それ「伝える」ことになってません…Vo.3

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デザイン・イラスト
いよいよ中身を「伝える」ことについて語ります。
山ほどあるのですが,PTA広報紙を作るのはプロではなくいきなり役員をやることになった初心者の方たちの集まりでしょうから,できるだけ最低限にとどめようと思います。

まず,何度もお伝えしているように,PTA広報紙の読者は毎日忙しくて疲れているワーママが多いので,文字でびっしり埋め尽くされている紙面はなるべく控えた方がいいと,個人的には思います。
いざ役員になると頑張っちゃって,伝えたいことが溢れてきてあれもこれもと書くことが増えてしまったり,校長紹介で執筆をお願いする時にやたら文字数を多くしてしまったりってことが往々にしてあります。
でも,朝会の校長のお話が長いと嫌われるのと同じで,校長の文章が長くて嬉しい保護者はそうそういません笑。
依頼文が長いと,それだけである程度紙面が埋まるので楽ではあるのですが,それでは読者のことを考えることになりません。
自分が読みたいと思わないものは極力載せないようにしましょう。
それなら,例えば校長のひととなりが分かるインタビューとかでプライベートが垣間見れる記事の方が,内容的にも文章量的にも面白くなるかなと思います。

デザインに関しては,今は業者に依頼する学校が増えていると思いますが,業者のデザインはなぜかダサいものが多いです。
PTA広報紙感を出すためにあえてダサくしているという話を聞いたこともあります。
なので,紙面が出来上がってきた時に「もっとこうしてほしい」とお願いするためにも,業者に丸投げではなく,頭の片隅に置いておいた方がいいことがあります。

まず,無駄に派手な紙面は避けましょう。
賑やかにすれば,目を引いて読んでもらえるだろうと思うのは間違いです。
派手な色や色数過多は,ダサくなるし肝心の内容が入ってきません。
せっかく学級紹介や行事写真など子供たちが主役のページなのに,背景がどぎつくてせっかくの写真が背景に埋もれてしまってるのを見たことがありますが,非常にもったいないなと思います。
また,読み物のページはなおさら,文を読んでもらうために派手な色は邪魔になります。
市の広報紙に地味なのが多いのは,別に予算の節約というわけではなく,読むことに集中してほしいからこそなのです。
人の目や脳は,情報が多すぎると処理しきれなくなって疲れてしまいます。
色も一つ一つを情報として捉えるので,色が多いと読むことに集中できなくなってしまいます。
なので,背景を選ぶ時も自分の好みではなく読む人のことを考えて,シンプルで主役である写真や文に自然と目が行くような色を使うようにしましょう。

フォントも,色と同様使い過ぎはよくないです。
また,場面に合ったフォントを使いましょう。
フォントは無料のものもたくさんあって,手書き風の可愛いフォントなど種類も豊富であれこれ使ってみたくなってしまいます。
ですが,特殊なフォントは読みづらいので長文には不向きです。

基本は,目立たせたければ太字ゴシック体,長文は明朝体がいいと思います。
フォントに困った時は,私はそれを声に出して言うようにしています。
すると,自分がその文字をどう読者に伝えたいかを客観視できるのです。
例えばテレビの字幕が参考になりますね。
弱々しい声の時は細い字だったり,音痴な歌は波打った文字が上下ずれて書かれていたり,子供の声は丸っこい字だったり。
フォントも,安易に「可愛いからこれ!」ではなく,読者のことを考えて相手にどう伝わってほしいか,読みやすいかを考えて選びます。

まだまだ書きたいことが山のようにありますが笑,最後にレイアウト。
これは「デザインの4大原則」に則って作るといいのですが,専門的なことは置いておいて,とりあえず縦横を揃えることを意識しましょう。
揃ってないとかずれてるとか違和感があると,内容に集中できません。
違和感のない紙面を心がけるといいと思います。

違和感は,余白,文字の大きさ,字間,行間などありとあらゆる場所で感じてしまうことがあります。
以前のブログにも書きましたが,紙面作りで大切なのは派手なPCスキルではなく,その違和感を取り除くための誰にも気づいてもらえない地味な作業です。
これらは,プロが使うイラレやフォトショなんか使えなくても,WordやPPTで十分できることです。
そして,PCスキルなんかよりずっとずっと大切なのは,やっぱり読者のことを考えること。
私は,紙面作りは読者へのラブレターだと思っています。
どうしたら読んでもらえるか,どうしたら面白いと思ってもらえるか,どうしたら分かりやすくなるか。常に考えるのは自分のことではなく相手のことです。
デザインの勉強をしていると奥が深すぎて,学べば学ぶほど「まだまだだ」と思わされます。
でも,実はそれらの全てが相手への愛でできていることに気が付きます。
先述した「誰にも気がついてもらえない作業」を,相手のことを考えて地道にこなすなんて,愛がないとできませんもの。
なので,PCのスキルやデザインの知識がなくても,「相手を思う気持ち」さえあれば素人でもいいPTA広報誌が作れるんじゃないかと思います。

逆に,愛がなくPCスキルだけある人が作る紙面は「自分はこんなすごいのが作れるんだぞ!」というドヤ感が前面に出て,ロクなもんじゃないです笑
なので,PCが使えないのに広報部になってしまったとしても引け目を感じる必要は一切ありません。
「たくさんの人に読んでもらいたい」
この気持ちだけで,その人のスキルは十分です。
せっかく広報部になったのなら,楽しんで作ってほしいなと思います!


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