仕事でこんなことがありました。
私の仕事の中で、一定数のお年寄りの髪をとかすという業務があるんですね。
なんで髪をとかすかというと、ベッドで寝てるお年寄りを起こして、ご飯に誘導するんですが、起き抜けで髪ボサボサだからです。
で、そのお年寄りのひとりの髪をくしでいつも通りとかして、食堂のテーブルに座ってもらったんですけど、少しして先輩職員さんから、「さとうさん、さっき髪とかしてたよねえ?」って言われたんですね。「はい、あ、何かありましたか?」って聞きながらそのお年寄りを見たら、
後ろ髪はぴっちり整えられているのに、前髪はボッサボサのままだったんです…。
なにか考え事してたんですかね。それで前側のほうをとかすの忘れちゃってたんでしょうけど、
このときの前後のコントラストが逆に美しくて、何秒か見とれちゃったんですね。
これ、なかなか狙ってできるもんじゃないなと思いました。
自分の抜けた性格と、そのお年寄りのとぼけた表情と、小柄でまんまるい体格と、ちょこんとした座り方と、その全部の【無作為】が見事に融合して、芸術作品を完成させてたんです。
ここから得た教訓は、
考えて、狙ってばかりじゃいいものは生まれない。
ときには頭を真っ白にして【無作為】を生み出す練習もしよう。
いってらっしゃい。
【習慣カウンター】
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