中小企業経営のための情報発信ブログ384:コロナ禍こそ忘年会の機会を作れ

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今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
コロナ禍、第7波が収束しないまま再び感染が拡大していますが、行動制限がないまま年末に向かっています。
新型コロナが収束せず、むしろ逆に感染が拡大している中で、大勢で集まりワイワイと盛り上がり、1次会、2次会、3次会と飲み歩くような忘年会は論外です。
しかし、コロナ禍の今ほど仕事ぶり・働き方に大きな変化があった年はありません。経営者だけでなくすべての人が戸惑い手探りでこの難局を乗り切ろうと試行錯誤してきた数年だったはずです。この1年を振り返り、状況を整理したうえで、来年以降どのように仕事を進めていけばいいかについて、いったん立ち止まり全員で考える、全員で考えを共有する機会を持った方がいいのではないかと思います。
政府は新型コロナ禍で安倍政権時代から色々な施策を行ってきましたが、その検証を行わないまま菅政権、さらに岸田政権に移行し、結局安倍政権時代と同じ轍を踏もうとしています。国は財政破綻はあっても潰れることはありませんが、企業は違います。コロナ禍で打ち立てた戦略や戦術が上手くいっているのか場当たり的でなかったか、その費用対効果を含めしっかりと検証し、その結果を来年以降に引き継ぎそれを生かしていかなければ潰れてしまうことさえありえます。
表題の意図するところは、「年末に社員全員がこの1年を振り返り考えを共有する機会を持て」ということで、この機会を「忘年会」と称しているだけです。みんなでガヤガヤ酒を飲み騒ぐ忘年会とは違います。その「忘年会」での課題はさまざまです。
1.コロナ禍によるテレワークで組織の機能の多くが毀損
Ⅰ:会社のミッション(使命)の明確化=会社はどこへ向かっているのか・・・会社のミッションやビジョンに向けて、自部署のやるべきことがどのような位置づけにあるのか、関係する他部署の業務とどのように関連しているのか、といったことがメンバーに明確に理解されていることが必要です。
Ⅱ:メンバーの役割分担の明確化=同じ部署のメンバーはどんな仕事をしているのか・・・自部署のゴール達成に向けて、メンバー個々の役割分担が明確になっており、互いの業務をつなぐ調整がスムーズに行われることが必要です。
Ⅲ:異常探知と対応=ちょっと「変」なことはないか・・・計画の範囲を逸脱する事象などについて情報共有が行われ、原因究明と対応策が常に作られ実施されることが必要です。
Ⅳ:メンバーの能力把握とフォロー=皆ちゃんと仕事をこなせているか・・・個々のメンバーが自分の担当業務を行う上で、基本的に十分な技能と意欲を有しており、不足する部分については他のメンバーの支援や当人の努力によって充足される状況が作られることが必要です。
Ⅴ:メンバーの業務外情報の共有=知っておくべき家庭や個人の事情はないか・・・仕事を行う際に、影響や支障がある可能性のある個々のメンバーの個人的な事情について、必要な程度(プライバシー侵害にならない程度)においてメンバー間で情報が共有され、必要な場面で配慮されることが必要です。
2.コロナ禍の組織では、情報が決定的に不足している
Ⅰ:会社のミッションの整理と明確化・・・一体自社はこれから何を主力ビジネスとして戦っていくのか、その中で自分の部署は何を目指すのか、他の部署と役割分担や調整の在り方はどう変わるのか、テレワークをしている間に、自分たちはどこにいるのか、何をすべきなのか、会社のビジョンがよく分からない状況になっています。今、業界や会社はどのような状態にあるのか、会社の向かう方向性と自部署に求められる変化は何か、などについて部署内で集まってそれぞれの仮説を共有し、今後の準備をしておくことが必要です。
Ⅱ:メンバーの役割分担や関係の明確化・・・メンバー同士のコミュニケーションにおいて、必要な調整がしっかりと行われているかどうか、問題が発生した場合に十分に対応できる状況が確保されているかを確認することが重要です。
Ⅲ:異常探知と対応・・・コロナ禍でちょっとした異常、ちょっとした異変への探知力が下がっています。オフィス内の無駄話、雑談の類や会議中のちょっとした思い付きが異常探知に役立っていましたが、コロナ禍でこういうコミュニケーションが減少し、異常探知能力が低下し、気づいたときには大問題となっているケースが増えています。
Ⅳ:メンバーの能力把握とフォロー・・・業務を行う能力不足は職場の上司や同僚などからの色々な形の支援を受ける中で充足されていました。テレワークの普及などによって、そのあたりが見えにくくなっています。他メンバーへの関心度が大幅に低下すると危険な技能不足が放置されることにもなりかねません。技能の過不足状況についても全体で認識しておく必要があります。
Ⅴ:メンバーの業務外情報の共有・・・コロナは、家族の状況をも大きく変えています。高齢者と暮らすものは高齢者の健康に留意しなければなりませんし、オンライン授業で子供がいつも家にいる状況では3度の食事を用意しないといけません。テレワークで毎日顔を合わす機会が減るとこうした私的な情報についての情報交換の場が劇的に減少し、無理な負荷を個人にかけてしまうことにもなります。
 皆がオフィスに出勤していれば、メンバー同士の関係の悪さは他のメンバーに何となく分かり、第三者による調整が行われやすく関係改善が早期になされます。テレワークなどで、メンバー同士の交流が減少すると、個々のメンバー間の期待度の変化や感情面の関係悪化が知らないうちに進行し、業務の遂行に直接影響を及ぼす状況にまで達してきます。特に悪化した感情面での関係性の改善・修復は早めに行う必要があります。元々飲み会や「忘年会」の目的も本来はそうしたところにありました。
 嫌なことを忘れて、取りあえず水に流して、新たな気持ちで協力関係を結ぶというのが「忘年会」の主要な目的です。現況にあった形で(オンライン形式など)忘年会を実施することはコロナ禍の組織において重要です。
企業は積極的に、前述の多様な課題についてじっくりとフランクに、本音で話し合える「忘年会」を開催すべきです。
1年を振り返り反省するとともにコロナ禍での自社の課題を共有し、来年に向けて全員が力を合わせ協力し合い、この難局に立ち向かっていくための士気を高める「忘年会」は是が非でも必要です。企業の課題や問題解決方法を議論するのはほかのWeb会議に任せ、フランクに本音が言い合える「忘年会」にすべきです。そうすることで、メンバー同士のコミュニケーションが図られ、信頼関係も構築できます。また、来年に向けて士気も高まります。

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