こんにちは。音屋のkatsuです。
前回のブログでもお話ししたように変態的な耳を持っていた私も中学生になり
それなりに色気付いてきた頃に初めての彼女ができた時の話です。
彼女は何が良くてこんなオタク全開の私に近づいたのか未だに理解ができませんが、彼女には音楽の「先見の明」がありました。
当時、ゴリゴリのバンドは世に言う「ビジュアル系」全盛期の頃でした。
他の女子は「X」や「LUNA SEA」、「GLAY」やなどもはや言うまでもなく
有名どころに群がっていました。
ですが彼女と付き合い始めた頃に渡されたCDで記憶に残っていたものは…
L'Arc〜en〜Cielの『DUNE』、『Tierra』、『heavenly』でした。
そしてなぜか、筋肉少女帯と人間椅子‥と言う異色の組み合わせでした。
どうやら彼女は「バンド」系のアーティストに見識があったみたいです。
かなり独特のセンスを持っていた彼女は音楽の幅が尋常じゃないくらいに
懐が広かったんです。
独特のセンスは彼女の当時の友人も独特な奴がいました。
そいつ(敢えて女子ですがそいつ呼ばわりします)は
見た目はどこかのお嬢様のようなくらい美少女的な奴なんですが、
休日になると「ゴスロリ系」に豹変する女でした。
誰も歩いていなくらい田舎の田んぼ道をピンクの日傘をさし、
フリフリのスランス人形のようなドレスを着て歩く女でした。
まるで「下妻物語」を字でいくかのようなそいつが熱心に崇拝していたのが
「X」の「hide」でした。
当時の私はそいつも彼女も含めて周りの女子がまるで理解不能な存在でした。
今考えれば女子の方が流行りやアーティスティックなものに敏感だったと
理解できますが、当時の周りの女子は本当に独特な奴が多かった気がします。
ある日、彼女とそいつが家に来て言いました。
「ねぇ、あんたの部屋にビデオデッキとテレビある?」
「兄の部屋にはあるよ。」
「ちょっと見せたいものあるから入るよ。」
「ん?はぁ、ちょっ!ちょっとぉ!」
突然家に転がり込んだそいつは兄の部屋に入るなりビデオテープを取り出し
デッキにブッ刺し始めました。
始まったのはhideの初ソロアルバムのミュージックビデオ
【 A Souvenir hide 】
テレビにhideが映り、MV(当時はPV)が始まると彼女と一緒にそいつが
「キャー!hide様〜!!!」と発狂し出し、テレビに向かって歓声を上げ
曲に合わせて「何かくれ」ポーズを繰り返す始末。
呆然と脇で見ている私にそいつは
「あんたも、何ボ〜ッとしてんのよ!hide様をちゃんと応援しなさいよ!」
と叱咤される始末・・・。
・・・よく考えて下さい。この絵面のシュールさを。
ど田舎の一軒家で大ボリュームで流れるhideの「HIDE YOUR FACE」の
映像にピンクのゴスロリが突然やって来て、
テレビに向かって「何かくれ」ポーズを繰り返す光景を・・・。
わかりますよ。 今はね。
hideもその後に詳しくなりましたし、その良さも十分理解しています。
しかし、出だしが良くなかった(笑)
ある意味、この一件が発端かも知れませんね?
ある意味、現代音楽の「未知なる世界」を体験してしまったんだと思います。
「禁忌」を一度体験してしまった私は今現在もそのいい意味での
「呪縛」に取り憑かれています。
ちなみに彼女とは中学三年間で自然消滅してしまいました!
「終劇」
音屋のkatsu