デザインの“見栄え”を良くするとは?

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デザイン・イラスト
今回は少しだけマジメにデザインを語ります。

私は一応プロのグラフィックデザイナーとして多くの成果物を提供してきましたが、プロとアマチュアの差が年々薄れつつある業界に身を置く者として、それでも、プロとしての矜持を保つ所以たる心構えやテクニックについて思うことを記そうかなと。

昨今はタブレットやiPhoneなどにダウンロードして使用するアプリが多様化し、我々が使用するIllustratorやPhotoshopのようなプロ向けツール以外にも、超優秀で高機能なアプリケーションが続々とリリースされています。ともすれば、一度もパソコン上で作業をしないままデザインの成果物が完成してしまう時代となりました。

こうした環境が整えば、ハードやソフトに縛られることなく誰もがデザインを試みるようになり、生み出されるデザインもますますユニークなものになっていくことでしょう。もはやコンパスと定規を駆使してロゴマークを制作していた時代など遙か彼方の時代劇ですね(笑)。すると同時に、様々なニーズが生まれ、多くの疑問や課題も浮き掘りに。例えば、Wordなどのアプリケーションでササッとチラシを作りたいなんて方もいるでしょう。官公庁などでは、予算の都合上、職員の方がせっせと回覧物を作成する光景が日常茶飯事かと存じます。そんな時、なんかパッとしないとか、どうも見栄えが悪いとか、バランスが良くないなど、作ってみたデザインを見渡すと何か物足りなさを感じることが多々あるかと。しかも、それをどうやって修正したらしっくりくるのか分からないことも想像に難くありません。

さて、このようにちょっとした違和感を覚えるビジュアルを整えたい時、我々プロのデザイナーが意識する心構えや使用するテクニックを紹介します。

1、余白を恐れるな

  情報を詰め込もうとして、必要以上に画像や文字がスペースを占有してしまい、結局のところどこにポイントがあるのかが伝わらず、見たり読んだりすることを避けられてしまいがち。こんな時は、むしろ情報を精査して必要最低限なものに絞り、誌面にすっきりとした余白を生み出してください。すると、受け手のストレスが軽減され、ビジュアルコミュニケーションがスムーズになります。

2、フォントはお洒落なアクセサリー

  多くのチラシや回覧物で特に有効な工夫がフォントの選定です。フォントは、ファッションで言うところのアクセサリー。服装のテイストに合わせたアクセサリー選びをするように、デザインを小気味良くするために適材適所なフォントを配置するようにしてください。よく奇をてらってゴテゴテしたフォントを使ったりする方がいますが、それは時と場合によります。せっかくのデザインがフォントの悪目立ちで台無しなんてことは良くある事例。原則として、フォントは従物です。さりげない主張に収めるようにしましょう。

3、デザインは最低でも1日は寝かせろ

  なんか料理のアドバイスみたいに思われるでしょうが(笑)、れっきとした心構えのひとつです。実は、デザインをしている最中はアドレナリンが出て興奮状態ですし、特に会心のデザインを設えた時などは万能感に浸ってしまい冷静なジャッジができないことがあります。そういう時こそ、1日くらい時間を置いて(ひと眠りして翌日に)、じっくりと出来あがったデザインを眺めてみてください。すると、興奮状態の時には発見できなかった綻びが見えたりします。我々プロのデザイナーは、そういう地道な作業を繰り返して完成させているので、面倒くさがらずにトライしてみましょう。

さて、今回はこのへんで。これを読んだ方が素晴らしいデザインを生み出せるよう心より願います。


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