ベートーヴェンと人生と音楽を語る

記事
音声・音楽
            北村敦

ベートーヴェンくん!

僕はね、中学生の時、
音楽室の後ろの壁に貼られた
音楽家の肖像画を見て、
君について不思議に思ったことがあるんだ。

「何を不思議に思ったんだい?」

バッハくんやモーツアルトくんたちは、
凄いもこもこパーマの髪型をしているのに、
どうして君だけが普通の髪型なのかなぁって。

当時の音楽の先生は、
教えてくれなかったんだ!
でも、最近になって、ようやく分かったんだ!

「いったい何が分かったんだい?」

当時の音楽家たちは、
王侯貴族の支援を受けていたために
かつらを被らなければいけなかったんだって?

「まあ、普通は皆そうしていたなぁ。
 でも僕は、権力を持つ人間に
 へつらうことが絶対に嫌だったんだ」

さすが、ベートーヴェンくんは偉いねぇ。

当時の僕たちは、
そんなこと全く知りもしないで
かつらを被った音楽家たちを見て
笑っていたんだよ。
変な髪型しているなぁって。

でも皆、君のことだけは、
一目置いていたんだ。
特に、君は女子にモテたんだ。
なんか、君のことが羨ましかったよ。

ベートーヴェンくん!

君は何のために作曲していたんだい?

「僕はただ貧しい人々に喜んでもらうために、
 音楽を捧げたいがために作曲をしていたんだ」 

そうか。

実はね、恥ずかしいけど、
僕も同じようなことを考えているんだよ。

「えっ! 君も?」

僕みたいに、
体や心の痛みで辛い日々を送っている人や、
余りに忙しくて、幸せを見失っている人たち、
失敗続きで、希望をなくしちゃっている人や
自分に負けてしまいそうになっちゃっている人たち、

そんな人たちを、元気づけ笑顔にしたいんだ。
そんな人たちを、勇気づけ応援したいんだよ。

30年近く続けた小学校教師を早期退職し、

20年連れ添った妻と離婚し、
2年経っても治らない酷い痛みを抱えながら、
一人でずっと考えたんだけど‥‥

今の僕にはもう、歌を作ることのほかに、
人の役に立てることはないと思うんだ。
命ある限り、歌を作っていこうと腹を決めたんだよ!

なんか、何もできていないのに、
偉そうなことを言ってごめん。

「いいや、そんな気持ちが大事だと思うよ」

ベートーヴェンくん!

君は、音楽家にとっては致命的な
耳が聞こえなくなったんだってね!

「まあ、そうだね」

当時、交響曲に歌詞を入れるなんて
誰もしなかったことなんでしょ。

「若い頃、シラーの素敵な詩と出会い、
 いつかきっと曲をつけたいと思っていたんだよ」

聞くところによると、
死の三年前だっいたそうじゃないか。

「亡くなる前にね、
 たとえ耳が聞こえなくても 
 僕は本当に幸せだよって、
 皆に伝えたかったんだよ。
 ただそれだけの動機なんだよ」

今日は、遅くまで
僕に付き合ってくれてありがとう。

僕も、万分の一でもいいから、
君を見習おうと思うよ。

前向きな心で頑張るから、
天界から見ていてくれるかなぁ。

「分かったよ。頑張ってくれたまえ

 笑顔のあっちゃん先生!」



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