時間がない

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ある日、2通の手紙が届いた。1通は私宛。1通はあの人宛。
家庭裁判所からだった。
私は自分あての手紙を開いた。内容を見て、落胆した。
第一回目の調停は、4月半ば・・・
なぜ?3月中にはこの家を出なければいけない。
春休み中に地元に引っ越し、次男の転校手続きをして
その他もろもろの手続きがある。引っ越し先も、決まっていない。
実家は、築40年以上経っていて 1階には父と母、長女と同じ年の姪っ子
2階の2部屋の1室は長女が住まわせてもらっている。
もう一つの部屋は、雨漏りがひどく、部屋から星が見えるほど老朽していて
とても住める状態ではない。。。
父はかつて自営をする前は大工をしていたが、今は認知症で介護されている状態。引っ越し準備、様々な手続き、引っ越し先、費用の工面、それに加え家事もしなければいけない、誰も手伝ってはくれない。1人で動かなければ前に進めない 時は既に、3月の中旬になっていて、色んな事を考えていると、何もかも投げ出したくなったが 次男の「ママは僕が守る」の言葉を励みに、自分の意志通りに動かない体に言い聞かせた。

夜、あの人が帰ってくるなり1枚の紙を渡された。
調停はせず、和解の為の内容が書かれていた。あの人の会社の弁護士名が書かれた書面である。

内容は、
・子供4人の親権は父親にあるものとする。
・そのうち次男は、母親に養育する権利を与える。
・次男に対する養育費は、月3万とする。
・次男の学資保険の受取人を母親に譲渡する。
・和解金として100万を支払う
・よって財産分与 及び慰謝料は発生しない。

「は?馬鹿にしてるの?こんなの和解じゃない!調停します!」
そういう私に、あの人は言った。
「1回目の調停が4月半ば、お前の精神がどれだけ持つのかな?
何回も無駄に関東に調停に来るより、早く楽になった方がいいんじゃないかな?綺麗さっぱりにして、新しく4月からスタートした方がお前の為だぞ?」

確かにそうかもしれない・・それでも最後までこの人の言いなりは嫌だ。
22年間の想いを、決して楽ではなかったけど幸せだと感じた日々までも
何もかもぶち壊して、私からすべてを奪わないで。心が叫んでいた。

「4人の親権をもらうって言うけど、じゃあ長男・次女の学費はお前が払うんだな?引っ越し先も決まっていないお前に何ができる?精神患者が働いて払える金額じゃないことぐらいわかってるよな?外にも出れない、人とも話せない、そんなお前が働けるとでも?調停も訴訟も金がかかるってことわかってる?さっさと応じて、離婚届出せよ!!!」

心が壊れていく・・・思考能力が無くなっていく・・・何も考えたくない
消えてしまいたい・・・早く楽になりたい・・
ぼーっとする私に、あの人は鬱の薬を用意してくれ私はそれを飲んだ。
確かめもせず・・・
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