みなさんは今週の「カズレーザーと学ぶ」(日テレ)をご覧になりましたか。
今回も面白かったですね。
全体的なテーマはマインドコントロールで、マインドコントロール自体、マニピュレーター、バイアスなどについて解説していました。
それで今日の記事ではマインドコントロールについて書くつもりだったのですが、番組中に出演者が言及した、マインドコントロールに関連する、ある事件に興味を惹かれたので、そちらを先に取り上げることにします。
「青い鯨ゲーム」事件といいます。
私は聞いたことがなかったのですが、一部では有名だそうです。
以下に簡単に紹介しましょう。
2017年にインドで「青い鯨」と呼ばれるゲームに熱中したとみられる少年3人が相次いで自殺するとの事件が発生しました。
どのようなゲームかというと、「SNSを使った王様ゲーム」みたいな仕組みですね。
「青い鯨」に参加すると、50日間、毎日違った命令が出され、参加者はこれをクリアします。
そしてこの命令が徐々に難しいものにエスカレート。
睡眠時間を減らさせ、判断能力を衰えさせながら段々と無理な命令を出し、「腕や足にナイフで鯨の絵を刻め」など、明らかに異様なことをさせます。
この段階で「そんなこと絶対にしない」とゲームを辞退できればいいのですが、ここまでくるとプレイヤーは判断力が鈍っていますからね。
そして最終日(50日目)に「建物から飛び降りろ」という命令がきて、本当に飛び下りてしまったというわけです。
ドラマみたいな話ですが、現実に起きた事件です。
「青い鯨」が原因とされる自殺例は、すでに他の国でも報告されているそうです。
実は、このゲームの発祥地はロシアです。
ロシアでは、このゲームで自殺してしまった子供たちが130人以上いると言われています。
そして、ロシアからインドやその他の国に広がり、同様の事件を引き起こしたということです。
このゲームを考えたロシア人の犯人(ゲームマスター)はすでに逮捕されていますが、拡散は止まりませんでした。
たとえ犯人が逮捕されてURLが閉鎖されても、「別の誰か」が似たサイトを作ってゲーム参加者を募れば、いたちごっこですからね。
大人は「なぜゲームの命令のいいなりになるの!?」と思うかもしれませんが、判断力を奪われた子供にとっては、指示を無視することができないのでしょう。
これがマインドコントロールといわれるゆえんです。
もちろん、各国でも対策を打っています。
メキシコのミチョアカン州当局は「青い鯨」がメキシコ国内に広がる可能性があるとして警告しました。
中国のポータルサイト大手であるテンセントは、運営するSNSプラットフォームQQ上の青い鯨と関係していると疑われる12のコミュニティを閉鎖しています。
また、関連する検索キーワードも同時にブロックされました。
そして、インド政府は7月末から相次ぐ未成年の自殺はいずれも「青い鯨」が関連しているものとして、「青い鯨」に関するリンクは、見つけ次第削除するようグーグル、ヤフー、ツイッター、フェイスブックなどに要請しています。
幸い今のところ日本では流行していないようですが、絶対にないとはいえません。
世界中でたくさんの子供が被害にあっているので、日本だけが例外という理由はない。
そして、これをくい止めるのはかなり難しいと思われます。
実際に被害者が出てくるまでなかなか世間には知られませんから。
周りの大人の注意深い観察が必要です。
では