幻想喫茶店 物凄く番外01「音のおくすり」

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〝カフェ・えりくしる〟のマスターはちょっと調子が悪いようです…。
そんなマスターの、ちょっとしたエピソード。

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今日は昨日に引き続き、やたら強い風が吹いています。
埃っぽいので、どうしても咽にきますね…。
秋ともなると、乾燥した空気なのも手伝って…けほん、けほんっ。

咽を潤そうと蜂蜜入りの紅茶を淹れていると、ドアのチャイムが鳴りました。
「おや、いらっしゃいm…けほんっ!んん、ごほんっ」

カウンターに座ったお客様は、かわいらしい妖精さんでした。
「マスター大丈夫?なんか咽が辛そうだよね」
「そうなんですよ、申し訳ございません。さすがに商売柄、声を出さなくてはいけないので…けほんっ」

数日前から咽がいがらっぽくて少々痛いし…ちょっと辛くなってきたので、店を閉めて暫く休もうかなと考えていたところへでした。
「あのね、マスター」
「はい?」

「あのね…昨日もおとついも、なんだか辛そうだったから音櫻が咲いている郷に居るお医者様に、お薬を貰ってきたの」
「えっ」

小さな手が、そっとワタシに手渡してくれました。
あっ、これって。
「じゃ、もう帰るね!お大事にね!」

音のお薬2.jpg

咳き込みながらお礼を言うと、彼女は照れながらそそくさと帰ってしまわれました。
頂いたお薬は、音櫻の奏でる音が生み出す結晶を素材に作られたもの。
そのタブレットは口に含むとふわ、と融け小さな音を奏でます。
咽にゆっくりとしみ込む、とても優しいお薬でしたよ。

お店を閉めた後、淹れた蜂蜜紅茶を頂きながら、今度あの妖精さんがおいでになったら何かお礼をしなくては、と考えました。
…うーん、何が良いかな…。


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仕事、ちょ…ちょっと忙しいです(^^;;
作業の合間に珈琲すすりながら、YOUTUBEのワタシのチャンネルのコミュニティに掲載したものを、こちらにも載せてみました。
出品している〝短いおはなし書きます〟の参考になれば。
あっ、みなさんも風邪等をひいたりしないようにご注意ですよ。
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