中小企業経営のための情報発信ブログ295:経営者の6悪

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今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
先日稲盛和夫氏が永眠され、稲盛経営哲学について、改めて書きました。
永守重信氏と言えば、稲盛氏と並ぶカリスマ経営者ですが、このところ若干老害が目立ちます。しかし、永守氏の経営哲学も経営者にとって今でも十分に役に立ちます。
1.経営ほどシンプルな仕事はない
 永守氏は、「経営ほどシンプルな仕事はない」と言いきります。「極端なことを言えば、一番バカな人間がやった方がいいと思えるくらいで、開発とか営業とか生産の方が余程難しい」というのです。高収益、伸びている会社のトップはいわゆる秀才型は少なく、どちらかと言えば、挫折ばかり繰り返している人間の方が成功しています。経営が難しいものなら、そういう駄目人間がやってうまくいくはずがないと言うのです。
 経営がシンプルというのは、そもそも経営というのは結果がすべてだということです。途中どんなことを考えて、どうやったかは関係ありません。どんなに素晴らしいことを考え、素晴らしいことをしても、業績が悪くなればおしまい、経営は失敗なのです。逆に、業績が上がれば、途中どんなことをしていても称賛され評価されます。
 その「結果」というのは成果であり、それは「数字」でしか表れません。売上がいくらあったか、いくら上がったか、利益はいくらあったか、いくら上がったかという以外には何もありません。「業績が素晴らしい」「株価も高い」「成長も早い」と褒められることはあっても「素晴らしいブランドを持っている」「優秀な人材が多数いる」「経営者の人格が素晴らしい」と褒められることはほとんどありません。優れたブランドを持っていても、優秀な人材がいても社長の人格が優れていても、業績や成果に結びつかなければ何の意味もないのです。
 経営は結果がすべてです。結果がすべての経営者が一番やってはいけないことが会社を潰すということです。潰れない限り、たとえ業績が悪化しても、何度でチャレンジすることができますし、業績を回復させることも可能です。業界トップになることだって夢ではありません。
 経営という仕事は、「結果がすべて」であり、「結果は数字」である事を理解し、潰れないように、潰さないようにやっていくことに尽きるのです。
2.経営者は「6悪」を自分でやめられる人
 稲盛氏は経営者が陥る悪弊を「6悪」と呼んでいます。それは、マンネリ、諦め、怠慢、妥協、おごり、油断の6つです。会社がダメになり潰れてしまうケースでは、必ずこの6悪が原因となっています。
 人間というものはどうしてもマンネリになってしまいます。同じことを繰り返していればマンネリになるのも当然です。また、人間は楽な方に動こうとしますし、妥協し諦めることも多いのです。怠けたいと思うのも当然ですし、少しうまくいけばおごりが出たり油断したりします。
 この6悪は人間誰にも例外なく作用します。経営者にも当然襲ってきます。経営者個人が6悪に支配されると会社全体がこの6悪に支配されてしまうのです。経営者は、自ら6悪に支配されないように、自己管理できなければなりません。この6悪を自己管理できる人が経営者にふさわしいのです。
 経営者は6悪を自分でやめることができる人でなければならないのです。
 言い換えれば、経営者は自分で自分を動機づけることができなければならないのです。従業員であれば、上司が動機付けすることができますが、経営者を動機付けできるのは自分自身しかありません。自分で自分を動機付け、自己管理していかなければならないのです。
 マンネリになっていないか、怠けていないか、諦めていないか、妥協していないか、奢っていないか、油断していないか、を厳しく自己チェックし、少しでも6悪に陥っていれば気を引き締めなければなりません。

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