【書籍紹介】命綱なしで飛べ(トマス・J・デロング)

記事
学び

この本をおすすめする人

51QOk3cVOyL._SY291_BO1,204,203,200_QL40_ML2_.jpg

久しぶりに良い書籍に出会うことができました。
30代、仕事に全力で取り組んできて、40歳手前になり、これからどうしようか悩んでひ人はぜひ読んでみていただきたいです。
まさしく私はその壁にぶつかっており、本書を読んで、今の不安や心配事がどこから来ているのか、本書を読み進むことでクリアになってきます。
ぜひとも、少し立ち止まり、人生について考える必要がある人がこれからどうするか?を真剣に考えてみたい人は手に取っていただく価値があると思います。自分の境遇にも照らし合わせ解決していきたいと思います。

本の概要

25411151_s.jpg

仕事で結果を出したい、成功したいと強く望む人が抱いている心配や不安、罠を自覚し、自分と見つめ直すことで、目をつぶらずに、命綱なしで飛ぶことができるようになります。
自覚するにはまず勇気が必要になります。不安の正体を知り、勇気を出して、自分の弱さを認めてから、成長することができる。望ましいことをうまくこなすには、まず望ましいことだがうまくこなせない段階を通らない限り、成長は無い、というのが本書で語られている自己成長のルートになります。

成長したいのであれば、自分が弱く、もろくなる状況に身をおいてみなければならない

勇気を出して、格好悪いけど望ましいことをやる、そのためのステップを本書では語らられてます。そのためには

ステップ1:望ましく無い行動を知る
ステップ2:不安と心配を知る
ステップ3:罠を回避する方法を知る
ステップ4:命綱なしで飛ぶ6つのステップを実行する

に沿って、自己成長のルートを辿り、望ましくかつ、成果が出せるようになります。

「命綱なしで飛ぶ」とはどういうことなのか?
本書で語られる「命綱」とはそもそもどういう意味でしょうか?
これまで仕事をしていく中で、命綱を付けて仕事をしていないでしょうか?

自らの問い
・上司の顔色ばかり見て仕事をしていないでしょうか?
・自分と異なる意見への対立を避けていないでしょうか?
・誰にでも好かれようとしていないでしょうか?
・新しいことを避けていないでしょうか?成果が出せることしか選択していないでしょうか?
・忙しいフリをしていないでしょうか?
・自分にウソをついていないでしょうか?

自分を守るために、目の前の成果を出すために望ましくないことをある意味、命綱を付けながら仕事をしていないでしょうか?
本書でいう命綱とは、そのような自らを守るために望ましく無いことをするのではなく、格好悪くてもいいから、誰かに嫌われてもいいから、望ましいことをしよう、目をつぶらずに新しいことに一歩踏み出そう、というのが「命綱なしで飛ぶ」という意味だと思います。

望ましくなし行動を知る
今、自分が成果は出せるが望まないことをしていないでしょうか?
自分に嘘をついたり、変化を恐れたり、今に留まろうとしていないでしょうか?
今日1日を振り返って、何か自分は望ましく無いこと、やるべきではないと感じていることに時間を使っていないか振り返ってみましょう。

誰かと議論するのが苦手で、常に顔色を伺って、相手を傷つけないよう、自分が攻撃されないように議論を避けることがあると思います。
結果、両方の意見をなるべく取り入れた案に落ち着かせる能力は身につきましたが、相手の意見を尊重しすぎる結論を出してしまうことが多いです。

不安と罠を知る
なぜ命綱を付けないと行動ができないのか?どこに不安を感じ、何を心配しているのか?
その原因となっている「不安の罠」を正しく知ることから始める必要があります

不安を放置すると起きることとは?
・「目的」を見失ってしまう
・「孤独」に苛まれてします
・「意義」を見出せない

4つの不安の罠とは?
・忙しさの罠
・人と比べる罠
・人を避難する罠
・心配の罠

とくに結果を強く求めるものが不安にかられてしまいます。
私もまさに上記4つの罠に完全にかかってしまい、次の行動を起こせずにいます。

①忙しさの罠(多忙だと安心する「忙しい症候群」)
忙しいからと言って、成果を出せるわけではないと考え、自分の仕事を見直してみましょう。
・忙しく見せたいから忙しくしていることは無いでしょうか?
・上司が帰らないから、仕事が終わっていても残業していないでしょうか?
・周りの人が忙しそうにしているから、自分も忙しそうに昼休みもパソコンを見ていないでしょうか?
見せかけの忙しさでは、望ましい成果は出せず、周りの社員の士気も下がってしまいます。

まずはパソコンの前から離れ、スマホも机の上においたまま、大切な人と顔を合わせて会話をしてみましょう。何か大切なことに気づくかも知れません。

②人と比べる罠(私たちにどっぷり染みついた習性)

仕事で結果を強く求める者は、誰もが「人と比べる罠」にはまらないように、さまざまなことを経験する必要がある。経験の幅を広げるよう努めるのだ。

他者との比較には終わりがありません。上には常に上が行って、テッペンに行くことは不可能です。勝手に勝負をして、勝手に負けてしまっているのを同じです。SNSにも同じ罠がありますが、承認欲求に終わりがなく、人と比べている以上、一生勝つことはできません。誰かと比べるのではなく、目標の自分に向かって、今の自分はどうなのか?自分だけのロードマップを作って、今の自分のポジションを正しく知ることが、人と比べる罠から避ける方法だと書いてあります。

私は80歳までのロードマップを書いて、常に今の自分がどこにいるのか、理想の自分とのギャップを確認することで、人と比較することは少なくなりました。
それでも1日に何度も人と比較をしてしまいます。無駄なSNSはやめ、極力ニュースも見ないで、自分と向き合う時間を増やすことがいいのでは無いかと思います。

③人を非難する罠(非を認めて「稀な人」になる)
誰かを非難することで安心感が一時的に得られます。ですが、その後の自分の評価を大きく落としてしまいます。自分を変えたいなら、自ら間違いを認める勇気と覚悟が強く求められます。その時、本当に何も罪悪感は覚えなかったでしょうか?ミスを認めることで、自分を成長させられます。

会社ではよく全ての責任は社長にある、という言葉を聞きます。それは事実なのですが、社員がそれを言うのは間違っていると思います。社員のミスは社員のミスで、非難されるべきはその人本人です。ただ、外部から見た時、社員のミスは会社のミス、会社のミスはトップの責任、それは正しいのですが、それを社員も勘違いして、自分は悪く無い、という人がいます。それは間違っています。一度「自分にも原因はある」と考えてみる必要があります。
「お客様は神様」と自ら言っているお客様と同じですね。

④心配の罠(動けないときの最善の考え方)

結果を出そうとする者は自ら行動を起こす。受け身の態度でいれば心配が増すだけだ。

心配は伝染するので、溜め込まないようにする必要があります。
心配を人間の本能で、心配が強い人が人類は生き残ってきているので、その本能に抗うことはとても困難です。一種の脳のバグで、人類の本能は文明の進歩に全く追いついていない、というのが現状です。
組織の中で、経営者と社員で心配の内容が大きく異なります。

経営者の心配
・この事業の成長性や利益
・会社の方針、業界や環境の変化
・各部門、各部署がうまく機能しているのか?
社員の心配
・目的  ・・・自分は組織で目的を見出せているのか?
・孤立  ・・・「組織の一員」だと感じられるか?
・重要性 ・・・自分は「重要な戦力」で自分の仕事は会社に取って重要なものか?

まずは心配の原因を特定し、紙に書き出し分類分けし、一つずつ小さなアクションを起こすことが必要です。
心配の根本にあるものはすべて「人間関係」によるものです。
「最小関心の力」が働き、関心の大きい人は関心の低い人に支配されてしまいます。
つまり自分は関心が強いのに相手が自分に対して関心が低かったら、支配されるのは自分になります。

「心配の罠」にも、「忙しさの罠」「人と比べる罠」「人を非難する罠」にもはまらないためには、まずはその罠に気づくことが重要です。これら4つの罠を避けれることができれば、理想の自分に近づけます。

罠を回避し、「命綱なしで飛ぶ」のため6つのステップ

ここまで命綱を付けてしまい身動きが取れなくなる4つの罠を紹介しました。
その罠を回避し、安全に命綱なしで飛ぶための6つのステップが下記になります。

①立ち止まって考える。自分を理解する
②昔のことは忘れる。過去を「過去のもの」にする
③こんなふうにしてみたい、こんなことを実現してみたいと「具体的な目標」と「計画」を立ててみる
④メンターやアドバイザー「支援のネットワーク」に頼る
⑤まばたきせず「現実」を見つめ、受け止めようとする
⑥自分の弱さを認め、さらけ出す

上記6のステップを踏んで、恐怖や不安から解放されて、安全に飛び立つことができるようになるようです。

自分の弱さを認め、分からないことは「分からない」と正直に告白し、新しいスキルと知識の習得を心がければ、自分を変えられます。結果、自らが目標とするあるべき姿に近づけ、望ましいことを見事に行うことができるようになります。

命綱なしで飛べるようになり、ビジネスがうまく回り始めたら、周りの支援者に感謝の言葉を伝えましょう。

①目標を達成するにあたって誰に助けてもらったか、はっきりさせます。
②その人たちがしてくれたことに対して、感謝の言葉を伝えます。
③あなた(およびあなたのチーム)が目標を達成できたのは、自分の努力以上に、誰が何をしてくれて、どんな要因があったからか?自分を支えてくれた人たちや成功に導いてくれたことへの感謝の気持ちを忘れないようにします。

感謝の気持ちと謙虚さを示すことで、望ましいことを見事にこなせるようになります。

自分を理解し、信頼できる「支援のネットワーク」を得ることで、困難を乗り越えられるようになります。進むべき道を決め、小さな一歩を踏み出すことで自分の人生を変えられます。目的を明確にし、計画をしっかり立て、一歩一歩着実に足を運べば、命綱なしで飛べるようになります。

本書を読んでみて

本書は飛ぶ方法を知る、というより現状の自分自身の不安や心配事を向き合うことができる良書だと思います。飛び出す方法は他の本でも書かれているような内容も多くありますが、これまで仕事で成果を出してきた人が気づかずに陥っている罠を正しく理解して、「これからどうするか?」をしっかり考える機会を与えてくれる本だと思います。

ぜひ、40歳手前で「これからどうするか?」「なかなか仕事で成果が出せなくなってきた」ということで悩んでいる人は、ぜひとも一度立ち止まって読んでいただくことをオススメします。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す