【FOMC】1年間続けた利上げの停止と今後の展望

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私は金融機関のトレード室で3年、現在は個人トレーダーとして生活している金融ペンギンと申します。

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ですので、今回は先日発表されたFOMC(アメリカの政策金利を決定する会合)の振り返りと現状のアメリカ経済を踏まえて今後の利上げ予想について私なりの考えを含めて解説していきます。

まず、6月FOMCの振り返りについて。6月FOMCでは2022年3月より約1年以上続いた急速な利上げが一旦停止されました。
FOMC議長のパウエル氏は会見で停止の理由を「金融環境を中心に不透明感が強いため、これまで継続してきた利上げの効果を一旦見定める期間を設ける為」としました。
金融環境の不透明感とはSVB銀行の破綻に始まる銀行の経営不安です。
SVB銀行はその資産の約半分を債券に充てており、金利上昇による含み損の影響が他行と比較して顕著に表れやすい銀行であったため、破綻したと見なされ実際の株価や為替への影響は限定的でした。
しかしSVB銀行ほどではないにしても他の銀行の経営にも金利急上昇が影を落としている事は間違いなく、特に大手と比較して体力がすくない地方銀行などは危険視されています。
これら不安定要素を踏まえて一旦利上げ停止の措置が取られました。

では、利上げはこれで終了なのか?
パウエル議長はコアインフレ率の高さを指摘した上で、今年中にあと2回の再利上げの可能性に触れました。
事実オーストラリアやカナダでは一旦利上げ停止されたものの、コアインフレ率の再上昇を理由に6月会合で再利上げに踏み切っております。

一方市場の反応としては半信半疑で、私がFEDの利上げ予想を見る際に使用する「CMEのFedWatch ツール」でも年1回の利上げですら70%ほどの確度で年2回を予想している参加者は5.9%となっております(6/18現在)。

どちらが正しいのか、私の考えは年1回の利上げです。

利上げの主な理由はパウエル議長と同じくコアインフレ率の高さです。
FOMCの政策目標である年2%のインフレとはコアCPIが年2%の成長となる事を指しており(実際はPCEコアデフレータだが算出方法がほぼ一緒であり、CPIの方が速報性が高く、市場はCPIに反応しやすい)、インフレのピーク感が強かった昨年秋ごろの年6.5%からは現状年5.3%と低下してきているが想定より緩やかなであることは否めません。
また、オーストラリアやカナダ、EU圏でもインフレの再燃が危険視されており、グローバルにサプライチェーンが広がっている以上、アメリカのインフレ率も同じく低下しにくい状況です。

一方コアCPIの4割近くを占める住居関連指標は緩やかに低下してきており、こちらが明確に鈍化すればコアCPIは一気に低下する可能性があります。しかし、まだ低下は始まったばかりであり、年内の急速な低下には疑問が残ります。

2回としなかった理由は市場と同様で急激な利上げによる経済のオーバーキル懸念です。
アメリカの政策金利はこの一年で0%から5.25%まで引き上げられました。さらに2回ともなれば5.75%です。
現状、失業率は3.7%(アメリカでは5%と切れば完全雇用と言われる状態なので相当低い)、複合PMIも54.3(50割れが景気後退の一般的なサイン)であり、そこまで顕著には悪化しておりません。
しかし水面下では地方銀行による商業用不動産融資の厳格化なども報じられており、また、ISM非製造業景況指数も51.5と50割れに近づいております。

利上げ当初、FEDとしては多少経済を潰してでもインフレを止めるスタンスを貫いてきました。
茲許の急速な利上げと経済の底堅さを見てスケベ心から経済を潰さずインフレを抑える、いわゆる「ソフトランディング」が視野に入る可能性があり、それを成すには年2回の利上げ後、経済が潰れてすぐに利下げに入るより、1回の利上げで、経済の様子見つつ高い金利を一定期間続ける方が無難ではないでしょうか?

長文となってしまいましたが、以上とさせていただきます。

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お時間を頂戴しありがとうございました。


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