため、検査を省略できないのが実情です。

どうしても検査が多くなると、待ち時間も、検査を受けることの疲労も増えてしまうため、眼科側としては大変申し訳ない気持ちですが、患者様の眼のために責任を持って仕事をしているからなので、どうか御理解頂けると幸いです。

後半は私個人からの患者様へのお願いのようになってしまい、話が逸れてしまいましたが、次は実際に検査や診察で白内障が見つかった後についての記事となります。

白内障と運転免許更新について②へ続く





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