中小企業経営のための情報発信ブログ245:課題設定の技法

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ビジネス・マーケティング
今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
要領よく仕事をしたいのに、あっちに行ったりこっちに行ったりと、ちっとも成果が上がらないという人は多いです。ビジネスパーソンは、多くの仕事を同時並行的に行ない、同時に色々なことに頭を悩まし、解決しなければならない多くの課題や問題を抱えています。なかなか一つのことに集中できないというのもよく分かります。
しかし、あれもこれもと当たり次第に取り組んでいたのでは、何一つ解決せず、一向に成果が上がりません。解決すべき課題や問題を一つずつ片付けていくしかないのです。
1.アレもコレもやって失敗する人たち
 以前、「先延ばしグセ」について書きました。ビジネスにおいては「即断即決、即実行」がよいのですが、闇雲に突き進んでも良いことはありません。確かにスタートダッシュは早いほうが、走り始めても早いのですが、全速力で走っても、ゴールが決まっていなければ、方向違いの方に走ってしまいます。これでは気づいて軌道修正するにも何をしていいのか分かりません。これは戦略が明確でないからです。戦略が明確なら戦術が間違っても軌道修正できる余地は残されています。
 重要なのは、動き出す前に課題をしっかりと設定することです。課題を絞り込めば、アレもコレもやる必要はなく、何から始めればいいかも分かります。
 「『課題』というのはオセロゲームの『角を取ること』」と言われます。言い得て妙な表現ですが、課題というのは達成(勝利・成功)するためのカギです。オセロゲームで「角を取る」ことができれば、ゲームの勝率は一気に上がります。仕事で成果を出す際も「角を取る」ことが、達成するための絶対条件です。
 オセロでは、「角」がどこにあるかはすぐに分かります。ところが、仕事ではどこに角(課題)があるのかが分かりません。
 仕事のできる人というのは、すぐに「オセロの角」を設定できる人です。彼らは、動き始める前に、筋のいい課題を設定する方法を知っているのです。
2.「筋のいい課題」を設定するコツ
 まず、やるべきことは、事実を正しく把握することです。いきなり事実を調べてはいけません。まずは状況把握です。仮説を立てた上で事実を集めます。
 「業務が終わらず残業が常態化している」というケースを考えます。
 課題設定の甘い人は、「着手しやすいこと」を始めます。「キーボードのショートカット」「エクセルの関数」「整理整頓の方法」などの情報をネット検索して、アレとコレとにトライするということをします。多少の改善は見られますが、根本的な対策にはなりません。
 仕事ができる人(課題設定ができる人)は、「本当の原因は何か」からは入ります。 
 これが仮説です。「全体の業務量が増えているか」「業務の配分が平準化できていないか」「自分のスキル不足のためか」などいくつかの根本原因を考えます。更に自分一人の意見では偏りがでるので人の意見を聞きます。その結果、「職場全体の業務量が増え、更に今後も増える可能性がある」ということが分かったとすれば、「自分のスキル不足」は原因でないのです。このケースでは、課題は「無駄な業務を洗い出し、業務量を圧縮しておく」ことに設定するのが妥当ということになります。
 以上のように、課題設定が甘い人は。「着手のしやすさ」で判断し、筋のいい課題設定をする人は「問題解決の効果性」で判断しているのです。
3.課題に正解を求めてはいけない
 課題に正解はありません。それは複雑な要因が絡み合っているからです。特に現在のように環境変化が激しく混迷している時代には「何が正解か」分かりませんし、正解と言えるものも時代の流れに応じて刻々と変化します。
 課題は常に「仮設定」です。「課題に正解を求めてはいけない」というのがビジネスの鉄則です。課題が正解だとすれば、それに縛られて、臨機応変な対応はできなくなります。しかし、課題は仮設定なので、違うと思えば、課題を変更すればいいのです。臨機応変、軌道修正すればいいだけです。一番良くないことは、課題に縛られて、間違えた課題を修正しないことです。これでは失敗の上に失敗を重ねてしまいます。


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