中小企業経営のための情報発信ブログ70:フィードバック

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ビジネス・マーケティング
今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
今日は「フィードバック」について書きます。
Ⅰ.フィードバックとは?
 最近、フィードバックという言葉をよく耳にしますが、ビジネスにおいてフィードバックは重要な意味を持っています。もともと、フィードバック(FEEDBACK)という言葉はFEED(餌を与える)BACK(戻す)という2つがつながることで出来た言葉です。直訳すれば「餌を与えて戻す」という意味です。もともとは電子回路で、出力されたものを修正・改善するために入力側に返すという意味で使われたものです。
一般にビジネスにおけるフィードバックは大きく分けて2つあります。
Ⅰ:商品やサービスに対するフィードバック(カスタマーフィードバック)・・・消費者から寄せられる商品やサービスに対する意見のこと。商品やサービスの改善、消費者の満足度を高めるものです。
 Ⅱ:人の行動や振る舞い、姿勢に対するフィードバック・・・業務に対する姿勢や行動に対し、受け手にとって有益な情報を与えることにより、その人のパフォーマンスを上げるものです。
 一般にフィードバックというのは第2の意味合いで使われることが多いと言えます。ここからはフィードバックという言葉を第2の意味合いで使います。
 実際にフィードバックを受けると、人は自己弁護的になったり自信を無くしたりする人がいます。フィードバックを聞くと士気が下がり、やる気を失ったり精神的に疲れたりする人もいます。
2.ファードバックを受ける際の注意点
 職場でフィードバックを受ける際に覚えておくべきポイントは3つありますが、逆にフィードバックを行う側もこの点に注意して行えばよいということになります。
Ⅰ:フィードバックは必ずしもネガティブなものではない・・・フィードバックは強みや改善が必要な領域を含んでいます。自分の悪い部分についてしか話さないだろうという思い込みを捨てることです。フィードバックには良い部分にも焦点が当てられています。フィードバックを受ける際に先入観を持たないことです。
Ⅱ:フィードバックで大事なのは改善できる部分を知ること・・・改善分野というのは自分が成長できる領域です。この分野での能力が劣っているわけではなく、上司がこの分野でも更なる成果を上げることができると期待しているのです。
Ⅲ:相手はあなたに機会を与えている・・・フィードバックはあなたにとっての機会であり、潜在能力を発揮して最高の自分になるために与えられた贈り物と考えましょう。
 相手が悪意を持っているという先入観や思い込みは捨てなければなりません。多くの場合、フィードバックをくれる相手は善意から行ってくれています。それは自分が成長できる機会なのです。素直にフィードバックを受け、そのフィードバックについて正直に真面目に考え、それが自分にとって取り組むべき分野かどうかを自分自身で見極める必要があります。フィードバックは自分を改善するチャンスなのです。この機会を利用すれば、成長してキャリアを前進させることができます。
3.フィードバックを行う側の問題点
 次に上司、つまりフィードバックを行う側の立場からフィードバックを見ていきます。
 上司の立場から見れば、フィードバックについては「上司がフィードバックを通して部下に内省を促して問題解決をさせたり、問題の解決方法を教えたりする。部下は、それを受けて業務を遂行する」ということになります。行動した事象に対しての結果から、何を改善すべきか、どこがよかったかを伝えることで人材育成や部下育成を目的としたマネジメント手法です。コーチングと似てはいますが、コーチングは「問いかけて聞くことを中心とした双方向のコミュのケーション」であるのに、フィードバックは「上司から部下への一方通行のコミュニケーション」という点で違います。
 フィードバックの目的は2つあります。
Ⅰ:人事考査や目標設定などの”結果”を伝えること・・・なぜそのような結果になったのかをフィードバックしないと部下の成長につながりません。良かったと思ったら何がよかったのか、ダメな点は何が悪かったのか客観的な視線で話すことが重要です。ネガティブな要素も責めるのではなく、来期につながるため建設的な話をすることです。
Ⅱ:部下の成長を促す・・・適切なフィードバックは部下の成長につながります。その際のポイントは褒めることや叱ることではありません。あくまでも現状を冷静にとらえてポイントを伝え、部下に考えさせることです。部下自身に自分で考える材料を与えることです。
 フィードバックを効果的に行うポイントをいくつか挙げておきます。
Ⅰ:具体的、かつ客観的であること・・・抽象的な話では部下に伝わりません。具体的に且つ感情的・主観的にならず客観的に物事を捉えて部下に伝えることです。
Ⅱ:部下との信頼関係の構築・・・信頼関係がなければどのように優れたフィードバックを行っても受け入れてもらえません。特にネガティブは話なら逆に反発を招きます。それではチームとしての成果にも悪影響です。信頼関係の構築には、これまでも何度か取り上げているように雑談力を磨きコミュニケーションを高めることです。
Ⅲ:信頼される人間になる・・・尊敬できる人物や信頼できる人からのフィードバックであれば素直に受け入れることができます。自分なら「こんな人からフィードバックされたい」と思うような人物像に近づけるように努力することです。
Ⅳ:部下に責任を負わせない・・・ネガティブなフィードバックをする際、部下が何らかの言い訳をしてくる場合があります。「責任は上司である自分にある」と伝えることで、部下は言い訳めいた姿勢を取らず、反省したりどうすればいいかを考えたりするきっかけになります。
 次は絶対にやってはいけないフィードバックのやり方を挙げておきます。
Ⅰ:相手を追い詰める・・・追い詰めるように感情をむき出しにしたフィードバックはNGです。
Ⅱ:主観的なフィードバック・・・フィードバックは客観的な事実を伝える場です。主観的な話をする場合には客観的な事実やデータを基に「私個人の意見だが」と前置きしてから行うべきです。こういう意見もあるのかを考える素材にしてもらうことです。
Ⅲ:実現可能性が低いことが分かっているようなフィードバック・・・無意味なだけでなく部下のモチベーションも低下させます。
Ⅳ:みんなの前でフィードバックをする・・・特に大勢の前でのネガティブフィードバックはNGです。
Ⅴ:人と比較する・・・人と比較されると侮辱されたと感じるのは当然です。これでは逆に反発を生みますし、人によっては自信喪失につながり、得るものは何もありません。
Ⅵ:伝えるタイミングが遅い・・・フィードバックが遅いとその改善のための行動が遅くなり、成果も上がりません。またタイミングが遅いと部下の信頼も失います。フィードバックは適切な時期に行うべきものです。時間がたてばたつほどフィードバックの効果は激減します。
以上のようにフィードバックは部下の成長にも組織やチームが成果を上げるためにも有益です。効果的なフィードバックを行いましょう。
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