ソーシャル・キャピタル

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ビジネス・マーケティング
人間関係というのが成功には欠かせなくなってくる。これをソーシャル・キャピタル、社会関係資本と呼ぶ。社会学、政治学、経済学、経営学などにおいて用いられる概念で、人々の協調行動が活発化することにより社会の効率性を高めることができるという考え方のもとで、社会の信頼関係、規範、ネットワークといった社会組織の重要性を説いている。人間関係資本、社交資本、市民社会資本とも訳されるらしい。また、直訳すると社会資本(経済学用語で使われている)となるが、概念としては区別される。

基本的な定義としては、人々が持つ信頼関係や人間関係(社会的ネットワーク)のこと、と言って良い。上下関係の厳しい垂直的人間関係でなく、平等主義的な、水平的人間関係を意味することが多い。上下関係は、ヒエラルキーという表現が良く使われるから、横のつながりといった意味合いがピンとくる。
このソーシャル・キャピタルの重要性は、年を重ねるごとに実感させられる。また、横のつながりであるだけに、今の自分の社会的なポジションによって、それと同レベルのネットワークが作られることが良くわかる。

自分で会社を経営したいた際には、当然肩書が「代表取締役」となっていた。その時に付き合いのあった人たちを見返してみれば、みんな「代表取締役」で、しかもそれはフラットな関係性としてつながっていた。つまり社長同士で仲良くやろうよ、の世界だ。

しかし、従業員という立場であると「代表取締役」はあくまでもいち取引先となる。だから、この社長たちとは、あくまでも横のつながりではなく、ある程度上下のつながりになる。こういったことが、いろいろな業界、いろいろな立場にいると良く見えるようになってくる。

成功するという上では、このソーシャル・キャピタルというのは、とっても重要になる。自分が持ている資産の中でも、実は一番重要なんじゃないかと思える部分だ。ビジネスを展開するというのが、やはり成功するための最短距離だが、そのビジネスの展開に際して、社長同士のつながりはとても有用だ。まず決断が早い。そして展開も早い。社長というのは、会社のトップだから、その決断は、当然そのまま会社の意思決定となる。そして、当然トップだから、トップダウンで社員に行動を促せる。つまり、決定と行動がどんなつながりよりも早くできるから、事業の展開が早く、当然結果が早くわかり、改善すべきか継続すべきか撤退すべきかといったこともより早く結論できる。

こういった流れをつくることが、実は成功には欠かせない。社会ネットワークが重要というよりは、こういった展開の速さが重要ではあるが、それはこのネットワークがあることによってもたらされるから、やはりこの関係性は重要だ。

人脈を作ろうといった意図をもって、交流会にいろいろ参加する人もいるようだが、参加をする前に、まず社長になった方が良い。社長は今は誰でもなれる。だから、どんな規模だろうが、どんな事業内容だろうが、まず社長になったうえで交流しよう。交流する際に、「代表」の名刺をもっているかどうかは、かなり相手の反応が変わってくるし、会う相手が変わってくる。中には、年商で区切られるような交流会もあるが、多くはそういった仕切りはない。

同様のことは相手も考えている。だから、ネットワークとして築くのであれば、まずは自分のステータスを上げることが重要で、代表として、そしてその事業の発展をある程度させてからのほうがつながりは、より良いものになる。
社会ネットワークと何かを得るために広げたいと考えるにしろ、自分がどんな成功をつかむかにしろ、何を得られるかは、自分が何者であるかを超えることはない。

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