パワハラ・職場イジメの対策② -詳細編-

記事
ビジネス・マーケティング
前回記事でパワハラ・職場イジメの対策法であるグレイロック法をご紹介しました。

今回記事ではこの対策を詳しく見ていきたいと思います。

前回記事でパワハラ・職場イジメの本質は、エネルギーの搾取であると書きました。
「エネルギー」という言葉はイメージがしづらいでしょうか。活力とか生命力のようなものだと思っていただいてかまいません。

パワハラ・職場イジメの実態は、相手にネガティブな感情を感じさせることで相手からエネルギーを吸い取る行為なのです。
そのため、エネルギーを与えないことが対策の軸になります。
※パワハラ・職場イジメの動機はこれ以外にも考えられますが、ここでは一旦除外します。

パワハラ・職場イジメを行ってくる人物について

パワハラ・職場イジメを行ってくる人物には嗜虐的な性質があると私は思います。
平時はそれほどでもないのに業務のストレスによってその性質が強まってしまっている場合と業務と無関係に嗜虐的な場合が考えられます。
嗜虐的な人物は相手のどこを攻撃すればダメージを与えられるか感覚的にすぐにわかる能力を持っています。これはもともとそのようなことが得意で、子供のころからずっと育ててきた能力だからです。
そのような感覚と無縁の人にとって、攻撃対象になっている時点でかなり不利な状況と言えます。なぜなら相手にはこちらが見えるのに、こちらからは相手が見えないためです。
パワハラ・職場イジメとはこのような混乱的な状況であることが多いと思います。

グレイロック法のおさらい

グレイロック法をおさらいします。つぎのとおりです。
① 可能な限り距離をとる
② 相手とのコミュニケーションは可能な限り最小限にする
③ 感情を見せない
④ プライベートのことを話さない
⑤ 対立しない

以降でグレイロック法について詳しく見ていきたいと思います。

①可能な限り距離をとる

はじめにすることとして、パワハラ・職場イジメを行ってくる人物と物理的にも心理的にも距離を取ります。具体的には配置転換や転職も検討しましょう。生活やキャリアが不安でそのような選択はしづらいかもしれません。しかし我慢を続けていれば心身に不調をきたすのは時間の問題です。
被害を受けている最中はそうは思えないかもしれませんが、パワハラ・職場イジメに我慢して耐えるのは非常に馬鹿々々しいことです。自分の貴重なエネルギーや時間をそのような相手にみずから差し出しているのと同じなのですから。
物理的に距離をとることが根本的な対策になります。ほかの対策は次善策です。

②相手とのコミュニケーションは可能な限り最小限にする

これは心理的に距離をとることと同じです。
具体的には、関わりを最小限にします。たとえば業務上の連絡は必須のものだけに限定します。伝え方も対面ではなくメールにします(メールが使える状況ならば)。また文面は必要最小限のことだけを記載します。
質問された場合も可能な限り短く、最小限の返答をします。訊かれたことだけに答え、それ以外のことは話しません。相手と関わる時間を最小限にします。また相手に関心を持たないようにします。徐々に徐々に相手への関心を少なくしていきます。
注意したいのは、心のなかに対立の気持ちを持たないことです。相手を困らせてやろう、やりかえしてやろうという気持ちが潜在意識にあると、トラブルに発展します。

③感情を見せない

パワハラ・職場イジメは基本的には感情のエネルギーを吸い取るために行われます(意味が分かりづらい場合は前回記事をご参照ください)。
そのため相手のまえで感情を見せないようにします。ごく平坦な気持ちで相手と接します。相手に見られる可能性がある場では第三者との会話でも感情を出さないようにします。
不安や悲しみ以外にも怒りも相手にとっては好ましい感情になります。嬉しい、楽しいという感情も落差を見たいという相手の動機になってしまいます。そのため相手の前ではあらゆる感情を見せることがNGとなります。
相手に関心がなく、相手との関わりで本当になんの感情も感じないことが理想です。なぜなら表面上は無感情をよそおっていても内心で感情を出しているとそのエネルギーが相手に伝わってしまうからです。
しかしいきなりは難しいのでまずは感情を見せないことから始めるとよいかもしれません。
繰り返しになりますが、これは次善策であり根本的な対策ではありません。

④プライベートのことを話さない

プライベートのことや自分のキャラクターが把握できるようなことを相手に知られないようにします。
相手に情報を与えると、相手が攻撃できる間口を広げることになります。


⑤対立しない

もっとも重要なことは対立しないことです。対立すると相手の土俵に乗ることになり、攻撃の動機を強く刺激することになります。上記の対策を行うときにも対立の気持ちを持たないようにします。
嗜虐心の強い相手の場合、巧妙なやり方で不安感や怒りなどを刺激してくるかもしれません。その場合はそのことから関心を外し、別の楽しいことや自分の興味のあることを考えるようにします。


パワハラ・職場イジメをうけたときは自分を見直すとき

パワハラ・職場イジメをうけたとき、ご自身の考えをいったん見直す必要があると考えます。
直感に反する、意外な意見と思われるかもしれませんが、このような状況はご自身で呼び寄せてしまっている可能性があるのです。
それが悪いことだとか非難をしているわけではありません。
伝えるのが難しい内容なのですが、その人の考えに応じて周囲の状況は作られていきます。
そのためパワハラ・職場イジメをうけたときはご自分の考えを一度点検してみる必要があるのです。

自分に自信を持っていますか?
自分を大事にしていますか?
自分には価値がなく、人からないがしろにされても仕方のない存在だと思っていませんか?
このような気持ちが潜在意識にあると、本当にそのような状況を呼び寄せてしまいます。

また、ご自身と関わるすべての人に尊重や敬意の気持ちを持っていますか。
そのような気持ちを持っていないことが悪いというわけではありません。
しかし人間関係とは自分が他人に対して持っている気持ちと相応したものになっていきます。

(了)

※グレイロック法の説明は一旦この記事で終了します。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す