ビールについて

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コラム
今回のテーマはビール。

若い頃はビールの独特な苦みが苦手であまり頂くことはなかったのですが、歳を重ねたら一転してビール党になってしまいました(笑)。大人になったのですかねぇ?でも、ひとつ問題がありまして・・・。言いにくいのですが、日本のビールが全然おいしく感じないのですよ。基本的に飲むのはギネスが多くて、和製ビールはお付き合いの時にしか飲まないです。

と言うのも、日本のビールって、日本酒の考え方に近いのか“スッキリ辛口”みたいな味のものしかありませんよね(一部のクラフトビールは別ですが)。特に大手のメーカーさんの商品はどれも同じで、薄いし味わいが貧弱な気がします。おそらく、ヨーロッパ各地で飲んだビールの美味しさが印象に残りすぎていて物足りなく感じてしまうのでしょう。その割に、国内で“海外のビールと言ったらドイツでしょ”みたいな風潮がありますが、私からすると“Why?”ですね。確かに、ドイツのビールはおいしいですが決してナンバーワンではありません。それは、現地ヨーロッパの人が押し並べて日本人のような同調圧力で“ドイツのビール最高!”となっていないから。

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エールビールの本場、英国はバースにある聖地『THE STAR INN』の外観。このとき頂いたビールは格別でした。

私は、英国がオリジナルとなる“エールビール”が好み。芳醇なフレーバーと味わい深いテイスト、そして、沁み渡るフィロソフィー。そのどれもが、ビールへのリスペクトが感じられ虜になります。

ビールにはオリジナルとなる製法として、大きく分けて2系統あり、私がこよなく愛する英国の“エール”とチェコの“ピルスナー”が代表的(この他に、ベルギー系とアメリカ系がある)。日本のラガー系ビールはピルスナービールの派生ですよね。私はピルスナーの聖地であるピルゼン地方(チェコ読み:プルゼニ)へも伺い、現地で最もポピュラーな『ピルスナー・ウルケル』の本社工場を視察しました。その際に試飲させてもらったピルスナーも最高だったなぁ・・・。日本のビールにはない個性的な造り、ただ苦いのではなく、本場のカレーでも多種多様なスパイスを用いて味わいに固有の深みを持たせますが、ピルスナーも然り。奥の深さを実感する紛うことなき本物のビールでした。

ここで不思議なのが、なぜ日本では海外のビールと言ったらドイツという触れ込みになったのでしょう?そんなこと欧州では誰も言っていないのに・・・。

おそらく、電通とか博報堂が仕掛けたのでしょうが、考えられるのは、和製ビールがピルスナー寄りなので英国が本場とはできず、かと言って、本当のピルスナーの聖地はチェコだけれども、おかしな触れ込みを浸透させようとした頃はチェコが東側陣営だったため、しかたなく西側の西ドイツ(=ドイツ)として売り出したのかなと。イメージ戦略って怖いですね(笑)。真実なんてどっちでもいいのですから。少し時代背景を説明しますと、ピルスナービールが盛んに造られた地は神聖ローマ帝国の頃のチェコ一帯でして、当時は東欧の長として圧倒的な力を誇り君臨していました。その首都は現在のプラハ。カレル橋とモルダウ川を見下ろしながら壮麗に佇むプラハ城は観光名所ですよね。この頃のドイツ地方は神聖ローマ帝国を構成する地域としては田舎の部類で、ハンガリーのブダペストの方がよっぽど都会でした。つまり、ピルスナーは華麗なる都プラハを中心に広まった醸造文化と言え、ドイツはそれを学んで取り入れた側。物事は正確に識りたいものですね。

まぁ、こんなカタい話は置いておいて、ビールを楽しく飲みましょう。

昨今は日本でもクラフトビール造りが盛り上がっていますから、個性が引き立つ様々なビールを頂けるようになるのでしょうか。ワクワクしますね。

それでは、このへんで失礼します。


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