ユウタ17歳(水瓶座B型)

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小説
〜これは、私ではない「誰か」の今日を綴ったストーリー短歌です〜

ずっとサッカーをやってきた。
だから高校を選ぶときも高校サッカーの強豪校に頑張って入った。

3年の先輩が抜けたあとを、俺たち2年生が引っ張って、今年こそ全国のトップに立ってやろう!と気合が入ってる。

・・・ってのは、レギュラーの奴らの話だ。


サッカーを始めたのは小学生の頃。人より体が大きかった俺にとって、戦う相手は幼稚園生のように小さく思え、走れば誰より早かったし、ドリブルを奪われることもなかった。

「ユウタくんすごいね!将来はJリーガーじゃない?」

母親たちは俺のことをそんなふうに噂してた。
俺も、「オレって天才!」だと思ってた。
そんな小学生だった。


でも、中学生になると様子は変わった。

今まで俺のあごくらいの身長のヤツが、どんどん俺より大きくなっていった。
気づけば俺はクラスでも並。
勉強も、サッカーも。

それでも人一倍努力して、中2でレギュラーを奪い返し、中3ではその努力を買われてキャプテンにもなった。

失いかけていた自信を、少しずつ取り戻していったんだ。


そして、手にした高校サッカー強豪校への入学切符。

じつは、俺以上に喜んだのは母親だった。


今日も朝練のため5時に起きて、6時の電車に滑り込む。

朝からサッカーをやれば当然昼前に腹はペコペコ。

母親が作ってくれる弁当は2つ。
朝練終わりに食べるやつと、昼に食べるやつ。

正直、高校ではレギュラーになれるかどうか分からない。
もちろん努力はしてるけど、それ以上にセンスや能力の高い奴らばかりが集まる高校だ。簡単なわけじゃない。

それを知ってか、母親の作る弁当はいつもコッテリ焼肉弁当や唐揚げ弁当。
これって普通の家庭の夕ご飯のやつじゃね?
こんなのを、朝6時に出ていく俺のために2つも作ってくれてるってわけだ。

「ありがたい」をはるかに通り過ぎて「重い」

実際の重さもそうだけど、思いが重い。

でもさ、その重い思いに応えたいって思ってる、いい子の俺もいる。
だから今日も眠たい目をこすって、朝6時の電車に駆け込んでるんだよな。

よっしゃ!
グタグタ言わず、やることやるか!


そんな俺の今日の短歌

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