仕入れ前に気をつけたいこと Part4

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ビジネス・マーケティング
仕入れ前に気をつけたいこともシリーズ化して、今回はPart4。Part3では港湾・空港~納品までの輸送時に気をつけたいことを述べた。

Part4では、製造工場~輸出側空港・港湾~国内空港・港湾までに気をつけたいことを挙げていく。

国内到着までの輸送にまで責任を持つインコタームズEXW、Fグループが適用された際には、輸入者として国内へ到着するまで責任を持つ必要があるので、このPart4は重要になる。
※インコタームズは後日説明

海外の出荷状況まで分からん!という方も多いと思う。しかし海外の輸送状況も把握しておかなければ、余計な費用も発生させる恐れも高くなるので知っておく必要がある。
1. 船便の場合
輸出側の工場へ引き取り現地側の空港や港まで輸送する場合、海外の場合は鉄道輸送を利用することが多々ある。
トラック輸送よりも格安なのが理由である。
特に、米国から輸送される際は、鉄道でロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルまで輸送されることが多い。
中国、ヨーロッパでは、河川を利用した輸送も多い。
内航船はサイズも小さいので、多くは各国の国際港で積み替えられる。
2022年のヨーロッパでの日照りのように、ライン川が干上がり、内航船が使えず、トラック輸送へ切り替えられ、輸送費が増額する場合もあるので留意しておくこと。

このように輸出国を出荷するまでも積み替えが多々あるので、商品が破損する可能性も高いので、貨物保険をかけておくのがベター。
輸送手配時に重要になるのが、航路、日程、運賃である。

航路は欧州発なら、北側ならハンブルク、ロッテルダム、アントワープ。中国なら、上海をはじめとし沿岸部に多くの港湾があり、日本との間をひっ切りなしに運航されている。米国なら先に述べたLA、ロングビーチ、シアトル、ニューヨーク、タコマ。

工場から各港湾までどのように運ばれ、日程がかかるかを推測しておけば、トラブル発生時や運賃計算に役立つ。

2. 空輸便の場合
空輸の場合は、鉄道輸送するほどの大きな貨物を運ぶことは無いので、工場から空港までトラック輸送がほとんど。

欧州なら各地から日本向けに航空便が出ているが、EUのメインはフランクフルト、ヒースロー、パリになる。

中国、米国も港湾と同じく、至るところから日本向けに空輸がある。
ただ、今はロシアによるウクライナ侵攻の影響で、欧州発の航空便が特に高額になっている。

以前ならロシア上空が航路だったが、現在は飛行できない。
モスクワ経由便でとても格安で使いやすい航空貨物会社もあったが、現在では使用不可。ドバイ、イスタンブール、シンガポール経由になる傾向がある。
トランジットが発生する際は、商品も紛失しやすい。なんとしても紛失を防ぎたい場合は、割高になるが直行便を手配すること。

3. 積載規制のある貨物
商品の種類によっては船や飛行機に搭載する際に規制される商品がある。
主に液体、電池、発火性・爆発性物質、毒物である。

国連により搭載基準が定められており、どの輸送会社も国連に定められた基準により積載している。
この積載可否は、依頼先の輸送会社、商社へ質問して梱包形態を事前に検討すること。

※参考:国交省サイト
※積載規制は後日解説

4. さいごに
このように、どのように現地から出荷、輸送されるか、輸送時の規制は無いかを事前に確認し、無事の日本まで到着させられるように準備をしておくこと。
Part4まで解説した通り、事前に確認することは多いが、どれか一つでもつまづくと、余計な費用がかかり、最悪、滅却される恐れもあり、無事に商品が届かないのである。
BtoBで輸入ビジネスする際は仲介業者も無いので、あなた自身がコントロールの主体となる。
つまりは、組み合わせ次第で無限に幅が広がるので、是非輸入にチャレンジしてほしい。


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