641.錠剤「飲み込みにくい」「のどに引っかかる」…砕いて飲んでも平気?

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錠剤「飲み込みにくい」「のどに引っかかる」…砕いて飲んでも平気? 専門家が「錠剤嚥下障害」を解説



錠剤が「飲みにくい」「のどに引っかかる」などと感じたことがある人は少なくないと思います。
このような症状を「錠剤嚥下(えんげ)障害」といったりします。
沢井製薬が2023年9月に行った「患者さんなどによる服薬の状況と不適切服薬によるリスクの認知状況などを調べる調査」では、「薬やサプリメントを『飲みにくい』『のどにつかえる』『のどに引っかかる』と感じるようになった年代」という質問に対して「40代」が6.0%、「50代」が16.4%、「60代」が18.0%と、「30代」の1.5%から年齢を重ねるにつれ、数字が増加していく傾向が判明しました。


 そこで、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会評議員も務める昭和大学薬学部客員教授の倉田なおみさんに、「錠剤嚥下障害」について、錠剤を飲みやすくするため割ったりして飲んでもいいのかなど、さまざまな疑問を聞いてみました。

食べ物=かんでOK、錠剤=かむのNG…



 まず、摂食嚥下障害について、倉田さんは「食べ物などを口に入れるところから『ごっくん』と飲み込むまでのことができない状態をいいます。
これは、食べ物や水分を口の中に取り込んでから飲み込むまでの過程が正常に機能しなくなった状態」と説明します。


 人は食べ物を飲み込む際に、目で視認する「先行期」、食べ物を口に入れ、咀嚼(そしゃく)する「準備期」、舌や頬を使い、食べ物を口から喉へ送る「口腔期」、脳にある嚥下中枢からの指令で、食べ物を食道へ送る「咽頭期」、食べ物を胃へ送り込む「食道期」という「摂食嚥下の5期」を行っています。

 この5期が上手にできず、「食べ物が気管に入ってしまうと、むせてしまったり、誤嚥(ごえん)するというわけです。普通の人は何も気にすることなくできるのですが、加齢や全身に疾患があったりすると、脳からの指令によって、気管を閉めるのと、食道を開けるっていうタイミングが合わせられなかったり」するということです。

 そして、摂食嚥下障害に関する学会などでは、食べ物の飲み込みなどについていろいろと議論されていますが、「『錠剤嚥下障害』については、ほとんど議論がされていません。食べ物を飲み込むのと、錠剤を飲み込むのは一緒の動作なのに、薬のことはほとんど問題視されていない」というのが実情だということです。

「食べ物はかんでペースト状にして飲み込むことができますが、錠剤はかみ砕いて飲み込んだりしてはいけないので、より高度な嚥下能力が必要になる」のだそうです。

錠剤は、腸内の奥で溶ける薬などもあり「つぶしてはいけない」
 錠剤といっても、表面にコーティングされていない「素錠」をはじめ、組成の異なる2層以上で圧縮形成された「多層錠」、錠剤の中に別の錠剤が入っている「内核錠(有核錠)」、素錠の周囲を砂糖で包んだ「糖衣錠」、素錠の周囲をフィルムで覆った「フィルムコーティング錠」などさまざまです。

 さらに、錠剤の中には、胃に入ってすぐに壊れて効果が早く出るものや、錠剤は壊れないままで長い時間をかけて効力を発揮するものもあり、「薬学を学んだ薬剤師であれば知っていることですが、他の医療従事者や介護者、一般の人も含め、一粒の錠剤にはさまざまな工夫が隠されていることを知ってもらう必要があると思っています。でないと、医療事故などが減っていきません」と懸念も語ります。

 倉田さんは「薬の成分は、強烈な苦みや臭いがあるものがすごく多いのです。そういう薬は砂糖やフィルムで覆って飲みやすくしていることがあります。介護者が錠剤を砕いてしまうと隠していた味やにおいがもろに出て、それを食事に混ぜて口に入れたりすると、患者は耐えられない味やにおいを感じることになります。それが原因となって食事を取らなくなったりすると栄養状態が悪くなり、床ずれができたりと“負のサイクル”が生まれます」と話します。

 錠剤を割ったり、砕いたりしてはいけない理由について「副作用を起こさずに正しい効果を発揮させるため、そして味・臭いの問題などがあるためで、錠剤を割ったり砕いたりするのは危険なことなので、やめてください。最悪のケースとしては命にかかわるような副作用を起こしてしまう場合もあります」と語気を強めます。

薬剤師に相談すると、他の薬に変更も可能
 錠剤を飲み込むのがつらいのに、砕いてはいけない…。では、どうすればいいのか対処法が気になりますよね。

 倉田さんに直撃したところ、「まずは薬剤師に相談しましょう」と説明。「例えば、同じ効果が得られる貼り薬に変更できたり、錠剤が口内で粉状に変わる『口腔内崩壊錠』というものがあります。また、錠剤の大きさを変えられる可能性もあります。その他、服薬ゼリーを使う方法もあります。薬剤師に相談し、自分に合う薬や飲み方を探してみてください」と教えてくれました。

 錠剤の飲み込みにくさを感じても、それだけでわざわざ病院に行くのは“面倒臭い”ところがあります。倉田さんも「錠剤が飲みにくいからといって診察を受けるのはハードルが高いですよね。そのため、薬剤師がいる薬局に行ってみたり、かかりつけ医などがいましたら、相談してみてください。また、食べ物やサプリが飲み込みにくいということがあったら、脳梗塞などほかの病気の可能性も考えられます。まずは、ご自身の状態を知ることが重要」と説明してくれました。

 自身の判断で、錠剤を割ったり、砕いたりせず、薬剤師や医師に相談し、上手に錠剤と付き合っていくように心掛けましょう。




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