214.トラブルの原因にも…「いびき」をかくのはなぜ?

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・トラブルの原因にも…「いびき」をかくのはなぜ?

 対処法は? 医師に聞く

 家族から「いびきがうるさい」と言われ、ショックを受けたことはないでしょうか。
いびきがひどいと、周囲の人の眠りを妨げてしまうため、トラブルに発展するケースもあるようです。


 そもそも、なぜ睡眠中にいびきをかくのでしょうか。
もしいびきがひどい場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
「大阪本町メディカルクリニック」(大阪市中央区)の松島勇介(まつしま・ゆうすけ)医師に聞きました。


肥満、鼻詰まりなどが原因
Q.そもそも、寝ているときにいびきをかく原因について、教えてください。
松島さん「いびきは、空気が睡眠中に狭くなった気道を通るときに生じる振動音です。
健康な人でもあお向けに寝ると、喉の奥にある軟口蓋や口蓋垂(のどちんこ)、舌根などが重力で沈み込みます。

また、入眠すると筋肉の活動が低下するため、さらに上気道(気道のうち、鼻腔(びくう)、副鼻腔、咽頭、喉頭までを指す)が狭くなり、いびきが起きやすくなります。
気道が完全にふさがれると、呼吸をすることができなくなり『無呼吸』の状態が発生します。
いびきがひどい場合、いわゆる『睡眠時無呼吸症候群』の可能性があります」


Q.では、いびきがひどい場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
松島さん「家族からいびきを指摘されることが増えていたり、自分のいびきで目が覚めたりするような場合、まずは次の6つの項目に該当するかを確認してください」


(1)肥満
先述のように、いびきは気道が狭められることによって生じますが、肥満によって首回りの脂肪が増えると、結果的にいびきにつながります。
健康診断などで肥満を指摘されていたり、体重の増加が続いていたりする場合は要注意です。
また、甲状腺疾患などが理由で首回りが太い場合も、いびきが発生することがあります。


(2)鼻詰まり
花粉症などで鼻が詰まっていると鼻呼吸がしにくくなるため、口呼吸が増えてしまいます。
口呼吸をすると、顎の関節のメカニズムから、気道が狭くなります。
その結果、鼻呼吸よりも気道を狭くさせることが多く、寝ている間にいびきが発生しやすくなります。


(3)就寝前の飲酒
アルコールは筋弛緩(しかん)作用があるため、体の筋肉が緩みやすくなります。
大量にお酒を飲んだ後、足に力が入らなかったり足元がふらついたりした経験があると思います。
飲酒後に寝ると、喉周辺の筋肉が緩み、舌が喉近くまで落ちることで、気道を狭くしてしまうため、いびきが発生します。


(4)扁桃(へんとう)腺肥大
『扁桃』は、喉の奥から顎にかけて広がるリンパ組織の総称です。扁桃腺は、通常時は気道に影響しない程度の大きさですが、風邪をひいたり病原体が侵入したりすると、腫れ上がることがあります。


(5)加齢
40歳以降になると体全体の筋肉が衰え始め、しわやたるみが生じます。
加齢によって喉回りの筋力が低下すると、筋肉組織や脂肪組織を支えられなくなり、気道をふさぐのでいびきが発生します。


(6)顎の大きさ
日本人は、一般的に欧米人よりも顎や口が小さいといわれています。
また近年、柔らかい食べ物が増えたことで、骨格を形成する成長期にかむ習慣が少なくなり、顎関節の形成が衰えていると指摘されています。
その結果、睡眠時に舌が気道へと落ち込みやすく、いびきの原因となります。


Q.いびきをかくことで、睡眠の質にどのような影響があるのでしょうか。
また、日常生活にどのような支障が出る可能性があるのでしょうか。
松島さん「いびきをかくと呼吸が乱れるので、睡眠中に覚醒(目が覚める状態)が誘発されることがあります。
『怖い夢を見て目を覚ました』など、記憶に残る覚醒であれば自分で分かることがありますが、実は記憶に残らない覚醒が度々起きている人もいて、熟睡を妨げる原因となります。

いびきが大きい人は日中に眠気を引き起こすことがあり、居眠り運転などの重大な事故の原因となります。
また、高血圧や心血管疾患などの重大な病気にもつながるケースが報告されており、注意が必要です」


Q.いびきをかかないための対策について、教えてください。いびきがひどい場合、医療機関を受診した方がよいのでしょうか。
松島さん「鼻詰まりがある場合、耳鼻科で治療を受けてください。
鼻中隔湾曲症(鼻の左右の穴の間にある鼻中隔が曲がった状態)やアレルギー性鼻炎(花粉症など)のほか、慢性副鼻腔炎といった疾患がいびきの原因になるので、治療によりいびきの改善も期待できます。

睡眠中に『大きないびきをかく』『無呼吸になることがある』といった場合、睡眠の質が低下している可能性があるため、睡眠外来などを受診しましょう。特に『日中に強い眠気がある』『集中力が低下している』『寝ても疲れが取れない』などの症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性が考えられるので、なるべく早めに受診してください。


他には、次のような4つの項目も、いびきの対策に有効です」
(1)ダイエット
運動で首、喉周辺についた脂肪を減少させましょう。

(2)寝具の見直し、寝姿勢の工夫
自分に合った枕を選び、意識してできる範囲で横向きで寝ましょう。

(3)就寝前にお酒を飲まない
寝る前のお酒や深酒は控えましょう。

(4)禁煙
タバコを吸うと気道に炎症が生じるため、いびきの原因となります。

 日中に眠気がひどい場合、日常生活に大きな支障が出るので、医療機関を受診した方がよさそうです。
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