ラジオ番組のプロデューサー、チーフディレクター、番組ディレクター、アシスタントディレクター、ミキサーはそれぞれ異なる役割を担っています。
それぞれの役割を分かりやすく説明します。
●ラジオ番組のチーフディレクター
一般的に、ラジオ番組のチーフディレクターは、大規模なラジオ局やプロダクション会社において、複数の番組を運営する場合に設置されます。一つの番組に対して、専任のチーフディレクターを置くことはあまり一般的ではありませんが、以下のような場合に設置されることがあります。
1,大規模なラジオ番組の制作(いわゆる帯、ワイド番組)
例えば、毎日放送されるニュース番組や人気トーク番組などは、膨大な量のコンテンツを制作する必要があります。そのため、複数のスタッフが関わり、専門的なスキルを持ったチーフディレクターがいることで、効率的な制作が可能になります。
2,大規模なラジオ番組のイベント企画
時には、ラジオ番組から派生したコンサートやライブイベントを企画することがあります。このような場合、複数のアーティストやスタッフ、またはスポンサー企業などとの調整が必要となります。そこで、チーフディレクターが全体の企画・運営を統括し、スムーズなイベント開催を実現します。
3,プロデュース業務の場合
ラジオ番組を制作するプロダクション会社においては、チーフディレクターがプロデューサーとしても活躍することがあります。番組の企画立案から制作、放送までをトータルで担当し、全体のクオリティを担保する役割を果たします。
以上のように、ラジオ番組のチーフディレクターは、大規模な番組やイベントの運営に携わる場合に設置されることが多いです。
オールナイトニッポンやJUNKなどのように大枠は同じ番組ですが、日替わりで番組内容やパーソナリティが異なる場合、全体を統括する役割が必要です。
各曜日の番組ディレクターを取りまとめるのが、チーフディレクターの役割です。それを元にプロデューサーや時にはスポンサーと番組の方向性や企画などを検討していく形で進みます。逆に、スポンサーやプロデューサーの意向を各曜日に伝達し、一定の番組クオリティを確保するのがチーフディレクターの役割です。スポンサー要請の企画やパブリシティなどの営業案件は、チーフディレクターから、各ディレクターに伝わり番組キューシートに反映されます。
チーフディレクターはディレクターの管轄をするとともに、自身もキューをふります。ワイド番組では1週間の始まりの月曜日を担当するディレクターが、チーフディレクターである事が多いです。月曜日の流れを受けて、その後のディレクターは火曜日、水曜日と流れをくみ取って進行していきます。なので曜日ごとにディレクターの演出方法は違うかもしれませんが、大枠の構想はチーフディレクターが決めます。
ただしチーフディレクターが全ての企画を考えるわけではありません。
週に1回程度、各曜日を担当するディレクターと作家を集めて会議を行います。会議での結果や意見をまとめてプロデューサーと番組に関するやりとりをする窓口となります。例えば、プロデューサーが上司だとすれば、番組スタッフの間にいるチーフディレクターは「中間管理職」のイメージがわかりやすいかもしれません。
「スポンサー>プロデューサー>チーフディレクター>番組ディレクター>パーソナリティ」というような流れで現場におりてきます。