音楽における理論の重要度合い

記事
音声・音楽
こんにちは。コントラバス弾き 佐清(スケキヨ)です。

今回は「音楽における理論の重要度合い」について書きたいと思います。

1.音楽理論って…難しい?
「音楽理論」なんていうと堅苦しくて取っつきにくくて何だか敬遠してしまう人も多々いるかも知れません。

勇気を出して実際にひも解いてみても,専門用語の羅列で「こりゃダメだ」と数ページで諦めてしまう人もいるかと思います。
(高校の時の僕自身がそうでした)

ですが,ちょっと頑張ってみると「なんだ,そういうことか」と,ストンと腑に落ちることが多々ありました。

楽器を練習してある程度譜面が読めるようになって,曲の流れが何となくわかるようになると理論の言わんとするところを汲み取れるようになります。

子どもの頃に難しいと感じていた足し算・掛け算だと思っていたことが,色々経験して大人になってみると大したことない問題だったりするのと似ています。
(※かと言って僕が全て理解しているとは言い切れませんが…)

なので,初めは算数の数式や法則と同じように「へ~,そうなんだ」くらいで流し読むくらいで良いと思います。

2.音楽理論とは
一つめの項目で「音楽は算数に似ています」と言いましたが,音楽と数学は沢山の共通項があります。

例えば「基準音となるラの音は440Hz(場合によって前後しますが)と表され,それをテンポ120(1分間に120回の速さ)で,4分の4拍子で,12小節演奏する」としたとき,沢山数字が出てきます。

それらの音一つ一つにはそれぞれの周波数があり,どの周波数同士の組み合わせがハーモニーとして認識されるかというところでも数学的に表されます。

加えて、数学とは別に,音楽は時間的芸術でもあります。

音が発せられた時,それは空気の振動として聞く人の耳に伝わり,連続した音は時間の経過を通して「旋律・曲」として認識されます。

上にも述べた通り「どのくらいのテンポで演奏するか」や「何分間演奏するか」という意味でも数学として表現することができます。

それらの紙面上の表現手段として「譜面」があり,「譜面」は言語的表現と同じく三次元で飛び交う「音」を二次元に落とし込んだ伝達手段です。

この二次元としての音の表現である「譜面」において,標記される音がどのような音なのか/どのような役割があるのか/どのような動きをするのかを言葉でひも解いたのが,今回のお題である「音楽理論」です。

だいぶ堅苦しい言い回しになりましたが,三次元的な音を二次元の,しかも言語で表現しようとする点が難しく感じるところなのかとも思いますが,実際の音を確認しながら一つ一つ噛み砕いていけばとても分かりやすくできています。

楽典をはじめとした理論書が山のようにありますが,ご自身の興味があるジャンル(クラシック/ジャズ/ポップス等)に合わせて手に取ってみることをオススメします。

3.音楽理論はフィーリングでカバーできるか
「音楽は感じるものだ!理論なんていらん!」と言う方もいるかも知れません。

その人がどういう音楽表現をするかは置いておいて,音楽理論はフィーリングでカバーできるか否かという議論もあったりします。

これは半分当たっていて半分外れている,ビミョーなところです。

というのも,音楽理論を必ず理解していなければいけないかと言えば,そうではないんですね。

グレゴリオ聖歌やイスラームの旋律なんかは古くから数学的に分析・解析されていますが,一方で現代音楽のルーツである初期のブルースを奏でるブルースマンを見てみると,理論もへったくれもない状況です。

19世紀に奴隷解放宣言が成されたにもかかわらず,アフリカン・アメリカンはその後も酷い差別を受け続け,増してや教育制度も整っていないために読み書きもすることができないブルースマンは多々存在したということです。

そんな状況において二次元的表現である譜面や音楽理論を学識的に習得する術はほぼ無かったと思います。

それにも関わらず,後の世界に多大な影響を及ぼしたブルースを編み出したのはルーツと知恵に加えて,音に対して天才的な直観を持ち合わせていたことが推察されます。

それを考えると「素晴らしい音楽家=音楽理論の完璧な理解者」は成り立たないことになりますが,それは一握りの天才だけに許されたものではないでしょうか。

直観というのは磨けば磨くほど鋭敏になっていくものだと思います。
中には思いもよらない才能を持ち合わせている人もいるかもしれません。

ただ,音楽理論を理解していた方が音への理解,そして自身が発する音の方向性を定めるのに役立つことは間違いありません。

そういった意味でも,余裕があれば音楽理論は頭に入れておいた方が無難です。

4.音楽理論への一歩
とは言え「どこから手を付けたらいいか分からない…」という初心者の方も沢山いるかと思います。

僕自身も勉強を始めた当初,書店の音楽理論の棚の前で小一時間ほど悩みぬいて購入したりしてました。
※勉強を始めた当時はYouTubeもKindleもありませんでした…良い時代になったもんだ

時代は変わりましたが,初心者が第一歩を踏み出す勇気は相変わらず必要だと思います。

そんな方々にもっと気軽に音楽理論に触れてもらいたい&手助けになればと思ってブログを書きました。

おわりに
「音楽理論って簡単だよ!」とは決して言えませんが「思った以上に敷居は低いんだな」ということだけでも覚えてもらえたらありがたいです。

僕も完璧に理解するにはまだまだまだまだ及びませんが,日々勉強だと思って読み進めています。

何より,解説をすることで自分の中で学び直しになって,それはそれでいい事だなとかみしめている所です。

それではまた次回の記事でお会いしましょう。

今回は最後まで読んでいただき,ありがとうございました。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す