【#3:原価率を考える3つのポイント】

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ビジネス・マーケティング
前回のステップでは、少しお話した
「原価率を考える3つのポイント」を抑えながら
各ジャンル別の特徴を解説していきます。

【カフェ・喫茶店】

カフェや喫茶店は、最近では食事や専門性の充実を図る業態が増えています。
このような店舗では、お客様が長時間過ごすことが一般的であり、そのためサービスのクオリティや居心地の良さが重要視されます。

そのため、人件費率は他の業態よりも高くなる傾向があります。

フードとドリンクの比率は、
一般的にはフード15%、ドリンク85%
と言われています。
ドリンク比率が高いほど、原価率を抑えることができます。

カフェや喫茶店の主力商品であるコーヒーについて考えてみましょう。
例えば、
1キログラム2400円のコーヒー豆から80杯のブレンドコーヒーを入れると仮定すると、1杯の原価は30円となります。

一方、ストレートコーヒーの原価率は一般的に約10%と言われていますが、種類によって異なります。

そのため、カフェや喫茶店では、メニュー構成や原価率を考慮して経営を行うことが重要です。

特にコーヒーなどのドリンクメニューに注力し、原価率を抑えつつも品質やバラエティを提供することで、顧客の満足度を高めることができます。

また、人件費率が高いため、限界生産力サービスの質を維持するためにも効率的な労働力の配置や教育が求められます。

店舗の特性や地域のニーズを考慮しながら、バランスの取れた経営を心がけることが成功の鍵となります。

【居酒屋】

お酒と食事を供する居酒屋は、主に夜間の営業であり、接客や提供の速度が鍵となるなため人件費率は他のジャンルと比べ自然と高くなっていきます。

オーダー割合としては、ドリンク比率が高く、メニューや店舗作りの自由度も高いことから、他業態よりも原価率を抑えやすいといえます。

しかし、差別化からの希少メニューや主力となるメニューの原価率は高い場合が多く、生ビールが40%、刺身は50%以上になってしまいます。

そのため「原価の低い商品」の顧客満足度を上げ、売上を伸ばすことがポイントとなります。

たとえば、アルコールドリンクで人気が高いのが炭酸系のサワーやハイボールです。1杯あたりの原価が30~50円、原価率は10%程度になります。

独自のオリジナルサワーを提供や強みとすれば、他店との差別化も図れるでしょう。

【ラーメン店】

開業の難易度が低いとされるラーメン店。
カウンター中心など、狭い店舗で営業できるため、人件費は他の業態より低く抑えることができます。

一般的にフード・ドリンク率は低いですが、回転率や客層を考慮に入れつつ、アルコールやソフトドリンクなどをメニューに入れると顧客単価を上げやすくなります。

ラーメンの原価は一般に30%前後ですが、チェーン店ではスケールメリットを生かし20%前後で仕切っている店舗もあります。

麺は一杯あたり30~50円が目安となります。

店舗によって一番原価率が変わってくるのは、強みであるスープとなります。
一般的に高い順から、味噌、とんこつ、醤油(塩)と言われています。

具材で注目すべきは原価が約10円の煮卵です。

黄身がトロリとした半熟煮卵は手間がかかりますが、人気のトッピングです。チャーシューも人気がありますが
1枚25円以上かかり、肉にこだわるとさらに原価がアップします。

【レストラン】
レストランはある程度の時間をかけて食事を楽しむ業態のため、品揃えの豊富さ、メニューの差別化が求められる傾向にあります。

そのため、多くの店舗で原価率は30%を越えてしまいます。

また、厨房・フロアにそれぞれスタッフが必要となるために、人件費も30%を越える店が多いです。

一般的にレストランのフード・ドリンクの比率はフード80%前後、ドリンク20%前後といわれていますが、原価率を抑えるためには、ドリンクの比率を上げること、メニューごとに原価率のメリハリをつけることがポイントとなります。

原価率を一律に「30%」と考えるのではなく
原価率の高い商品、低い商品を戦略的に組み合わせることが利益をしっかりと確保するポイントになってきます。


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