ダイバーシティ・インクルージョンを考える

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日本ではほとんどの地域で日本人だけが暮らしています。
しかし、昨今、海外からの移住者や難民の方も日本で暮らすことが多くなってきたと感じます。

ダイバーシティというと、よく海外からの人ばかりに目を向けがちですが、
ダイバーシティ・インクルージョンとは、幅広い意味で多種多様な人が暮らしやすい社会を作っていくことが目標です。

海外からの人はもちろん、宗教的な違い、多様な性の違い、表面的な見た目の違いなどなど、自分が住んでいる世界の常識を超えて理解することが大切です。

先日私と息子がゲームセンターに行ったとき、小人症の男性を見かけました。
私はテレビやアメリカでよく見かけていたので、特になんとも思いませんでしたが、息子は驚いてしまい、じろじろと見てしまいました。

私は息子に、そのような遺伝などが原因で体が小さい人もいるんだよと説明しました。説明する時も、本人たちが聞いていないとしても、その人たちに失礼がないように説明することを心掛けています。

また宗教的な違いへの理解も重要

こちらも国際交流のイベントで、イスラム教徒の方がある日本の公民館内の片隅で祈りをささげていました。
近くを通った日本人男性は、何をしているんだろうと、少しの間見ていました。

イスラム教の一日5回ほどの祈りをささげる行為は、絶対に欠かせないものですから、日本にいても公民館にいても行わなくてはならないことです。

私も友人の結婚式に参加した際、家族全員がお祈りをささげるために、結婚式を中断していた時には本当にびっくりしました。

でも、一方でそのようなことに対して、嫌な感情を持つ人もいると思います。それもOK。そういう人がいる、ということを受容することもダイバーシティ・インクルージョンの一部だと考えます。

日本の神社を紹介するツアーを行っている際、お参りの作法を教えます。
鳥居をくぐるときに軽くおじぎをしますが、そのおじぎも他の宗教の方に強制してはいけないことを学びました。

あくまでも彼らの神は、彼らが信仰している神のみであり、神道への神は彼らの神ではないと考える人もいるのです。

日本人にとって仏教や神道は宗教というよりは、文化的な意味合いが強いものであり、神さまが強く私たちに何かを要求するという印象がありませんが、他の宗教ではその特定の神が神であり、その教えが絶対だということも珍しくありません。だから他の神様は彼らにとっては神様ではない、ということもあるのです。

多種多様な人種が共存するアメリカ

アメリカでは、人種差別、性差別、宗教的差別などさまざま存在するのが現状です。

最近ではアジア人に対する差別的暴力などもよく報道されていました。
よく聞くのは、白人が有色人種の住民への差別だとは思いますが、私がアメリカに住んでいた頃は逆もありました。例えばベトナム料理の店主が、白人のお客へのサービスを拒むなどです。

アメリカの歴史に関しては、ネイティブ・アメリカンやアフリカン・アメリカンへの不公平な扱い、女性の社会的地位取得までの険しい道のり、移民に対する厳しい批判、難民への不十分な対応など問題はたくさんありましたし、現代のアメリカ社会においても、それらがすべて一掃されたとは言えません。

日本でダイバーシティ・インクルージョンを発展させていくには

まず、日本では日本人がマジョリティであることを認識する必要があると思っています。

一方、日本にやってきた海外からの人たちはマイノリティとなります。

マイノリティとして生活すると、不便さや不公平さを感じる場面がある、ということも認識してほしいと思います。

さらには、日本人は世界のさまざまな宗教がどんなもので、歴史や決まり事などについても興味を持つことが重要だと思います。

日本で暮らしていくためには日本のルールを守ってもらうことは最低限のマナーだと私たちは考えますが、海外から来た人たちはそれらのルールが存在することすら知らない場合もあります。

やはりお互いに興味を持って、さまざまな話をしたり、勉強をすることを通じて、みんなが心地よく仲良く、お互いの違いを理解・受容した上で、その場のルールを尊重して生きて行けると良いな、と考えています。

そして、お互いの違いを理解・受容するという点では、老若男女、さまざまな経済状況の人々、さまざまな宗教信仰者、地元住人や移住者などに関しても同様です。

自分さえよければ良いということではなく、日本や地域の住民として、どうやってみんなが理解しあって、協力しながら生活できるかを共に考えるという姿勢がとても大事なのだと思います。
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