臨床現場で応用できるキューブラー・ロスの死の受容過程【人間関係論】

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このブログは、人間関係論の課題に活用することができます。

保健医療における人間関係から、キューブラー=ロスの死の受容過程などを取り入れ、学びと臨床の現場で応用できる点を具体的にまとめています。

A4用紙1枚1200文字程度)となっています。
課題やレポート作成の参考にどうぞお使いください。

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保健医療の現場における看護師の役割

 医療の高度化や価値観の多様化によって保健医療の現場において、様々な専門職が協働、連携することは質の高いケアを提供するうえで不可欠になっている。チーム医療は様々な専門職が目的と情報の共有やそれぞれの専門性に基づいて業務の分担、お互いに連携していくことでより適切なケアを患者に提供することができる。
 看護師は医療現場の様々な場面で患者や家族に密接に関わり、診察や治療に関する業務から患者の療養生活の支援に至るまで幅広い業務を担っている。このためチーム医療の要として、患者や医師その他医療スタッフと関わり連携する場面が多い。特に終末期の患者のケアを行う際はチーム医療が重要となっている。終末期は一般に病気が治る可能性がなく、数週間から半年程度で死を迎えるだろうと予測される時期をさしている。終末期には痛みなどの身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルな苦痛が表出することが予測され、QOLを改善するためにそれらの苦痛を予防し和らげる緩和ケアが行われることが多い。患者が今どんな苦痛を伴っているのかを家族や医療スタッフ間で共有することで、さらに患者への苦痛が増すことを防ぐことができる。例えば腰の痛みが強く出ている状態で、腰の近くにクッションを置くと腰痛が緩和されるのであればその情報をチームの中で共有し、家族や他の医療スタッフであっても、患者の痛みの緩和方法が把握できるようにすることが、良質なケアの提供へと繋がる。

キューブラー・ロスの死の受容過程における必要な看護ケア

 キューブラー・ロスの死の受容過程では、「否認」「怒り」「取り引き」「抑うつ」「受容」という5つの段階がある。
 「否認」は患者が最初に示す反応であり、防衛機制であり無意識の働きである。この段階では医療者はその防衛機制を無理に解除しようとせず、また患者が現実を直視できていない状態であるため、その話題を変える必要がある。否認が維持できなくなると、自分が予後不良の病気であるという現実に直面しなければならなくなり、怒り、憤り、羨望、恨みなどの感情がわき上がってくる。
 「怒り」は医師、看護師、家族などあらゆる方向に向けられる。この段階で求められる行動は患者の怒りの背景にある原因を理解し、むやみに声をかけずにそっと見守ることである。どんな声掛けであっても患者が混乱する恐れがあるため、患者が話し始めるのを待ち、話してくれた際は受容的な姿勢で関わる。しかし患者の状態や家族の希望等によっては、積極的に病室に行き患者と関わることが良い場合もある。怒りのせいで強く当たられたり非難するような言葉を投げかけられるかもしれない。ただ患者にとって怒りを受け止めてくれる存在は大きく、徐々に患者の怒りの感情はおさまっていくと思われる。
「取り引き」は「神となんらかの取り引きができれば、もしかするとこの悲しい不可避の出来事をもう少し先へと伸ばせるかもしれない」と考える人の気持ちをくんだ段階である。
 そして身体症状の出現などにより患者の気持ちは次第に落ち込み、「抑うつ」状態となる。この時期に出現する抑うつは2種類あり、目の前の事柄に対処できなくなることによる「反応性抑うつ」と、死に向かう患者がこの世と決別するために経験しなければならない準備的悲嘆による「準備抑うつ」である。反応性抑うつは抑うつに伴う非現実的な罪責感や羞恥心を取り除く援助によって症状を軽くすることができる。つまり、「終末期の状態になったことは誰のせいでもない、もちろんあなたのせいでもない」と言葉かけをするのが効果的だと思われる。一方で準備抑うつの段階で看護師が行うべきことは、手を握ったり髪をなでたり、あるいは黙ってそばに座っていることである。
 患者が自分の中にある様々な感情を表しきれたとき、怒りや抑うつの感情がなくなり、長い旅の前の最後の休息のときが訪れる。デカセクシス(解脱)という周囲のすべてのものへの執着がなくなり、この段階では言葉によるコミュニケーションは不要であり、ただ黙って柔らかな表情で座っているだけで十分だとされている。
 そして5つの段階と並行して「希望」が継続する。末期がん患者の多くは、治療による回復の可能性に希望を持ち続けていると言われている。たとえその希望が現実的でなかったとしても、患者の心を支えつらさを乗り越えるものとして作用している。このときチームとしても患者と同様に希望を持つことで、患者の大きな支えとなるだけでなく、チームとして一体感を持ちながら良質な治療やケアを行うことができると考えられる。
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