金のために描いて何が悪い-「SPY×FAMILY」の作者の発言について
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突然ですが「SPY×FAMILY」というマンガをご存じですか。
私のブログを読むような人だと知らないかなあ。
最近、もっとも話題になっている作品で、前クールにはアニメ化もされ、大反響を呼びました。
どのくらいの反響かというと、なんでも1クールで原作マンガ単行本の販売部数が1000万部も伸びたそうです。
現在、累計2100万部ですから、作者 遠藤達哉氏に入る印税は単純計算で10億円超。
チクショウ、うまいことやりやがってと下品な感想を漏らしつつ、嫉妬のほむらを燃やしたいところですが、今日のテーマではないので、置いておきます。
では何の話をするかというと、上記の遠藤氏が公式ファンブックで述べた本音についてです(「この音とまれ!」のアミュー氏、「青の祓魔師」の加藤和恵氏との鼎談)。
遠藤氏は、「SPY×FAMILYの「色々諦めた結果なので、キャラに愛着はゼロです」といったんですね。
当然ながら、この発言に対して、ファンから落胆の声が相次ぎました。
以下に一部紹介しましょう。
「作者の方がキャラクターに愛情を持ってないという発言をしていてちょっとガッカリしている」
「キャラクターへの愛着ゼロ発言見たけど結構萎えるわね」
「キャラクターへの愛着はゼロって思ってるのは全然普通のことだと思うけど、それを口に出すのはやめてほしかった」
「金のために仕方なく書いているということ?それじゃあそんなものを楽しく見ているファンなんて馬鹿みたいだ」
まあ、彼らのいいたいことがわからないわけではありませんが、ビジネスというもを知らないとしか言いようがありません。
当たり前のことですが、作家が描きたいものを描いてそれが成功するのなら苦労はしません。
しかし、遠藤氏の例でいうと、彼は正統派のイケメンを描こうとせず、20年もの間鳴かず飛ばずだったのです。
しかし、編集者から「かっこいい」と「かわいい」の重要性を説かれて、ようやく「諦めて」イケメンキャラを描き、大ヒットした。
商業誌では売れることがすべてですから、何も責められることではありませんよね。
それから、上記の発言をしたファン達は勘違いしているようですが、本意ではないものを描いているからといって、決して手を抜いているわけではないはずです。
当然全力投球しているでしょう。
それがプロなんですから。
そういえば、書きたいものを書くというのはさまざまな芸術分野で見られる問題ですね。
有名なところでは、「シャーロック・ホームズ」の作者 コナン・ドイルは途中で嫌になって、作品中でホームズを死なせています。
しかし、多数のファンからの復活の願う声と出版社の圧力に負けてホームズを生き返らせた。
ひょっとしたお金の問題もあったのかな。
また、音楽でも、世界でもっとも成功したポップスグループといわれる「ビートルズ」もデビュー当時はファン向けの比較的わかりやすい曲ばかり作っていたそうです。
とにかく売れるために。
まあ、一旦大成功を納めると、自分たちの好きな音楽の道を歩み始めましたが。
話を「SPY×FAMILY」の作者 遠藤達哉氏に戻すと、彼はちょっとプロとしては軽率だったかな。
正直すぎる発言をして、ファンをがっかりさせることはなかったでしょう。
では