差別化の先にある独り勝ちの戦略(ブルーオーシャン戦略)

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ビジネス・マーケティング
ホームページであれランディングページであれ、競合他社と差別化をして商品やサービスを売り込むのは、必ず考えないといけないことです。

でも、もっと重要なのは、ひとり勝ちできる領域を見つけること。

ブルーオーシャン戦略が有名ですが、血みどろの戦いが繰り広げられているレッドオーシャンでは、大きな成長は望めません。

今回は、どうやって独り勝ちの領域を見つけるかを、セオリーに沿って考えてみたいと思います。

もっとも大事なポイントは、競争の前提を疑うこと

競争には土俵があります。

競争をやめたければ、その土俵を降りることを考えないといけません。

そもそもなぜ競争に巻き込まれるのかというと、似たような戦略を採用し、似たような商品やサービスをつくっているからです。

ブルーオーシャン戦略では、このような状況が起きる理由を「競合を意識しているから」だとしています。

うまくいっている企業や商品・サービスをベンチマークし、良いところを真似しようとするから、戦略や商品・サービスが似通っていきます。

同じような競争の前提のもと、同じような形で戦おうとするようになります。


どんな競争の前提が隠れている?

差別化は、今ある競争状況を受け入れて、他社との違いを見つけようとしますが、ひとり勝ちを考えるときは、競争の土俵をまずは見つける必要があります。

そして、今ある競争状況を受け入れることをせず、競争の土俵を降りることを考えます。

競争の土俵は、競合ではなく、顧客に目を向けることで見つかります。

例をあげてみます。

例えば、スマホを新しくつくろうと思ったら、普通はどんな機種や機能がウケているか、価格はいくらぐらいかなどを気にすると思います。

そして、良いところを真似し、課題を改善しようとします。

これは差別化の考え方です。

そこで競合商品からいったん離れ、顧客のことを考えます。

顧客の利用シーンを調査し、不満や苦痛を見つけていきます。

そうすると、競合を見ていては分からなかった、様々な市場開拓の可能性が目に入り始めます。

例)
・スマホがそばにあると気になって勉強に集中できない
・新しいものが出るたびに買い替えないといけない
・契約期間が長いのが嫌
・スマホ依存から脱却できない
・スマホが原因で子供と喧嘩することが多い
など

そして、今売れているスマホが、必ずしも顧客に価値を与えているとは限らないことに気づきます。

どんな商品にもアンチがいますし、どんな商品もデメリットや苦痛につながる特徴があります。


では、スマホにはどのような競争の前提が隠れているのでしょうか。

まず考えられるのが「スマホは機能的に優れているほうがよい」という前提です。

一見すると、これは当たり前に思えます。

だから誰も疑わず、機能を拡張したり、新しい機能を盛り込んだりすることを当然のように行っています。

でも本当にこれは守るべき前提なのでしょうか。

前提を疑い、同じ土俵で戦わないようにするという選択肢はないのでしょうか。


競争の前提は人が勝手に生み出したもの

こういった暗黙の前提は、人が勝手に生み出したものであり、競争が激しさを増すに従って、誰も疑わなくなっていったものです。

別にその前提を守らないとビジネスをしてはいけないわけではないし、成功できないと決められたものでもありません。

冷静になって考えれば、スマホを買う人は、誰もが機能を重視しているとは限らないことが分かります。

周りが持っていて不便だから買うけど、本当はスマホが嫌いで、出来れば持ちたくないという人だっているはずです。

であれば、新しい前提を作り出して、他にはない商品やサービスを作ることだって出来るに違いありません。

このことに気づくと、差別化とは違う、全く新しい市場を開拓できる可能性が目に入りはじめます。

例えば、機能を著しく制限したスマホをつくってみてはどうでしょう。

アプリを強制的に1日1時間しか使えず、それ以降は電話機能のみしか使えず、チャットアプリなどの連絡は、WEBメールボックスに届くので、わざわざ見に行かないといけない、とか。

1日1時間しかアプリがつかえないなら、YouTube、LINE、漫画アプリなど、どのアプリをどれぐらい使うかを考えるようになります。

際限なくだらだらスマホをつかうことがなくなり、依存体質を脱却するきっかけになるかもしれません。

あくまで例なのでジャストアイディアですが、前提を疑うと、このように新しい可能性が目に入り始めます。


顧客に注目したら、競合が出来ていないことを考える

顧客が抱えている苦痛や不満が分かったら、なぜ競合はその問題を解決できないのかを考えてみましょう。

そうすると、競争の前提が隠れていることが分かり、競争の土俵を降りるという発想が生まれます。

スマホの例でいうと、「スマホは機能的に優れているほうがよい」という前提を捨て、顧客の悩みを解決することに集中できるようになります。

どんなに飽和状態でコモディティ化した市場でも、苦痛や不満を抱える顧客は必ず存在します。

言葉を換えれば、レッドオーシャンを抜け出してブルーオーシャンを開拓するチャンスは、どんな市場にも存在するということです。

競合が出来ていないことに気が付いたら、どうやって顧客の問題を解決するかに意識を集中させましょう。

差別化ではなく全く新しい視点で物事をみることで、顧客価値を高めるアイディアが見つかるはずです。


コストの削減と顧客価値の向上を同時に実現できる

ブルーオーシャンの良いところは、新しい市場を開拓することで、コスト削減と顧客価値の向上を同時に実現できるところです。

例えばスマホの例だと、機能を制限することでコストを大幅に削減でき、これまでスマホの扱いに悩んでいた人の価値を高めることができます。

ブルーオーシャンでは、価値を高める要素を追加するか大幅に増やし、価値につながらない要素を削減するか大胆に減らすという考え方をします。

その結果、コスト削減と価値向上を一緒に達成することができます。

興味のある方は、ブルーオーシャン戦略の本を読まれることをお勧めします。

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