習字師範が考える！文字のあれこれ 〜文字の形と与える印象〜「秋」
記事デザイン・イラスト
みなさんこんにちは、アトリエLapin の jecoと申します。
グラフィックデザインを中心に、手書き文字を活かしたデザインの作成をおこなっております。
さて、今回は
文字についての自己研究のようなコラム、第2回目でございます。
どんな内容かと言いますと、ざっくり
・同じ文字でも一画の違いで印象が変わる
・ペンの違いで印象が変わる
・いろんな字体で書いてみました
…と、こんな感じのことをお話ししていきます！
さぁさぁ、10月も下旬に入り、
いよいよ朝晩の冷えが顕著になってまいりましたね。
ですが私の地域では昨日もギリギリ夏日で（笑）、
部屋の中にいると冷房をつけたくなるくらいの暑さ…。
日当たり抜群の部屋なので、昨日は30℃にまでいきました。
でも、窓を開けると心地良い風が入ってきて、
あぁ、もうしっかり秋なんだなぁ…と実感。
という事で、今回のテーマは「秋」。
私の一番好きな季節！
天高く馬肥ゆる、最高の秋！
「秋」という文字を、何パターンか書いてみました。
こちらは画数、書き順の参考としてご覧下さい。
※ 比較画像を作成する都合上、デジタルペンを使用しております。
筆の運び等の細かな部分はスルーしていただけますと幸いでございます！
印象の違い 〜美文字編〜
① 基本形
まずはこちらが基本形。
何をもって美文字とするかは、各々の感性の違いにより異なるとは思うのですが、今の私が思う美しい形です。
前回もまったく同じことを書きましたが、大事なことなので今回も書きます！
② 一画目が太く長い
①の基本形に比べ、一画目のはらいだけ太く長くしたものです。
…いきなり迫力が出ました！
1画目の筆運びは、文字全体の印象に大きく影響するような気がします。
どっしりとした力強さがあり、けれど字形は崩れず美しさを保っている…。
「秋の大運動会」や「食欲の秋」などがテーマのデザインなどには、
基本形よりこちらのほうが向いていますね！◎
逆に「読書の秋」などを表現するときには、
基本形のほうがスマートで落ち着きがあり、
向いているのではないでしょうか？
③ 六画目が太い
六画目の「火」の左ちょんを、基本形よりも太くしたものです。
文字の中心部分が太くなった事で、安定感が出ました。
基本形に比べると、線の太さにメリハリがあるので
抑揚があってカッコいい「秋」ですね。
遠目から見たときでも、やせ細らずにカッコよさを保てそう。
④ 七画目の角度を変え、やや長めに
七画目、「火」の右ちょんの角度をやや水平寄りにし、
長さも長くしたものです。
八画目の縦はらいを横断させる形にしてみましたが、
急に大人っぽい雰囲気になりました。
哀愁漂う感じがなんとも言えませんね…。
切ない秋を表現したいときに使いたいです。
虫の音が響く秋の夜や、
冬の気配を感じ始めた晩秋の頃…
そんなイメージですね。
印象の違い 〜エモ字編〜
① 基本形
お次は手癖で書いた字です。
こちらを基本形とします。
なんだか「火」が拳を天に挙げている人型に見えるのは
私だけでしょうか…（笑）
既に躍動感があります。
② 一画目が短い
基本形よりも、一画目を短くしたものです。
基本形よりスッキリしていますね。
エモさはありますが、のぎ偏部分の形が整っているので
バランスが良く、見やすさもあります。
③ 九画目のはらいを反らせる
九画目、「火」の最後のはらいを
基本形とは逆に反らせたものです。
外に広がりが出るので、基本形よりも躍動感が増しますね！
印象の違い 〜ペンの違い編〜
お次は、ペンの違いによる印象の差について。
3種類のペンで「秋たけなわ」という文字を書いてみました。
上段は習字ペン、中段は少し掠れのあるマーカーペン、
下段はにじみの強い丸ペンです。
印象の違いを感じられますでしょうか？
掠れ気味なマーカーペン、
書いていると少しストレスを感じるのは
きっと私だけではないはず…（笑）
ですがこの掠れマーカー、
良い感じに手書き感とエモさを表現してくれるので、
デザインにはもってこいなんですよね…！
印象の違い 〜字体の違い編〜
さいごに、様々な字体での書き比べです。
私の大好きなお花の一つであるコスモス…
その和名の「秋桜」を書き比べてみました。
字体だけでなく使用しているペンも異なるので
正確には比較はできないのですが、
こうやってまとめてみると面白いですね！
同じ漢字なのに、なんだかまったく違うものを
表しているようにも思えてくるという不思議…。
みなさんはこれらの字体から
どんなコスモスを想像しますか？
さいごに
いかがでしたでしょうか？
あいかわらずの駄文でしたが、
ここまでお読みいただきまして本当にありがとうございます！
初回だった前回から、だいぶ期間が空いてしまいましたが…
「文字の形と与える印象」についてのこのコラム、
自己研究として楽しく継続していこうと思っております。
（回を重ねるにつれて、私の文章力も上がっていくと信じています笑）
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それでは、最後までお読みいただきありがとうございました！
第3回目もどうぞよろしくお願いいたします！
