奇麗事について-暴力を振るう人間が唱える愛と平和
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You Tubeのある番組を見ていると誰かがジョン・レノンの「イマジン」を歌っていました。
みなさんもご存じだと思いますが、大変な名曲で、私もカラオケで良く歌いました。
まあ、私のことはどうでもいいですが、どのくらい名曲かというと、たとえば、米ローリングストーン誌の「500 Greatest Songs of All Time(史上最も偉大な500曲)」(2004年発表、2010年更新)では3位にランクされているくらいです。
*蛇足を書くと、2位:「サティスファクション」(ローリング・ストーンズ)、1位:「ライク・ア・ローリング・ストーン」(ボブ・ディラン)となっています(この曲についても面白い話があるんですが、それはまた別の機会に)。
それで、この「イマジン」ですが、「想像してごらん、天国なんて無いと」というフレーズで始まり、国家や宗教や所有が存在しない世界を人々が想像することで、平和な一つの世界が訪れるとのジョンの思想を歌っています。
宗教や天国を否定しているために、一部の国のテレビやラジオでは放送禁止にされたこともありましたが、そのメッセージが素晴らしいものであることは否定できないでしょう。
それで散歩しながら、「イマジン」とジョン・レノンについて考えを巡らせました。
それで考えついたのですが、「イマジン」の歌詞も奇麗事ではないでしょうか(またまた、ひねくれたことをいって済みません)。
ジョン・レノンは「情報統制」もあって神格化されたようなところがあります。
しかし、ジョンは決して聖人ではなかったというか、どちらかというと反対側の人間でした(当然ながら私はジョンを直接知っているわけはありませんので、全て本やネットで得た情報に基づいています)。
若い頃のジョンはひどい不良だったそうです。
中学生くらいの頃からタバコを吸い、麻薬を売って小遣い稼ぎ、そして、毎夜のように女性と乱交し、先生を殴ったり、怒られてる最中にズボンを濡らしたり等々。
ビートルズ結成後も、素行は改まらず、音楽をバカにした観客を殴るわ、観客が持ってるハーモニカを奪うわ、会場のトイレの便座を壊し首にかけてステージに上がったり、果ては、ドイツ人をナチ公と馬鹿にしたり、ふざけて障害者の真似をしたりのやりたい放題。
そして家に帰るとリビングで用を足し、それに驚愕した妻のシンシアが怒ると逆ギレしシンシアやジュリアン(息子)を殴り、ガラスを割る。
どうですか、とんでもない奴でしょう。
まあ、ロックンローラーしていたといえばいえなくもないかな。
若気のいたりと思う人もいるかもしれませんが、ジョンはビートルズ解散後に半引退生活をしているときにも、ジョージがその自伝で自分の事を充分に褒めなかったといって、一時的に絶交しています。
ううむ、心が狭い!
とにかく俺様で、自分が世界一だと思っていたんですね。
そんなジョンはオノ・ヨーコ氏と共に、平和活動パフォーマンスとして「ベッド・イン」を行っています。
「ラブ&ピース」といわれてまともに反対できる人はいないでしょう。
「イマジン」にしてもそのメッセージを否定できる人は少ないと思います。
しかし、ジョンは酒やドラッグに酔って子供を殴るような人間だったのです。
上に出てきたジュリアンはその伝記に、「父はラブ&ピースを唱えていたが、母と僕にはくれなかった」と書いています。
そして、歳をとった後も暴力的でした。
オノ・ヨーコ氏もジョンに殴られたと語っています。
みずから暴力を振るう人間が唱える愛と平和ってどんなものなのでしょう。
これが私がいいたい「奇麗事」ですね。
断っておくと、私はジョン・レノンの音楽的才能や功績、そして「イマジン」という曲の価値を認めないのではありません。
ただ、ジョンが訴えていた「愛と平和」とは、自分が上に立ち、下々のものに教え諭すようなものに思えるのです。
では