新型コロナ治療薬 "ソトロビマブ "ってどんな薬?

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今回は、新型コロナウイルス治療薬の「ソトロビマブ」についてご紹介します!


新型コロナウイルスの構造

SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)は、スパイク(S)、エンベロープ(E)、膜(M)、ヌクレオカプシド(N)の4つの主要な構造タンパク質でウイルス粒子が構成されています。
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新型コロナウイルスは、Sタンパク質を利用して宿主細胞(ヒトの細胞)へ侵入します。このSタンパク質には2つの機能タンパク質が存在し、1つが人の細胞に結合するタンパク質、もう1つがウイルスと宿主細胞の膜の融合を仲介するタンパク質です。
この2つのタンパク質により、新型コロナウイルスは人の細胞に侵入します。

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ソトロビマブとは

ソトロビマブは、厚生労働省に特例承認(※)の適用を希望して承認申請されています。
ソトロビマブは、すでにアメリカにおいて緊急使用許可を得ています。それ以外に、カナダ、イタリア、アラブ首長国連邦、シンガポールなどでは一時的承認、オーストラリアでは承認を得ている新型コロナウイルス治療薬です。

今回の承認申請では、ソトロビマブは、新型コロナウイルスにおける酸素療法を必要としない軽症・中等症かつ重症化リスクが高いと考えられる患者さんを投与対象としています。

ソトロビマブの特徴を2つご紹介します!!
1つめ、ソトロビマブは、人の細胞に結合するタンパク質に作用して正常細胞へのウイルスの侵入を防ぎます。また、感染細胞を除去する能力を高める可能性もあるようです。

2つめ、ソトロビマブは試験管内の試験において、デルタ株、ラムダ株を含む懸念されている変異株・注目すべき変異株に対して活性を維持することが示されています。
データでは、すべての株に対して感受性(反応性)を示し、変異株に対しても活性を維持することが試験管内で確認されています。


ソトロビマブのエビデンス

ソトロビマブのエビデンスについてご紹介します。

ソトロビマブの試験には1,057名が参加し、ソトロビマブ投与群とプラセボ(偽薬)群に分かれます。
そして、投与後29日時点で、急性期疾患の管理または死亡のために24時間を超える入院をした患者数を比較します。
結果、プラセボ群の30例(6%)に対して、ソトロビマブ投与群は1%(6例)でした。

安全性の試験では、1,037名に対して、29日間以上追跡調査が行われました。
結果、プラセボ群に比べて、ソトロビマブ投与群で高い発生率だったのが、発疹(1%)と下痢(2%)でした。しかし、そのすべてが軽度~中等度だったようです。

現在、ソトロビマブは、静脈内注入として使われる薬です。
今後、筋肉内注射でも効果があるのか、また小児患者(12歳以上)でも効果があるのか(また安全性も)も調査するようです。

特例承認されれば、日本で初めての新型コロナウイルスの治療薬となります。

ワクチンや治療薬が普及し、早く新型コロナウイルスが終息することを願っています!


※特例承認とは
その被害を止めるために、緊急的に今まで認められていなかった薬の使用を特例的に認めますという制度です。


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