自宅でボーカルをきれいに録音するには(歌い手さん向け)

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音声・音楽
どうも!フリーでトラックメイカー兼REC・MIXエンジニアとして活動しているTASKENです。

はじめに

今まで様々なアーティストのレコーディング現場で活動してきたのですが、商業スタジオだけでなく、普通のリハーサルスタジオや、場合によっては自宅の一室などという現場も多々あり、商業スタジオでは通用しないようなノウハウなども蓄積してきました。

そういった僕なりに得たノウハウを記事にし、今、歌い手として自分の作品を作ろうとしている方々に贈りたいと思いますので、最後までお読みいただけると幸いです。(すでに知られている情報もあるとは思いますが、これからトライしてみようという方に向けて記事を作成しました)

デジタル技術とDTMの急速な普及に伴い、個人で手軽に作品を作れる時代になり、今やスマホで作品を作れる時代になったのですが、”歌”などは未だアナログな録音方法がとられています。
マイクを用意してレコーダー(DAW)に録音というスタイルでしか方法がないのですが、このマイクに録音するという過程が初めて歌を録音する方には敷居が高かったりします。

ボーカル録音の基本ポイント

まずはボーカル録音の基本的なポイントを説明します。ここを抑えた上で、リハーサルスタジオや自宅の一室などといった特殊な場所での録音のポイントなどを説明していきます。

マイクの種類や指向性を選ぶ
ボーカルには、コンデンサーマイクやダイナミックマイクなどがよく使われます。コンデンサーマイクは高感度で細かい音(広い周波数)を拾いますが、環境音にも敏感で、ちゃんと防音された室内でないと環境音まで拾ってしまうぐらい感度が高かったりします。ダイナミックマイクはコンデンサーマイクに比べると拾える周波数が狭く、感度が低いのですが、周りの環境音を拾いづらいという特性があります。また耐久性が高く、大きな音量にも対応できという特性があります。

マイクの指向性とは、どの方向からの音を拾うかという特性です。単一指向性は正面からの音だけを強く拾い、側面や背面からの音は拾いません。双指向性は正面と背面からの音を拾い、側面からの音は拾いません。全指向性は全方向からの音を均等に拾います。ボーカルには単一指向性のマイクがおすすめで、余分な残響やノイズを避けることができます。

余談ですが、ボーカルには必ずコンデンサーマイクを使うべきという意見を目にすることがありますが、必ずしもそういったことはありません。実際海外の有名なアーティストなどで好んでダイナミックマイクを使う人もいます。要は自分の声の特性をよく理解した上で、セオリーに惑わされずマイクを選んだ方がいいということです。

最近のダイナミックマイクは性能も向上し、コンデンサーマイクに近い特性を持つものも多数出てきています。(代表的なところではシュアーSM7Bとか)

マイクの位置や距離を調整する
基本的には、マイクの高さは口元に合わせて設定します。首や顎を曲げたり伸ばしたりしないようにした方が声も出しやすくなると思います。
マイクとの距離は大体こぶし一つ分くらいが目安。近すぎると低音が増強されたり、ポップノイズが発生したりするので注意が必要です。また、遠すぎると反響音が多くなったり、音量が小さくなったり、低音が欠如した感じになるので、これまた注意が必要。適正な距離というものを色々と試しながら掴んでいきます。
また、歌っている途中でマイクとの距離を変えないようにすることも重要です。距離を変えてしまうと(特にダイナミックマイクの場合)音質が変わってしまい不安定な録音になってしまうからです。超基本的な事としてマイクスタンドを使って固定します。ハンドマイクで録音しても構いませんが、ハンドマイク専用のマイク以外では、この方法はお勧めしません。マイクを握っている時のノイズ(ギュギュとかいう音)が入ってしまうので録音には不向きです。

ポップガードやリフレクションフィルターを使う
ポップガードとは、マイクの前に取り付けるメッシュ状のフィルターです。発声時に出る息や唾液を防ぎ、ポップノイズを減らします。
強く歌った時に結構息が前に出るもので、これがマイクに直設当たると「ボッ」といったノイズが入ってしまうので、ポップガードが使った方がいいでしょう。(息を吐かずに歌える人はいませんからねw)

リフレクションフィルターとは、マイクの周りに取り付けるカーブ状の板です。部屋の反響音や外部からのノイズを遮断し、録音環境を改善します。
マイク録音をする時、ダイナミックマイクでさえ、部屋の反響音とか割と拾ってしまっている事が多々あります。録音向けの完全防音ブースなどがあれば別ですが、それ以外の場所では部屋の反響音というのは必ずついて回ると思っておいた方がいいです。
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