【不動産売却】知らない人の家が自分の土地に建っていたら

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不動産仲介歴10年以上の私。
200件以上のご相談をお伺いしてきました。
大きなトラブルになる前に、取り組めることもあります。
実際にあった空地、空家に関するお悩み解決事例をご紹介します。
ご参考にしてみてください。
※お客様のプライバシーに関することについては、一部内容を変更しております。

1.ご相談内容

”私が所有してる土地に、息子が家を建てたいというので調べたところ
まったく面識のない人の建物の登記が残っていることが判明しました…
銀行からもこのままでは、住宅ローン融資ができないと言われてしまったのですが、どのような手続きをすればいいですか?”


2.問題の整理

 ①昔、1つの土地に複数の建物が建っていた

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 広い土地に、本家と分家のように
 複数の建物が建っていることはよくあることです。

 ②建物を解体することと、建物の登記を消すことは別の手続き

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 建物を解体して、固定資産税がかからなくなっても
 建物の登記を消す手続きをしないと、建物の登記は残ったままです。

③建物の登記がご先祖様の名義だった

 建物の登記が残っていることに気が付かず、長年放置してしまったことで
 何代も前のご先祖様の名義のまま登記が残っていました。

 建物を解体して固定資産税がかからなくなると忘れがちですが
 建物の登記を消すことは別の手続きなんです…

3.解決への道

土地家屋調査士に建物の滅失登記手続きをしよう

 ”土地家屋調査士とは”
  土地や建物の所在・形状・利用状況などを調査・測量して
  図面の作成や不動産の表示に関する登記の申請手続などを行う
  専門家です。
 ”滅失登記とは”
  まず、不動産登記とはその不動産がどのようなものか、
  誰が所有しているかを記録しているものです。
  滅失登記は、現在ある不動産登記を除去するための登記手続きです。

 ①原則、建物所有者からの依頼が必要

  通常、建物所有者つまり、建物の登記名義になっている方からの
  依頼であればスムーズに手続きができます。
  費用は3~5万円、期間は1週間~10日程度が一般的です。

 ②建物所有者が亡くなっている場合

  建物所有者の相続人を探す必要があります。
  そのためには戸籍を収集して調査する必要があり
  複数の市町村を転々としていたりすると
  戸籍収集の費用が増える場合があります。

 ③建物所有者がまったくの他人の場合

  まれに、ご先祖様ではなく赤の他人の建物登記が残っている場合が
  あります。
  これは、土地を貸していた場合や、1つの土地に複数建物が建っていて、 
  あとから土地を分けた場合に起こります。
  このような場合も原則、建物所有者を探す必要があります。
  すぐ見つかればいいですが、捜索するのに費用や日数を要する場合が
  あります。

4.結果

相談者様からさかのぼって戸籍を調べることで
建物の登記名義人は相談者様のひいおじいさんの兄弟
=曾祖伯父(そうそはくふ)とわかりました。
(ソウソハクフってはじめて聞きました…)

そこで、曾祖伯父の相続人を探したところ
同じ市内でご健在だったので、協力してもらい
無事建物の滅失登記ができました。

5.今からできること

 ①自分の土地に、自分の建物以外の建物登記がないか確認する

  これは、土地を管轄する法務局で調べることができます。
  ご自身の所有する土地を伝えて、建物の登記が残っていないか
  確認しましょう。
  費用は1,000円前後です。

 ②建物があった場合、誰なのか確認する

  姓が同じであれば、親族の可能性が高いので
  もしご自身が知らない方であれば、親族の方に確認しましょう。
  赤の他人の場合は、ご近所の方に昔誰が住んでいたか尋ねてみることも
  有力です。
③複雑そうな場合は土地家屋調査士や不動産屋に相談する
  建物所有者を探すためには、戸籍を収集したり、ご近所への聞き取りが
  必要となります。
  ご自身で調査するには知識や労力が必要なので、専門家に頼む方が
  スムーズだと思います。

不動産の売却、購入は一生に一度あるかないかの大きな出来事です。
不動産の売却、購入をお考えの方が、不安なお気持ちを少しでも軽くできるようお手伝いさせていただきます。
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