『FREE, FLAT, FUN これからの僕たちに必要なマインド』から学ぶマネジメント

記事
ビジネス・マーケティング

Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長、Voicyパーソナリティでもある

伊藤羊一さんの著書『FREE, FLAT, FUN これからの僕たちに必要なマインド』を読みました。

Lead the self ー 自分を導く
Lead the people ー 他者を導く
Lead the society ー 社会を導く

主に3部構成で

「リーダーとはなにをする人なのか」
「どうすれば人を共通のゴールへ導けるのか」

を理解し、結果として、チームや組織において大きな成果を出すことに役に立つ著書です。

特に「Lead the people ー 他者を導く」は私以外にもマネジメントに関わるすべての人に参考になるかと思います。

役職は「機能」に過ぎない


役職は、ただの「機能」に過ぎないのではないか?リーダーの仕事は「チームをゴールに導く」こと 

伊藤羊一さんと同じくVoicyパーソナリティの澤円さんも
・管理職という言葉が嫌い
・マネジメント=管理ではない

と言われております。

「上司と部下」と書くと上司が「上」、部下が「下」という立場になりがちですが、果たしてそうでしょうか。

ただの役割・機能であれば、勿論、人間的にも偉いなんてことはない。
“上司なので自分の方が上、先輩だ”

と勘違いする人が、特に求められてもいない人生アドバイスを部下にして、ひとり悦に浸っている光景をみることありませんか。

ともに働く人達はすべて「対等」な立場です。
従い、私は部下という言葉をなるべく使いません。「メンバー」と呼ぶようにしてます。

マネージャーは「何とかする人」


マネジメントは、一人ひとり個性も価値観もちがう人が集まってできたチームを「なんとかすること」であり、マネージャーは「なんとかする人」


なるほど!

英語で“Manager”、動詞は“manege”、これを訳すると
manege:何とか成し遂げる、やりくりする

まさに「なんとかする人」ということですね。

会社や自身のチームが保有するリソースの中でどうにかやりくりを采配し、何とか結果を出す、というイメージでしょうか。

よく「管理職」とも表現されますが、部下・メンバーを管理することを優先する人、限りあるリソースの中で何とかして結果を出す人、どちらが付加価値が高い人材かは一目瞭然でしょう。

「グッドもっと(Good・Motto)」


グッドポイントを伝えずにダメ出しばかりしていると、相手はいつまでも元気になりません。逆に、「あれよかったよ!」と伝えると、相手のやる気が上がります。そのうえで、改善点を伝えなければ成長しないので、「こうするともっとよくなるよ!」と伝えてみる。すると相手は、「もっと聞かせてください」「もっとアドバイスをください」といってくれうようになるはずです。


よく、“イエスバット法”

まず相手の意見を「そうですね」と返した後に、「しかし」と反論(自分の意見)を伝えるコミュニケーション方法があります。

「グッドもっと(Good・Motto)」法はより良いコミュニケーション方法ですね。
なぜなら、否定がないからです。

否定を交えたダメ出しをしてしまうと、チーム内の心理的安全性が確保できなくなり、メンバーが自発的にアドバイスして欲しくなる気持ちも失せてしまいかねません。

日本企業と欧米企業におけるマネージャーの違い


欧米企業の場合、マネージャーになると仕事上で与えられる権限が一気に増えると同時に、給与も平社員とは比較にならないほど上がります。そのため、多くの人が出世することへの意欲を持つ仕組みが機能しています。

課長になっても、部長になってもたいして給与があがらない

むしろ残業手当がおおかった平社員の時の方が多かった、

という日本企業に勤める会社員の方も多いのではないでしょうか。

業務に対する結果や部門メンバーへのケアなど新たな仕事や責任が増えるにも関わらず、給与はたいして変わらない

マネジメント職になるインセンティブが低すぎるのではないでしょうか。
日本の成長阻害要因の一つかもしれません。

まとめ


『FREE, FLAT, FUN これからの僕たちに必要なマインド』
マネジメントの観点中心に印象に残った点でした。

私自身もマネジメント職として意識すべき新たな気づきも多く良書です。

特に「マネージャーはなんとかする人」は自身の中に叩きこんでおこうと思う一方、“なんとかする”というと厳しい環境下でパワーの要る、少しネガティブな印象も受けるかもしれません。

しかし、そこは『FREE, FLAT, FUN』の“FUN(楽しむ!)”というマインドでマネジメントスキルを伸ばしていこうと思います。
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