中小企業経営のための情報発信ブログ200:ゼロ秒思考

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今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
今日は、赤羽雄二氏著「「ゼロ秒思考」(ダイヤモンド社)を紹介します。
この本は、ペンとA4用紙一枚だけで思考のスピードと質を飛躍的に高めることができる「メモ書き」のノウハウを紹介している本です。
「即断即決、即実行!」でも書きましたが、「即断即決、即実行」ができない人は、「どうしていいかわからない」のです。何が大事か、何を見てどう決めていいのかもわからないので方向性が決められないのです。
「一生懸命考えているつもりでも、実際は立ち止まっている。前に進まない。あるいは空回りする。気になることがあると頭が上手く働かず、考えが深まらない。考えようとしても目の前の別の課題が目に浮かぶ。集中して考えることができない。行ったり来たりで結論を出せず、時間をかけても深堀りできず、堂々巡りする」という人は多いのです。多くの人は「深く考える」ということはできていないのです。
私見を言えば、多くの人は「考えたつもり」になっているだけです。じっくりと本を読んで考えるという機会が減っています。ネットで多くの情報が氾濫し、それに振り回されています。ネット上には多くの意見や見解が出ていますが、同調圧力に屈して、あたかも自分で考えたつもりになって多数派に追随したり、自ら確認や考えることなく突拍子な反対意見や他人の誹謗中傷に乗っかったりしています。
中には、短時間で質の良いアウトプットができる人もいます。短期間に資料を作成したり、論点をまとめ上げたりする人です。
深く考える人と考えたつもりの人との違いは、「頭に浮かぶイメージや感覚を言葉にできるか、できないか」です。
赤羽氏は、「思考と言葉との関係について、強く意識してもらいたい。『思考は言葉によってなされる』そして『感情も言葉にできる』」と言い「頭に浮かぶイメージ、感覚を言葉にしてみよう」と言っています。
頭の中には、様々な考えや感情が浮かんでは消えていきます。それらをすべて言葉にするのです。良からぬことが浮かんでも何でもかんでも言葉にして書き出すのです。
書き留める際に言葉を選ぼうとしすぎると、思考が止まってしまいます。浮かんだ言葉を深く考えずに書き留めていくのです。これも慣れの問題だと言っています。慣れれば、頭はいくらでも動くようになります。ある程度悩みを吐き出した後は、気持ちが軽くなって、意外なほどアイデアが出て考えが深まるようになってきます。それまで見えなかった全体像はどんどん見えてきます。そうなれば、「全体がどういうものかがわかる」「どちらに向かっているかがわかる」「全体構成が整理できる」ようになるのです。そうすると、自分の頭が更に整理できるし、もっとアイデアがわいてくるし、考えていく上での漏れも少なくなります。
もやもやした気持ちをその場で言葉にして、考えを深められるようになると、考えが進むだけでなく、スピードもアップしていきます。課題が整理され、問題点の本質が見え、本質的な解決策とそのオプションが浮かび、オプションのメリット・デメリットがすぐにわかるようになります。問題の本質と全体像を抑えた確実な対策が打てるようになるのです。
優れた人は、素晴らしいスピードで情報収集をし、意思決定し、電光石火で行動を起こします。できる人や優れた経営者は「即断即決、即実行」です。この「ゼロ秒思考」で書かれている「メモ書き」は、「即断即決、即実行」を行うために「思考を深める」方法なのです。
1.「ゼロ秒思考」のメモ書きの方法
 「ゼロ秒思考」とあるようにゼロ秒で物事を考えるということです。そのゼロ秒思考を身につける方法が「メモ書き」のトレーニングです。
 メモ書きは、こわばった頭をほぐす格好の柔軟体操なのです。頭に浮かぶ疑問、アイデアを即座に書き留めることで、頭がどんどん動くようになり、気持ちも整理されるようになります。自意識にとらわれ悩むことがなくなっていくのです。
 方法は極めて簡単です。考えたこと、思ったことを言葉にしてA4用紙(使い古しの裏面が良い)を書き留める、
 1:左上に考えたい内容(タイトル)を書く
 2:右上に日付を書く
 3:素直に躊躇せずに1分以内に本文を書く
これだけです。注意点としては
1:とにかく1分以内に書くこと
 2:本文は4~6行
 3:各分は具体的に(20~30字)
 4:毎日10ページほど書き、頭を使う回数を増やす
2.3週間から1か月でアウトプットが止まらなくなる
 メモ書きを3週間から1か月続けると、頭にどんどん言葉が浮かぶようになります。メモを書くよりも早く言葉がわいてきます。1か月前にはもやもやとしていたものが、言葉が明確に浮かびアイデアが続々と出てくるようになります。
 数か月続けると、瞬時に全体像が見えるようになり、物によっては、瞬時に問題点が見え、課題が整理でき、答えが見えてくるのです。
3.遠慮なく書けるA4用紙の裏紙がベスト
 不要な資料の裏の面をメモ用紙として使うのがベストです。新品の紙なら、気が引けます。使い古しの裏面だと、どんどん書いても気兼ねすることはなく、遠慮なく書き進めることができます。
 ノートだと、思いついたことを書くのはいいが、整理ができません。似たようなことを数日後に、数週間後に書いたような場合整理ができません。A4用紙だと、順番を入れ替えて整理することができます。
 日記帳も、ノートと同様時系列に書くので整理ができません。日記帳と言う形で過去を固定するやり方は、頭と気持ちを自由にする「メモ書き」にはなじまないのです。
3.視野を広げるために多面的に書く
 一つのテーマについて深堀することが大切ですが、一つのテーマに対して、1ページだけでなく、色々な角度から多くのページを書くことで、視野が大きく広がります。
 この本に挙げられている例を挙げておきます。
 「私はどうしてすぐやる気がなくなってしまうのだろうか
・いつもこうしようと決めてもすぐ挫折してしまう
・10代の頃はこういうことはなかったのに、いつから変わってしまったのか
・本はいつも読めるし、挫折したことはない
・そろそろ、決めたことは継続できるようにならないと、このままではまずい
という「メモ書き」を書いたとすると、その後、次のようなタイトルのメモをどんどん増やしていくやり方です。
・私はどういうときに、やる気が続くのか?
・どういうときに、やる気が続かないのか?
・どういうことであればやる気が続くのか?
・いつもやる気のある人はどうやって維持しているのか?
・やる気のある人はどうやってネガティブな気分に対処しているのか?
・そういう人は挫折することはないのか?
・やる気のある人のやり方を真似できないか?
・やる気って、そもそもなんなのか?我慢することか?
・楽しいこと、やりがいを感じることだけやるのではだめなのか?
これらのメモを書き終えるころには、頭がすっきりとしてきます。自分がどういうときにやる気があり、継続できるのか、どういうときに挫折しがちになるのか、自分の心の動きが見えてきます。
このように徹底的に書くことで、心の動きが見えてきて、心も頭も整理されるのです。参考にしてみてください。
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