現実に起きていることです。

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その少女はS県F市で両親と生活をしていました。約2年前、度重なる親からのDVに耐えかねて家出をしました。そして家出を繰り返すようになりました。その都度、発見されては連れ戻されて、再びDVを受ける日々が続きました。
少女は身の危険を感じ児童福祉施設へ相談、保護されましたが、1週間ほどで親元に帰されてしまいました。理由は「親が反省しDVをしない」と約束したからだとか・・・
再び少女の日常はDVの繰り返しでした。そして、また家出を繰り返すようになり遠方まで逃げるようになりました。
私が少女と知り合ったのは、その頃だったと思います。親には暴力的な友人がいたようでした。その為、親の友人らの協力により地元地域(F市)に潜伏してもすぐに見つけられでしまったそうです。そして、繰り返されるDV・・・
少女はX(当時はTwitter)で、その悲痛な日々を訴えツイートを幾度となくUPしていました。当時いわゆる「うり(売春行為)」や「家出者の保護依頼による詐欺」を目的にしたツイートが多く、新宿歌舞伎町界隈、トー横や大久保公園のバーチャル版の様でした。そのツイートの中で少女は「うり」をおこなっていました。(のちに本人から聞きました)
その様な時期です。親は何度も逃げ出す少女に業を煮やし「監禁行為」をおこなうようになりました。F市内では、また逃げ出すと考えたのか同じS県のO市で監禁をしるなど、幾度となく場所を変えられたようです。
少女は、家出を繰り返すようになってから、幾度となく行政機関に相談をしてきました。しかし残念ながらF市では親からのDVに対する対応が不十分であったためか、具体的対策を取ることはありませんでした。少女は警察にも相談したそうですが相手にされなかったとか・・・
少女は「大人を信じる気持ち」が日々減少していたそうです。そんな状況です。家出するたびに金銭を奪われ、身一つで飛び出している訳です。どうしてもお金が必要です。少女は「うり」を始めるようになりました。
F市ではすぐに見つかってしまうと考えた少女はS県T市へ向かいました。F市よりも栄えていることもあり、しばらくはネカフェで生活ができていたそうです。しかし、法律を犯しての生活は、そう長く続くことはありませんでした。
そんなある日、F市内である男性から声を掛けられたそうです。「うちで働かない?寮もあるよ。」
その言葉に対し、もはや「疑う」という感覚はなかったそうです。「とにかくホームレス状態から脱出したい」それだけだったと・・・
少女は自分がどの様な状況になっているのか理解するのに、さほど時間はかかりませんでした。そこはガールズバーという名ばかりの店でした。日々過酷な労働と罰金制度によって食事もままならなかったそうです。そんな日々が続いたある日、少女と連絡がつかなくなりました。
2週間ほど経過したでしょうか。再び連絡がきた時に少女は私に言いました。
「店に警察が入り逮捕された」と。違法経営していたガールズバーに摘発が入り、当時法改正後とはいえ19歳だった少女は警察の拘置所に収監されていたそうです。警察の計らいもあり親には連絡しないこととなり釈放されましたが、再びネカフェ生活に戻ってしまいました。
ここまで幾度となく私は「行政やNPOへ保護を求めるように」伝えましたが、少女は「信じれない」の一点張りで話を受け入れることはありません。そして再びのネカフェ生活。
そんなある時「東京に行く」と言いだしました。そして数日後に連絡があり「いまK県Y市にいる」と連絡がありました。
SNSで知り合った人に「保護してあげるから来なさい。お金も上げるから」
そんなうまい話はある訳が・・・
でも少女には正常な判断は出来る状態ではなかった。Y市で路頭に迷ったそうです。こうなると「負のループ」は止まりません。再び仕事を紹介すると声を掛けられ、ついていった先は風俗店でした。そこは反社会的組織が運営する店と後で知ることとなりました。
同然、厳しい現状に耐え切れず店から逃げ出したそうです。しかし、すぐに捕まります。店は「逃亡癖」のある少女を隔離する意味でS県U市に強制的に移しました。そして再び風俗店で・・・
S県U市に移された事実は、後日知らされました。そして、また「逃げたい」と・・・
わずかな所持金で交通費を捻出し、東京に来ることとなりました。東京は少年少女を保護する団体が多くあります。「これでなんとかなる」と私は思っていたのですが・・・
高額報酬に目がくらみ、また同じ過ちを・・・
私は、ただ話を聞くことしかできませんでした。しばらくすると、今度はT県N市でピンクコンパニオン(スーパーコンパニオン)・・・
この話は実話です。そして、現在もこのような生活を少女(現在は20歳)は続けています。
少年法の改正で19歳が受けている現実です。法改正により成人扱いとなり保護されることなく奈落の底に落ちていく少女がいます。そして性的サービスを利用する大人がいます。
最近のメディアで取り上げられる「渋谷のネバラン周辺」「新宿歌舞伎町のトー横周辺」は、ほんの一部であり、とても根深い問題だと考えます。
なぜ行政は動かないのか、動けないのか。国は何をしているのか。なぜ性サービス業界が存続し続けているのか。
最後に、少女の親から「捜索願」は出されていないと警察から言われたそうです。唯一「弟」から警察に相談があり「弟さんが心配しているから連絡だけはしてほしい」と。
結局、少女に直接的な支援の斡旋や紹介すらしない日本警察。
そして私は、ただ少女の話を聞くことだけしかできない「ちからなき大人」なのだと。
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