大丈夫

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コラム
 今、行っている仕事は短期雇用だ。
期間は年内まで。出勤日数はあと8日間。
白衣を着て、同じ作業を時間内繰り返す。
単調なので人によっては、すぐに飽きてしまうかも知れない。
わたしはと言うと、毎日楽しくとは言えないが
短い間なので仕事と割り切ってやっている。

年齢や自分のスキルなどを考えたら贅沢は言っていられない。
それに自分を採用してくれたということに、恩を感じているのが
一番大きい。

今までさまざまな職場でお世話になった。
今風に言うと陰キャな私は、苦労の連続だった。
仕事以前に、人見知り、場所見知りで慣れるまで
時間がすごくかかる。

人と打ち解けられず、上手く話せないから、誤解されたり嫌われたり。
いじめにも何度も遭った。
気にしてどんより暗い雰囲気を醸し出せば、なおさら嫌われる。
悪循環の繰り返し。

いつの世も職場を問わず明るく元気な陽キャが歓迎される。
まさにステレオタイプとして浸透している。
職場の雰囲気をよくする潤滑油として、またムードメーカーとして
大いに活躍してくれる存在は素晴らしい。
ただそうじゃない人にそれを求めるのは酷だ。

昔、自分には向いていない接客業をしていたことがあった。
そのとき誘われ、職場のお客様の中年男性と飲食店に行ったことがある。
私なりに精いっぱい気を遣い、話を合わせ、相づちを打って
話に耳を傾けた。

それなのに、相手は酔うにつれ、私の欠点を一つ一つ論いだした。
二軒目に行った、客の馴染みのスナックではそこのママも同調し
盛んに私をディする始末。

当時まだ二十歳そこそこの私は、言い返すこともできず
ただただ、いたたまれない気持ちになった。

後日、飲食を共にした男性と会った。
ごちそうになったから、一応お礼を言った。
酔っ払って自分の言動を覚えていないのか?
しれっと「楽しかった。また一緒に行かないか?」
などと抜かした。

内心「誰がこんな奴と二度と行くか!」と思いつつ
やんわりお断りした。

勤務が終わり、私が退社するとき未練がましく
窓から何か言っていたが当然スルーした。

面と向かって人の悪口ばかりを言ったくせに
よくもまあまた誘うことができるものだな!

職場を辞めた後、バス停で奴を見かけた。
イヤだから最前列に並び、気づかないふりをした。

奴はなんと背後から私の肩を叩いてきやがった。
イヤだからできるだけ離れたのに・・・・・

気付かなかったフリをして、奴の誘いを断った。
職場を離れ、客でもなくなった奴に1ミリも気を遣う必要はない。

奴との飲食店でのやりとり、今の私ならもう少し上手く対応できていた
と思う。
でも、過去の純粋でシャイな私は、その時、精いっぱいの最善を
尽くしたのだから、それでいい。

自分にとって大事じゃない人に何を言われても、どう思われてもいい
自分は自分、唯一無二の存在。
自分が自分のことが好きで、理解していればそれでいい。

今も日々小さなことを気にしたり、悩むことも多いけど
毎日なんとか生きている。

明日はまた仕事だ。
頭で忙しくいろいろ思っても、何も気にしていませんと
涼しい顔をして手を動かそう。

大丈夫、今までもなんとかなってきたから。












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