中小企業経営のための情報発信ブログ168:モチベーションマネジメント

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ビジネス・マーケティング
今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
新入社員が入社し、社員のモチベーションを上げるにはどうすればいいか、悩んでいるリーダーやマネジャーは多いと思います。成果を出せる組織にしていくには、モチベーションマネジメントは欠かせません。
1.モチベーションが上がるのは、ラクな仕事か難しい仕事?
 何でもラクして要領よくうまくやろうという風潮が世の中に溢れています。スキルにしても、安直にノウハウ本で身につけようと考えている人もいます。効率よく要点を学べるという点では良いのですが、必ずしも「効率がいい」というのが良いとは限りません。「ラク」ということがモチベーションには繋がらないのです。むしろ、ラクにできるということが、益々物事をつまらないものにしています。仕事も同じです。楽な仕事ほど、つまらないもので、達成したからといって達成感や充実感を味わうことは少ないのです。つまらないものからは喜びや楽しさは生まれてきません。
 社会学者ウォーカーとゲストが自動車工場で行なった調査によれば、作業工数が多いほど自分の仕事を面白いと感じています。作業数が多い人の方が単一の作業をしている人よりも仕事を面白いと感じているのです。これは工場のオートメーション化が進行しつつあった時代の調査ですが、AIの発達により、仕事の単純労働化が進行している現在においても当てはまります。
2.モチベーションを高める職場特性とは
 単純なルーティンの繰り返しがつまらない・面白くないというのは、誰が考えても分かります。モチベーションを高めるには、仕事がつまらない・面白くないと感じさせてはいけないのです。仕事が面白い・楽しいと感じれば、やる気が出てモチベーションは高まります。仕事を面白く楽しいものにするには、単純化するよりも、適度に複雑化する方がいいということです。
 心理学者のハックマンとオルダムは、「職務というのは、有意義感の欲求、責任の欲求、フィードバックの欲求などを満たす必要がある」とし、このような欲求を満たす仕事を「充実した仕事」と読んでいます。そして、モチベーションを高める職務特性として次の5つの要素を挙げています。
1:多様性・・・単純ではなく、多様な操作やスキルが必要であったり、変化があったりすること
2:完結性・・・部分的な作業をするだけではなく、仕事全体を見渡せ、自分の仕事の位置づけができること
3:重要性・・・社会的意義が分かるなど、やっていることの重要性や有意味性が感じられること
4:自立性・・・命じられるままにお仕事をするのではなく、自ら計画を立てたり工夫したりして自律的に取り組めること
5:フィードバック・・・自分の仕事の結果が分かり、今後の改善のための有益な情報が得られること
3.職場充実が職場の活性化をもたらす
 上述の5つの要件を満たす仕事だとモチベーションが高くなることが分かっています。こうした仕事ではチャレンジ精神が刺激されて自己設定目標も高くなり、パフォーマンスも向上します。これらの要素を満たす仕事ほど、社員の満足度やパフォーマンスが高く、欠勤率も低下します。
 活気のある職場では多くの社員の仕事がこれらの要素を満たし、逆に、活気のない職場では、これらの要素のほとんどを満たしていないのです。
 5つの要素すべてを満たすというのは難しいことですが、今の職場に欠けている要素を見つけたり、モチベーションの低い社員の仕事に欠けている要素を見つけ出し、そこを改善する必要があります。
 どんなにつまらないと見える仕事にも、社会的な意味や会社にとっての必要性(重要性)はあります。社員と膝を合わせて話し合い、その意義を説明し共有することです。また、部下を認めて任せること(自立性)もできます。1on1ミーティングなどを通じてフィードバックをすることもできます。
 すべての要素を満たす必要はありませんが、やれることをやることです。
4.社員にも職場充実を工夫するような教育が必要
 単純な仕事であっても、ちょっとした工夫で仕事が楽しくなることもあります。そうした工夫を促すべく、職務充実のあり方を体得させる教育的な働きかけを研修などで行なっておく必要があります。
 仕事で成功している人は、どんな仕事でも楽しめる能力を身につけています。それは自ら工夫して仕事に意味を与える能力です。自ら工夫させるためには、ある程度任せなければなりません。新人で、任せるのは不安だという人もいますが、サポート体制がしっかりしていれば問題はないはずです。任せて、自分で工夫するようになればモチベーションは高まりますし、成長しますし、何よりも成果を上げてくれます。
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