「頑張って建てた橋」の話をしよう

記事
小説
大きな川の両側に2つの村がありました。
一つは「ガンバリ村」、もう一つは「コウドウ村」と呼ばれています。
ガンバリ村の人はリンゴを、コウドウ村の人はイチゴを育てるのが得意でした。

それぞれの村では、その果物に誇りを持って生きています。

となりの村の果物を食べてみたい

とあるガンバリ村の人が言いました。

「コウドウ村のイチゴが食べてみたい」

周りの村人は驚きました。
私たちはリンゴに誇りを持って生きてきた。

しかし、イチゴの味を知らない村人たちは、その言葉に関心を持たずにはいられませんでした。

コウドウ村に行くための橋を立てよう

村人たちは村長に提案しました。

「あの大きな川に橋を建てよう」

村長は頭を悩ませました。
なにせ、ガンバリ村の人たちは橋を建てたことがないのです。

村長は考えました。

「みんなで頑張れば、橋を建てられるかもしれない」

みんなで頑張って橋を建てよう

ガンバリ村の人々は、一致団結して木材を集め始めました。
寝る間も惜しんで、アイディアを出し合い、「みんなが考える橋」を形にしようと努力しました。

彼らは、少しづつコウドウ村に近づいていったのです。

「いい感じなんじゃないか、ちゃんと橋を建てられそうだ」

大きな川の反対側で、コウドウ村の人たちはとても驚いた表情を見せていました。

試しにみんなで渡ってみよう

大きな川の半分くらい、橋ができたところで村長が言いました。

「ここで一度、みんなで橋に乗ってみないか」

いいんじゃないか。
ここで一度、試しに乗って達成感を味わおうじゃないか。

大きな川の反対側で、何やらコウドウ村の人たちは大声で叫んでいます。

そして、「頑張って建てた橋」は崩れた

ガンバリ村の人たちは列を成し、村長に追随する形で橋に乗って行きました。
そして、大きな川の中央に立った村長は言いました。

「さすが、丈夫な橋だな。私たちが頑張って建てたのだから。」

しかし次の瞬間、大きな川に造られた橋は崩れ、村人と共に流されてしまいました。

1年後、大きな川に立派な橋が建った

1年ほど立ってから、その大きな川には立派な橋が建ちました。
ガンバリ村の人たちが橋を建てている間、コウドウ村の人たちは橋の作り方を学び、試作品造りに尽力していたのです。

彼らは「"頑張り"と"成果"には関わりがない」ことを知っていました。
適切な方法で、適切な時間をかけて物事を達成するための行動を積み重ねることが重要であると考えていたのです。

あとがき

いかがだったでしょうか。
「頑張れば成果が上がる」「頑張れば認められる」と信じて努力し、心が折れてしまった人たちが世の中には多く存在します。

あなたも頑張るのをやめて、行動に焦点を合わせてみては。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す