「人の役に立つ仕事に就きたい」…それは承認欲求?自己実現?と調べていたら「(自己)超越」それは欲求と言う言葉には収まらない。と言うまた別の話が出てきました。

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ただ、それはこのピラミッドとは別の話らしいどころか、実はマズローは分類にはそれほどこだわっていなかったらしいのです。

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(イラストAC から「マズロー」で検索してダウンロード)

にっぽんマズロー探究部
自己超越欲求とは?マズロー自身は6番目の欲求とは言ってない?


1.「自己超越」という言葉は適していない?

~中略~

また、冒頭でも触れたように巷では「自己超越とは利他的なことである」という説明がされていることが多いようですが、厳密にはそれは自己超越ではなく自己実現の段階の話になります。

「他者のために何かをしたい!」という欲求があることは、自己超越ではなく自己実現における欲求であり、自己超越とはそれよりももっと深く広い概念です。

~中略~

なおかつ、マズローは「超越」というものが自己実現を超えることであるとは明確に述べているものの、それを「六番目の欲求である」とは一切述べていません。

むしろ、マズロー著作を読めばわかるのですが、文脈等から察するに超越については「自己実現の欲求」も含めた五つの基本的欲求とはまったく違う次元の話としてそれらとは切り離して語っていると思われます。

また、そもそも論ですが、マズロー自身は基本的欲求の階層論においても、「五段階」や「五つの欲求」といったような言葉はほぼ使っておらず、欲求を五つに分類すること自体にそれほどこだわっていませんでした。

この事も踏まえて考えても、超越論を「自己超越」という限られた枠組みで語ることも、「自己超越欲求」という言葉を使ってこれを六番目の欲求として捉えることも、マズロー心理学をしっかり把握する上では望ましくないと思われます。

―以下略―

そもそもマズローは「自己」と言う言葉を使うデメリットを危惧していた。らしいです。
「自己=利己的」と言う印象を与えるため誤解を生む可能性がある。との事です。

実際の自己実現は利己的どころか非常に利他的な性質があるそうです。
にっぽんマズロー探究部
自己超越欲求とは?マズロー自身は6番目の欲求とは言ってない?


2.なぜマズローは「自己超越欲求」という言葉を使わない?


~中略~

実際未だに、自己実現を自己中心的な野望の達成ようなニュアンスで捉えている人も少なくないようです。

少なくとも、自己実現が利他的なものであるという事実を理解している人はほとんどいません。

そして、何より「自己超越は利他的なことである」という説明が多くの場面でなされていることが、言葉の語感に引っ張られることで自己実現の内容を多くの人が正確に理解できていない証拠であると言えるでしょう。

なぜなら、「自己実現は利他的なことである」ということが理解されていないが故にそのような説明がまかり通るからですね。

言い換えれば、「自己を実現する=自分の願望を実現する(利他的ではない)」という認識が広まっており、だからこそ「自己を超越する=自分の利害を超越し他人のために何かをする(利他的である)」であるという認識が広まるということです。

自己実現と自己超越に対するこのような誤った理解が一般的になってしまっていることが、マズローの懸念が現実のものとなってしまっている証拠であるということになります。

平たく言えば、「自己実現」や「自己超越」という表面的な字ヅラだけでその言葉を意味を推測し、それでそのことを理解したことにしてしまっている人が残念ながら圧倒的に多いのですね。

そして、多くの人が自分のその理解が自己実現や自己超越への誤解であるということに気づけていません。

だからこそ、自己超越の説明に関しても間違っているものが多く、なおかつ多くの人がそれらの内容を自分の人生にしっかり落とし込むこともできなければ、実際に自己実現や自己超越に至ることも出来ないのでしょう。



つまり、マズローが危惧した、自己実現や自己超越という言葉の言葉尻だけを表面的にすくい取ることで誤解が生じてしまうという状況が現実化してしまっているのが、悲しいかないまの日本における実情なんですね。

―以下略―

マズローの言う「自己実現は利他的なことである」しかし、
>少なくとも、自己実現が利他的なものであるという事実を理解している人はほとんどいません。
日本では「自己実現はまるで自己中心的な野望であるか」のように捉えられている。

そんなことないと思いたいですよね。
ここです。
言い換えれば、「自己を実現する=自分の願望を実現する(利他的ではない)」という認識が広まっており、だからこそ「自己を超越する=自分の利害を超越し他人のために何かをする(利他的である)」であるという認識が広まるということです。
あー。
ああー。
なんかもう、危惧した通りと言うのがまさに日本的な感じですね。


で「自己超越欲求」です。
まぁこれも、マズローは初期には「自己超越」と言葉を使ってたが、「自己」と言う言葉が誤解を生む(自己と言う言葉が、利他的なものを利己的と捉えられてしまう)可能性があると危惧して、後年は「超越」と言う言葉を多く使って語っていた。
にっぽんマズロー探究部
自己超越欲求とは?マズロー自身は6番目の欲求とは言ってない?

2.なぜマズローは「自己超越欲求」という言葉を使わない?

~中略~

念のためその結論だけサクッと一言でまとめると、マズローにとっての「超越」という概念は、もはや「欲求」という言葉には収まりきらないものであり、それこそ「欲求」という言葉を超越した心理学がマズローの考える超越論だったのでしょう。

つまるところ、このような意味でも「自己超越欲求」という言葉は、本来の「超越」という言葉がもつ大きく広い意味を小さく縮こませることになってしまうものであり、だからこそマズローは「自己超越欲求」という言葉は使わなかったのだと思います。

―以下略―
欲求を越えたもの。それが「超越」。

しかし欲求を越えるとは? と思ったら宇宙が出てきてびっくりしました。
にっぽんマズロー探究部
自己超越欲求とは?マズロー自身は6番目の欲求とは言ってない?


3.結局、超越とは何なのか?

~中略~

その結論だけをあえて一言でいうなら、それは「超越とは自己実現を超えることである」という言葉に落ち着くと思います。

マズローも『人間性の最高価値』のなかで、超越論について、自身のそれ以前の自己実現の理論までの心理学を「第三勢力の心理学」とした上で、下記のように述べています。

“わたくしはまた、人間主義的で第三勢力の心理学は、過渡的なもので、なお一層「高次」の第四勢力の心理学、すなわちトランスパーソナルで、人間を超えた心理学の準備段階と考えられると思う。それは、 人間の欲求や利害よりもむしろ宇宙に中心をおき、 人間性、 アイデンティティ、自己実現などを超えてゆこうとするのである。”

つまり、自己実現を含めた第三勢力としてのそれまでの自身の心理学よりもより高次な心理学が超越論であり、それは第三勢力を超える第四勢力としての心理学になるものであるということですね。

その意味でも、マズロー自身も明確に述べているように、超越とは自己実現を超えていくものなのです。


また、マズローは自己実現を様々なかたちで表現していますが、その中の一つに「完全なる人間性の発揮」というものがあります。

この事と先ほどの引用文と照らし合わせて考えれば、マズローにとっての超越とは、人としてのある種の完成形であり個人の人間性を完全に発揮させている自己実現すらを超えたものであるとも言えるでしょう。

このような意味でも、超越とは、人間、人間らしさ、欲求、個性、個人、自己実現などを超えた次元における特殊な理論なのですね。

そして、このことの説明としてマズローが詳細に述べていたのが35個の超越の意味であり、それらと認識論や創造性論や至高経験論などを含めて完成させた最終理論が「Z理論」になります。


つまるところ、マズローの語る超越とは、自己実現を超えた先にあるまったく新しい概念であり、自己実現も含めたそれまでの理論とは一線を画すような高次の理論だったのです。

だからこそマズローは、語感によって誤解が生まれる可能性が高いだけでなく「自己実現」という言葉とひとつながりだと受け取られる「自己超越」という言葉をあまり使わなかったのでしょうし、「自己超越欲求」という言葉も不適切であると判断したのでしょう。

言い換えれば、マズローにとっての「超越」というのは、「自己実現」も「自己超越」も「欲求」も超えた次元における、それまでの理論とは違ったパラダイムにおいて語られるべきものだったのですね。

ー以下略ー

「完全なる人間性の発揮」
……。
どっかで聞いたことのあるような話のような……。
まぁ、その話は/(-_-/)(\-_-)\オイトイテ...。←

なお一層「高次」の第四勢力の心理学
人間を超えた心理学の準備段階
人間の欲求や利害よりもむしろ宇宙に中心

完全なる人は、人の利害関係にはとらわれない。
人の欲求を越えて、宇宙を中心に据えられる。

それはもうパラダイムのようである。と。
kaonavi カオナビ
タレントマネジメントのカオナビ > カオナビ人事用語集 > 人材育成 > パラダイムとは?【意味をわかりやすく】パラダイムシフト

1.パラダイムとは?
パラダイム(paradigm)とは、特定の時代や分野において支配的な規範となる「物の見方や捉え方」のことです。科学・思想・産業・経済など、さまざまな分野で用いられています。規範的な考え方は、時代の変化につれて革命的・非連続的な変化を起こす場合があると考えられており、この変化はパラダイムシフトと呼ばれています。

~中略~

パラダイムの語源
パラダイムの語源は英語の「paradigm」で、ビジネス用語として使われる「パラダイム」には、「あるひとつの時代の人々の考え方を根本的に支える概念」という意味合いがあります。また「模範」「規範」「典型」を指すことも。

―以下略―


***

なんかうまく言えませんけど、もう、この理論はある訳です。
アブラハム・マズロー
アブラハム・ハロルド・マズロー(Abraham Harold Maslow, 1908年4月1日 - 1970年6月8日)は、アメリカ合衆国の心理学者。

ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区に生まれる。彼は人間性心理学の最も重要な生みの親と言われている。これは精神病理の理解を目的とする精神分析と、人間と動物を区別しない行動主義心理学の間の、いわゆる「第三の勢力」として、心の健康についての心理学を目指すもので、人間の自己実現を研究するものである。彼は特に人間の欲求の階層(マズローの欲求のピラミッド)を主張した事でよく知られている。

ウィキペディア(Wikipedia)

1900年代ですね。
すでに証明は終わっている訳です。
いや、別に新しく理論や既存の概念を追求するのが悪いと言っているのではありません。
言葉や生活習慣が変わって、時代に合わせた説明が必要になることもあります。

だた……。

私たちは、今。
何かを実践するために生まれてきているのかもしれません。

それの実現を願われている。ような。

それは、遠く過去から。
バトンで引き継いできたようなものなのかもしれません。

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